途中下車してときどき嵐

ブログ人から引っ越してきました。

読書感想「本日は、お日柄もよく」原田マハ

2020年03月29日 19時07分40秒 | 乱読本感想
徳間書店 2013年6月7日

『読むタイミングってのは重要だな~』と思いながら読んだ。
アメリカの大統領選で争っているのはバラク・オバマ氏。
そのころの日本は、そう、あの政権交代が起こった時代。
少し前の小泉政権も含めて国民が突き動かさた時代だったなと。
何に動かされたかと言えば、本書に描かれているスピーチの影響も大きかったのだろう。
フィクションなのでまんまの政党は出てこないが、内容は現実に近い政党が描かれている。
それゆえ、その後の色々を経た現代に生きている私はその突き動かされたスピーチと自分に白けてしまっている。
登場人物は清々しい若者たちだ。
伝説のスピーチライター久遠久美に出あったことで自分もその道を目指す二ノ宮こと葉。
幼なじみの厚志は政治家を目指す。
そしてふたりのライバルであり親友であり、そしてこと葉の気になる存在ワダカマ。
私が白けている政治と言う背景がなければ彼らの恋愛、友情は気持ちよく読めたのにな~
そこが残念だった。
あと、スピーチというのは文章だとやはり感動は少ないな。

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読書感想「老後の資金がありません」垣谷美雨

2020年03月22日 17時56分02秒 | 乱読本感想
中央公論新社 2018年3月23日

暇つぶしにちょうど良い垣谷作品、目に止まったので買ってきた。
昨年、”老後資金2000万円問題”が持ちあがっていたが、本書の発行日を見ると2015年だ。
流行の最先端を行っていたんだ!
と、読み始めると6000万円要るって(2000万円じゃないのか!?)
おやまぁ、主人公の篤子さんのご家庭は裕福なんだわね~
現実問題としては考えられなくて他人事で読んでいく。
娘の派手婚、費用は親持ち。
舅姑は優雅なケアマンション暮らしをしているが、老後の資金を使い果たし、娘息子の仕送り頼み。
舅が亡くなれば付き合いだとかで派手な葬式。
6000万円要るとか言いながら預貯金は1200万円しかなかった篤子さんち。
あっという間に使い果たしたうえに、夫婦2人共リストラで失業。
って、ドラマのようなお話を『アホッ!』とか思いながら読む。
その後の”アホ”な夫婦の悪戦苦闘、いや、あれっ!旦那はアホなまんまやん!
悪戦苦闘は篤子さんだけ!
最後は垣谷作品らしく、つくりものの何とかなるさ、なったさ、で終わった。
まあ暇はつぶれた。

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読書感想「正義をふりかざす君へ」真保裕一

2020年03月21日 13時20分49秒 | 乱読本感想
徳間書店 2016年3月4日
タイトルを見ただけで真保裕一の硬派な小説だろうなと思った。
ちょっと不可思議な導入。
離婚した元妻からの依頼って・・・私立探偵でもない元夫に。
自分の不倫の証拠写真を撮った者を探してくれだなんて(小説でもなきゃ)普通無いだろ!
だけどそこから始まる。
元新聞記者の不破勝彦、色々あって逃げ出した故郷に舞い戻ると、再び色々と物騒なことが起こる。
地方政治、選挙、企業買収、確かに物騒な問題を抱えているアイテムだ。
そしてそれはどちらかと言うと男の世界。
登場する男たちがふりかざす”正義”は一面では”正義”だが、他方から見ると矛盾を抱えた”正義”だ。
正義をふりかざす男たちの誰が何を企んでいるのか?
最後には分かるんだけど、このお話はただの犯人探しの小説ではない。
ちょっとネタバレするが、最後の最後で登場するのはほとんど出てこなかった”女”
女である私にも想像できないタイプの女。
共感はできないけれど、この人はある意味スゴイ人だなと思った。

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読書感想「終わった人」内館牧子

2020年03月08日 18時44分59秒 | 乱読本感想
講談社 2018年3月15日

”日本中で大反響を巻き起こした大ヒット「定年」小説”と説明にあったが、知らなかった。
読んでみることに。
努力家で東大卒の田代壮介は大手銀行に入行したが、その後は出世コースからも外れ子会社に追いやられたまま定年を迎えた。
そこから始まる物語はうわさに聞く定年後あるあるも描かれるが、田代さん、出世コースから外れたとはいえ東大卒、プライドの塊ではたでみると滑稽な行動を繰り返す。
が、東大卒、大手銀行在籍という経歴が生かされる仕事に就くことになった。
が、それからまたまた・・・
読みやすい文章で、ひとりの男の定年後の行動はするすると読んでいける。
ただ、その状況は、解るが共感できない。
男と女の違いなのかな?
それと、”終わった人”では無いな、終わってもまだまだ続くんだよね、人生は。

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