新潮文庫 2018年6月1日
プロローグで“三田電機、不適切会計!”とか、どこかで聞いたような話だ。
あぁ、これは東芝の粉飾決算のことが題材の小説なのか。
あれは何だか規模が大きすぎて結局うやむやになった感じだったからその概要くらいは分かるかなと読み始める。
現在(不適切会計が発覚した時代)それを捜査する側と古賀という男の半生が交互に描かれる。
証券マンになった古賀は学歴も後ろ盾もないけれど、力のある先輩とか有力者に取り立てられる。
彼らにとってはそれだけ優秀で信頼できる人だったのだろう。
バブルが始まり、人々は踊り、そして終わった。
バブルの終焉で人は踊りを止めたと私は思っていた。
が、
一部のお金に執着する人、賢い人、権力者、大きな組織に組み込まれた人たちはそれを終わらせまいとあがく。
終わっては困る人たちが益々の損失を生んでいく。
そうか、ここから終わりが始まったのか。
そして、それは終わっていない。
ある日、多額の損失が不発弾の様に露見する。
本書が書かれてからしばらく経った今でも終わっていないと思われる。
確かに“不発弾”がまだ隠れていると思わせられる小説だった。
難しかったけれど描かれたバブルの闇が興味深かった。
乱読本感想リスト タイトル【は】行
乱読本感想リスト 作家【あ】行
プロローグで“三田電機、不適切会計!”とか、どこかで聞いたような話だ。
あぁ、これは東芝の粉飾決算のことが題材の小説なのか。
あれは何だか規模が大きすぎて結局うやむやになった感じだったからその概要くらいは分かるかなと読み始める。
現在(不適切会計が発覚した時代)それを捜査する側と古賀という男の半生が交互に描かれる。
証券マンになった古賀は学歴も後ろ盾もないけれど、力のある先輩とか有力者に取り立てられる。
彼らにとってはそれだけ優秀で信頼できる人だったのだろう。
バブルが始まり、人々は踊り、そして終わった。
バブルの終焉で人は踊りを止めたと私は思っていた。
が、
一部のお金に執着する人、賢い人、権力者、大きな組織に組み込まれた人たちはそれを終わらせまいとあがく。
終わっては困る人たちが益々の損失を生んでいく。
そうか、ここから終わりが始まったのか。
そして、それは終わっていない。
ある日、多額の損失が不発弾の様に露見する。
本書が書かれてからしばらく経った今でも終わっていないと思われる。
確かに“不発弾”がまだ隠れていると思わせられる小説だった。
難しかったけれど描かれたバブルの闇が興味深かった。
乱読本感想リスト タイトル【は】行
乱読本感想リスト 作家【あ】行