途中下車してときどき嵐

ブログ人から引っ越してきました。

読書感想「恐竜まみれ」小林快次

2023年01月29日 13時55分07秒 | 乱読本感想
新潮文庫 2022年06月27日



私が恐竜に出会ったのは小学生の頃だった。

地元田舎町出身の成功者が小学校にたくさんの本を寄贈してくれた。

それを片っ端から読んでいく中、ゴビ砂漠で恐竜の化石を発掘すると言う冒険記があった。

なぜかそれに惹かれ何度も読んだ。

卒業文集の将来の夢にはゴビ砂漠で恐竜化石を発掘することと書いた。

まっ”夢”だった。

が、

作者、小林快次は”夢”をかなえた人だ。

もちろん夢を見ているだけで夢はかなわない。

グリズリーに遭遇する危険のあるアラスカや酷暑のゴビ砂漠での調査はただひたすら探すこと、苦労して探して探して、見つけても、掘り出すのにまた苦労。

人よりたくさんの苦労の上に夢はあるようだ。

恐竜発掘が世のため人のためになるのか?という自問があった。

確かに・・・なんのためになるのか?と思うが、少なくとも私がワクワクする。

そして思うのだが、恐竜発掘ができている状況というのはまだ世界が平和だということ。

発掘するのに必要な資金があり、発掘する国に入ることができるうちはまだ、いいのかな。


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読書感想「昆虫学者はやめられない」小松 貴

2023年01月15日 18時42分51秒 | 乱読本感想
新潮社 2022年06月27日

タイトルを見て昆虫学者さんの書いた本はどんなんだ?と買ってみた。
昆虫のことも書いてあったが、カエルやらカラス、ヘビやリスといった昆虫ではない生物との関わり方が面白かった。
興味を持った生物を見つめる目は昆虫だけでは無いようだ。

昆虫のことに関して、「とある虫たちの”隠蔽目録”」という章が特に興味深かった。擬態する虫は何かに似せた姿なのにもかかわらず、自身はそれを反映した振る舞いを全くしていない種がいるという。多いという。
私はテレビや写真などで擬態する虫を見て、なんて昆虫は高度な生き物なのだ!と思っていたので、目からうろこだった。

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読書感想「クジラアタマの王様」伊坂幸太郎

2023年01月15日 10時29分55秒 | 乱読本感想
新潮 2022年06月27日


数ある伊坂幸太郎作品の中で私の好きな感じの作品だった。

夢の中での冒険者たちが現実世界で出会う。

夢は文章ではなく挿絵、漫画で表されている。

冒険者たちだからヒーローなのか?

お菓子会社の社員、人気ダンサー、都議会議員、必ずしもそうではないが、少なくとも悪人ではない。

現実のトラブル、ピンチを夢の中での戦いに勝利するということで切り抜けていく。

いや、ちゃんと現実で努力して苦難を切り抜けていく。

この辺はちょっとゲーム感覚で楽しく読んでいけた。

これで終わらないのが、伊坂幸太郎。

15年が経過して、夢の中の様相が変わった。

今までなんだかわからなかったハシビロコウが悪の象徴のようになった。

現実世界で新型の鳥インフルエンザが流行し、鳥だけでなく、人間にも感染者、死者が出始めた。

そのワクチンと治療薬を巡って現実での攻防。

まっ、ネタバレだけど、彼らは勝つ。

冒険者たち3人以外の関係者総動員で勝つ。

それはハラハラドキドキ、でも、元気が貰える。



今現在、世界は新型コロナウイルスと戦っている。

日本では新型鳥インフルエンザもかつてないほどの勢いで広がっている。

小説の中の現実と同じようなことが本当の現実でも起こっている。

日々戦っている人たちがいる。

本当の現実での勝利を祈りたい思いだ。



最後に、クジラ頭の王様とはハシビロコウのことだとか。


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読書感想「逆転美人」藤崎翔

2023年01月14日 23時44分03秒 | 乱読本感想
双葉社 2022年10月13日



私は美人だから〇〇で不幸だと言う話がグチグチと続く。

でもそれは”私”が美人だから不幸になるのではなく、”私”の性格や生き方が善くないからじゃないのと突っ込みを入れたくなる。

いつまで”美人”の愚痴を読めばいいの?とうんざりしてしまう。

が、これはミステリー、事件が起きる。

ミステリーだから事件の解決はある。

ただ、それについては書けない。

それがこの小説の胆だから。

帯に”伝説級トリック””紙の本でしかできない驚きの仕掛け!”の文字があるが、まぁ、そんな話だ。

で、ミステリーのトリックとしてそれが面白かったか?と言えば、藤崎翔は頑張ったんだけど読むのは「めんどくさいな~」だった。


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読書感想「指名手配作家」藤崎翔

2023年01月03日 19時47分38秒 | 乱読本感想
双葉社 2022年03月10日


読み始めてすぐに小説家の男が短絡的な殺人を犯す。

そして、男は逃亡。

逃亡先で出会った女と一緒に生活を始める。

そのうち子供も産まれる。

小説家と漫画家、二人の仕事を交換してお互いのことがバレないように生活する。

ピンチは何度も訪れるが、その場限りの嘘で乗り越え成功者となっていく。

深い考えもなく行動しているようだが、呆れるほどにピンチをすり抜けていく。

二人に共感を覚えることは全くなく、この二人が逃げおおせるなら、すご〜くいやな気分になるだろうと思いながら読み進む。

が、流石に悪運は尽き二人は逮捕された。

そこで終わったなら、「どうした?藤崎翔!」と思うだろう。

が、

ちゃんと、「あぁ、やっぱり藤崎翔!」が用意されていた。



ここからはネタバレ。



最後に登場するのは二人の間に産まれた男の子、12歳。

今度はこの子がゴーストライターとして小説を出版する。

それが、これというお話。


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