新潮社 2014年5月28日
2017年04月15日 15:36
★4
先日読んだ「ドンナ ビアンカ」で魚住久江シリーズというのがあるのを知った。
とは言え、2作品だけのようだ。
「ストロベリーナイト」の姫川玲子とはかなり違ったキャラに興味を覚えた。
また、作品全体に流れる温かさを感じた。
たった2作品なら1作目の「ドルチェ」を読んで、魚住久江の成り立ちを知ろうと思った。
「ドルチェ」は短編集で6作品あった。
どれも、魚住久江の鋭い感性と優しい心で成り立っていた。
一見普通の“おばちゃん”の魅力は人を見る目線の温かさにある。
女性だからというわけではなく人として、愛情を持って人を見ることができるのだろう。
6作品だが、ほぼどれも“愛情”がテーマのようだ。
誰かが誰かを愛することで、事件が起きたり、事件が解決したりする。
好みは6作品目の「愛したのが百年目」
ありがちな事件が、あり得ない無償の愛だったという結末だが、魚住シリーズならば許せるなと思える作品だった。
本書のタイトルと同じ「ドルチェ」という作品もあった。
とりたててスゴイ作品だとは思わなかったが、後で「ドルチェ」の意味をちゃんと調べたら、“甘い”という意味だけでなく“やわらかい”“やさしい”という意味もあるとか。
そうか、これは“魚住久江”の意味でもあるんだと納得した。
人として興味深い“魚住久江”
そして、彼女に恋しているらしい年下刑事の峰岸のこれからの展開も気になる!
ドラマだったら面白いのにと、思ったが配役が浮かんでこない。
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