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読書感想「殺意の対談」※「私情対談」改題 藤崎 翔

2018年03月01日 12時55分44秒 | 乱読本感想
KADOKAWA/角川書店 2015年6月27日


★4 2018年03月01日

以前、デビュー作だという「神様の裏の顔」を読んだ。
作者が元お笑い芸人という経歴と、それゆえにやけに軽妙な、でもちょっと毒を含んだ作風に興味を持った。
デビュー作ということで、未熟な感じもしたので、それ以降の作品も読んでみたいと思った。
本作は2作目。
目次に、それらしい(対談記事が載っていそうな)マガジンの名前が並ぶ。
その次のページに、この小説は、ほぼ全編にわたり「雑誌の対談記事+対談中の登場人物たちの心の声」という形式で書かれているとの注釈が入っている。
初っぱなから、口から出た言葉の隣に、心の声が続いている。
最近こういうの、続けて読んだ。
「女子的生活」のみきちゃんの心の声は、彼女の性格を反映し、気分の悪いものでは無かった。
「何者」はSNSの表と裏垢で語られる内容が、苦かった。
ここでは、『わぁ~黒いなぁ』
腹黒い、ブラックユーモアといった感じの黒。
女優と作家(女性)の対談は面が綺麗なだけに、腹黒さが、怖い。
サッカー選手同士の対談、ロックバンドメンバーへの取材、ドラマの出演者の取材、進むにつれて、『えっ!?殺人事件あるのか!』ブラックユーモアくらいに思っていたが、そうじゃなかった。
じゃ、誰が怪しいんだ?
発見!取材した人が同一人物だ!
なぁ~~んて、ネタバレにもならない。
芸能人達の裏が、怖い。
何しろ作者は元芸人さん、構成とテンポ良く進む話はいかにも作り話です的な感じがするのに、そこだけが、芸能界の深部だけが本当のように感じる。
感じさせられる。
それを感じながら、事の真相を知るために読み進むが、帯の言葉どおり結末が、二転三転四転五転する。
迎えた結末、これって、登場人物の誰もが、真実を知ることができてない。
真実が分かるのは読者だけ。
そう思わされているだけかもしれないが。


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