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読書感想「天に星 地に花」帚木蓬生

2020年01月25日 08時58分45秒 | 乱読本感想
集英社 2014年8月5日

帚木先生の小説は読み始めるのにちょっと覚悟が要る。
特に歴史小説は最初が取っつきにくい。
地名人名、使われている漢字に悩まされる。
でも、読み進むうちにいつの間にか”そこ”に取り込まれている。
江戸時代、久留米藩の大庄屋の次男、庄十郎の幼少期から始まる物語。
裕福で善良な両親の下、好奇心旺盛な少年の目が捉えた飢饉や圧政に苦しむ百姓たちの様子。
人生の師となる人たちとの出会い、そして母親との別れ。
故郷をはなれ医者を目指して励む庄十郎の真摯な生き方には素直に感動するし、彼の師たちの生き方にも感動する。
また、飢饉や圧政に苦しみながらでも畑田を耕す百姓という存在に圧倒される。
出会いと別れの庄十郎の人生の果実は実り、その種は未来に繋がったもよう。
後記に描かれた子孫の医者の話は史実。
どこまでが創作でどこまでが事実なのかとちょっと思ってしまったが、これはまぎれもなく感動の歴史巨編。
あぁ、身近な誰かに読んで欲しい。

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