途中下車してときどき嵐

ブログ人から引っ越してきました。

読書感想「棲月-隠蔽捜査7-」今野敏

2020年08月23日 15時39分28秒 | 乱読本感想
新潮文庫 2020年8月1日

竜崎伸也を知ってから10年以上経った。
その間に全作読んだつもりになっていたが、調べてみたら3.5と4が抜けていた。
長い長い竜崎伸也の大森署所長生活、もちろん、実際の彼の時間は10年以上は経過していない。
ただ、彼の性格が少し変わるくらいには長かったようだ。
心が通うようになった大森署の人たちとの別れの時、感傷的になった竜崎伸也も魅力的だなと思った。
竜崎が神奈川県警本部に移動してしまったら馴染みになった署員たちの様子を知ることができないなと私も少し感傷的になった。
でも、既に隠蔽捜査8の単行本は出ている。
また色々揉めるんだろうけれど、次の着任地での活躍に期待!

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読書感想「ファイヤー・フライ」高嶋哲夫

2020年08月15日 08時43分13秒 | 乱読本感想
2010年11月10日 文春文庫

私は高嶋作品の感想を書く時のほとんどに”災害小説、予言の書”と言った言葉を入れる。
最初に「高嶋哲夫すげ~!」と思ったのが一連のそれらだったからだ。
もちろんそうでない作品も読んでいるが、未だにそこから抜け出ることができない。
とは言え、”そうでない作品”の出来栄えも「高嶋哲夫すげ~!」のだが。
今回の”そうでない作品”、普通に始まった誘拐事件。
ちょっと普通じゃなくなったのは犯人がターゲットを間違えたってところ。
誘拐されたのは大金持ちの社長じゃなくて、そこのエンジニアのおじさん。
監禁された場所は忘れ去られた山奥の集落。
犯人も根っからの悪者じゃなさそうだし、妙に牧歌的な雰囲気が漂う。
ファイヤーフライ(蛍)が乱舞する幻想的な描写もある。
が、
身代金は取れないし、おじさんは身に覚えのない横領の罪を着せられる。
さあそこから、おじさんの反撃!
これがなんとも”半沢直樹のやられたらやり返す”みたいな展開で、おじさんの知識と味方たちが誘拐事件と横領事件の謎を解明していく。
展開も半沢直樹的にスリリング。
最後も半沢直樹的に終了。
暇つぶしには良かったな。
最後に、資料をみたらこの作品、『TSUNAMI 津波』と『ジェミニの方舟 東京大洪水』(災害3部作の中の2作)の間に書かれていた。
作中、洪水の場面が描かれているが、高嶋哲夫の真骨頂!

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