私自身はかなり昔に読んだんだけど、最近mixiの注目のレビューアイテムのところでよく見かけるので、ちょっと書いてみようかと。
百田 尚樹著 「永遠の0」
この著者の百田尚樹さんて、関西の人は良く知っていると思うんだけど、探偵!ナイトスクープという番組の放送作家さんなのね。
探偵ナイトの作家さん、ただそれだけの情報でこの本を手に取り、買ってしまったんだけど・・・
ちょっとしまったなと。
このタイトルの「0」は数字のゼロで、直接的に何を意味するかと言えば戦闘機「ゼロ戦」のゼロなのね。
物語自体は現代から始まるんだけど、すぐに第二次世界大戦時代の日本に場が移ってしまうの。
正直苦手分野のお話だった。
戦争関係の物はたまに使命感に駆られて読むことはあるけれど、できれば避けたいのに・・・ついうっかり買ってしまったのが運の尽き。
興味もない戦闘機の話とか、戦争中の人間の嫌な話とか、正直読むのが辛かった。
面白くなかった。
でも、突然、「宮部久蔵」というひとりの男の強い愛と強い意志が現代に生きる彼に繋がる人間によって解き明かされた時、この面白くもなんともなかった物語が強烈なラブストーリーに変わるの。
ラブストーリーと言ってもただ男女が愛し合ってというような話ではなく(とは言え、そういう愛の話でもある)、もっと大きな愛のお話。
作者はこれは戦争の話ではないと、「人は何のために生きるのか」「誰のために生きるのか」を問いかけた作品だと言っているんだけど、愛する人のために「生きる」と誓った、願った人の「生きる」とはどういうことだったのかが最後に解るんだけど・・・ちょっとあれっ!?っという不思議でベタな展開の後にそれが解るんだけど、私は号泣でしたわ。
今、夏休みでしょ。
でもって、もうじき終戦記念日。
こういう時期にやっぱ戦争物って読んでおくべきじゃないかと思うのね。
特攻隊の記録とかひめゆり学徒隊の話とか原爆の話はかなりきついけれど、こんな話だとちょっとは取っつき易いかもって。
この作品、来年は映画になるそうで、監督は「ALWAYS三丁目の夕日」の山崎貴。
キャストに岡田准一、三浦春馬、井上真央となかなかの人たちが上がってるみたい。
まぁね、ちょっとタイトルを見かけたから。
ついうっかりこれを読んだ人が興味をもって読んでくれたら面白いかなって、ただ一人の人でいいの。