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読書感想「神の手」望月諒子

2023年07月02日 11時32分44秒 | 乱読本感想
集英社 2004年4月26日

「蟻の棲み家」で気になった木部美智子の来し方を読んでみようと書店に行って、3冊買ってきた。
シリーズの始まりが本書。
読み始めてすぐに、『あれっ!これ、この前観たドラマだ!』と気がついた。
いわゆる2時間ドラマで、気になる役者さんがひとり出演していたので観始めたが、まったく面白くない。
しぶしぶ最後まで観たが、ストーリーも酷いし、キャストも何でこの人がこの役をするの?と言った感じで終わってくれてありがとうだった。
のに、
え~、あれを読むのか~とうんざり。
非現実が(小説だから当たり前だが)非現実すぎて(それが私には面白くなくて)なかなか進まない。
でも、中盤を過ぎたあたりから、木部美智子が取材する過程で、非現実の中に現実が現われ整理されていく。
『あっ!そういうことだったのね!』と解ってくる。
狂気の女性とそれに関わった男性の狂気、狂気の渾沌の中で木部美智子だけが凜としている。
ドラマでは描ききれていなかったな。
そもそも、「神の手」という原作をきちんと読んで制作したのかしら?
酷いドラマの感想になってしまった感もあるけれど、原作はそれより良いと思う。

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コメント
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