途中下車してときどき嵐

ブログ人から引っ越してきました。

読書感想「朽ちないサクラ」柚月裕子

2024年06月09日 11時44分02秒 | 乱読本感想
徳間書店 2018年3月7日

間違ってシリーズ2作目から読んでしまった。
ネタバレしているのに読むのはなぁ~とちょっと残念な気持ちで読み始めたけれど、私の勝手な先入観がミスリードしてくれて、意外に面白く読めた。
次々と新しいエピソードが出てくるし、登場人物達のキャラも、悪いヤツを含めて、良い感じ。
娯楽として読むのには良かった。
ただ、ここに出てきた警察関係者は2作目には居なかったような・・・
主人公、泉が警察広報職員から刑事に変わったからなのか?
でも、同じ県警の中のこと、同期の磯川(なかなかの切れ者)にはまた会いたいし、あの泉に刑事になることを決意させた彼らの動向も気になる。
シリーズ3に期待しておこう。

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読書感想「みとりねこ」有川ひろ

2024年06月09日 10時54分20秒 | 乱読本感想
講談社文庫 2024年4月12日


表紙に緑っぽい猫のイラストがあったので「“みどり”ねこ」だと思っていたら、「“みとり”ねこ」だった。
「旅猫リポート」外伝2編もあるってことだ。
ヤバイ!「世之介」で涙腺が緩んでいる今、これは絶対泣いてしまう!
お風呂読書決定。
猫と子供と(大人も)生と死との間の優しい時間が描かれる。
とってもとっても優しくて良い話したちだけれど、避けられない“別れ”が描かれているので泣いてしまう。
だからといって、愛をそそげる猫との生活は不幸ではない。
猫も人間も幸せな時間が圧倒的に“ある”
私は犬派だけど、犬も猫も幸せは一緒だ。


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読書感想「野心 ボーダーズ3」堂場瞬一

2024年05月20日 15時53分49秒 | 乱読本感想
集英社 2023年12月20日

あっ!「ボーダーズ」発見!
3作目だ。
暇つぶしにはシリーズ物で、登場人物が少ないのが良い。
SCU(特殊事件対策班)は5人。
1冊ずつ主人公が変わるそうで、今回は3人目、唯一の女性、朝比奈だ。
つい最近も警察小説で女性が主人公の作品を読んだが、どちらも男社会の中でがむしゃらに頑張っている姿が描かれる。一生懸命さがちょっと痛々しい感じもしたが、それぞれの志を尊重して応援するしかないな。
でも、ここ、SCUは個々の特殊能力を尊重してくれる組織なので、そんなに居心地は悪くないはず。
何しろキャップの趣味がお菓子作りだからね。
今回はマカロン、これは難しいぞ!
正直、一番知りたいのはキャップの結城のことだ。
分かっているのは元公安ということとお菓子作りが趣味ってことだけ。
彼のことが描かれるのは5作目だろうな~
早く4作目、早く5作目、希望。

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読書感想「おかえり横道世之介」吉田修一

2024年05月19日 18時48分16秒 | 乱読本感想
中央公論新社 2022年05月25日

「続 横道世之介」を書店で目にした時、胸がチクリとした。まだ読めないなと思った。
そして、再び目にした「おかえり横道世之介」ではチクリが少し小さくなっていた。
”おかえり”は”続”の改題だそうだが、”おかえり”に後押しされて読んでみることにした。
「横道世之介」を読んでから10年は経っているが、”おかえり”を読みだすと、そこに生きている世之介があの時のホンワカとした空気をまとって現れた。
あの時より少し大人になって24歳だが、『なんだかも~~~、何やってんだ!』と突っ込みを入れたくなったり、『そうそう、これが世之介だよな~』と納得したりしてしまう。
世之介が息子だったら心配だが、近所のお兄ちゃんだったら良い人過ぎて嬉しくなってしまうだろうな。
最後の方に登場する写真家のおじいちゃんが口にした言葉「善良」は確かに世之介にぴったりだ。
善良な世之介ワールドにずっと浸っていたいと思っていても終わりはやってくる。
が、今回、思ったのは、24歳の世之介の1年間がこれだけ広がっていくのなら、世之介がいなくなるまで、途方もない時間があるじゃない!もっと、もっと世之介のことが分かるじゃない!と。
吉田修一さんに書いていただければ、横道世之介は永遠になる!


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読書感想「月下のサクラ」柚木裕子

2024年05月02日 11時53分22秒 | 乱読本感想
徳間書店 2024年02月09日

書店で見かけて買ってしまった。
本書「月下のサクラ」と「朽ちないサクラ」がシリーズとして並んでいて、2冊。
”映画化””ドラマ化”というのに私は弱いようだ。
一応、確認して、「月下のサクラ」を読み始めた。
主人公、森口泉の真っ直ぐさと機動分析係の仕事ぶりにスピード感があって心地よく読んでいけた。事件が起こるとNシステム、防犯カメラ、監視カメラの映像を調べ事件を解決に導いてゆく。そんなに簡単にいくのか?とちょっと思ったけれど、今現在、実際に起こっている殺人事件でもカメラ映像がたくさん流れるので、今はそう時代なんだなぁ~と妙に納得した。
警察内で1億円近い現金が無くなる事件が起きる。
そういうニュースも現実であるよな~と。それも分析係は映像で調べていく。これもスピード解決か?と思ったら、関係者だと思われた人が亡くなった。
それを捜査すると、青少年や外国人が絡む詐欺事件や公安が動いているという展開に。この辺りから物語として面白くなる。現実に警察がこんなだと嫌だけど、映画化したら盛り上がるだろうなと思った。

そして、解説を読む。
ショック!
いやいや、途中でちょっと変だな~とは思ったけれど・・・
さっきまで読んでいた「月下のサクラ」はシリーズ2作目だとのこと。
「朽ちないサクラ」ネタバレしっちゃったぜ。


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読書感想「正体」染井為人

2024年05月01日 17時24分36秒 | 乱読本感想
光文社 2022年01月12日

帯の”主演・亀梨和也”で買った。
染井為人さんは初めてだけど、どうだ?
脱獄した少年死刑囚の話が、時系列ではないが、「脱獄から○○日目」という形で、描かれる。
潜伏先での生活、出会った人たちとの交流の様子をみると決して罪を犯す人には見えない。それぞれがどうつながっていくのか?
つながりが見えたところで終わりをむかえる。
本作は冤罪の理不尽さを描いたとのこと。
主人公が現実離れした真っ当な人であることと、彼の逃亡を何度もゆるす警察の失態がいかにも作り物めいているので、お話として読めるが、冤罪の話は決して気分が良いものではない。

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読書感想「ダーク・ブルー」真保裕一

2024年04月29日 15時11分24秒 | 乱読本感想
講談社 2023年08月10日

久しぶりの真保裕一さんの作品は潜水調査船が舞台のようだ。
そこで起きたシージャック。
海底に沈んだ”宝”を潜水調査船で引き上げろという要求にどう対するのか?と言ったところだが、正直、登場人物たちがいまいち。
調査船の乗組員、探査艇の乗組員、男社会に2人の女性が登場するのだが、そこに色恋が必要?
武装集団も、意を決してシージャックしているのだろうが、意気込みだけで緻密さに欠けている感じで、どうにも入り込めない。
唯一、奈良橋教授のキャラは面白い、かな。
何年か前にテレビで観た深海探査艇”しんかい”を思い出しながら読んでいった。
終盤、探査艇が”宝”を見つけ、浮上するあたりでは、巨大ダイオウイカも登場し、リアル”しんかい”でのワクワク感も相まって、少しは物語に入れた、かな。

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読書感想「仮想儀礼」篠田節子

2024年03月24日 11時30分44秒 | 乱読本感想
新潮社 2011年06月01日

NHKドラマになったということで書店のよく見える場所に置いてあったので買ってきた。久しぶりの篠田作品だ。

あっという間に出来てしまったエセ宗教集団。
そこに集まるのは・・・ざっくりまとめれば今の世の中で生きていくのがしんどい人と欲の皮が突っ張った人(完全に私見です)
元市役所職員だった篠田さんが見てきたり実際に相対した人たちの様子が描かれているのかなと思う。
だからリアルで、それ故に私は嫌悪感を抱いてしまった。
はっきり言って、宗教に逃げる人、利用する人は大嫌いだ。
モンクを言いながらでも読んでいけるのは篠田さんの巧みさだろう。

この作品、読んでいて面白いか?と聞かれれば「面白くない」と答えるが、篠田さんはやっぱり凄いな~と思う。


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読書感想「ワイルド・ソウル」垣根涼介

2024年03月23日 18時58分38秒 | 乱読本感想
新潮社
2009年11月1日

上下巻の感想。
少し前の作品だが、どうせ内容も少し昔のことだし、直木賞受賞作なので読んでみようと思った。
が、読み始めて、ショックを受けた。
私の中で”少し昔”は第二次世界大戦の前くらいだろうと勝手に思い込んでいたからだ。
えっ!?移民って・・・よく見れば1961年って・・・私はもう戦後ではないと言われた時代の生まれで、田舎で育った。まわりも含め決して裕福ではなかったけれど、普通に生活できていたその頃だ。それなのにブラジルに移民した人たちの生活はなんて悲惨なんだ!
その上、その悲惨な環境に送り込んだのが日本政府だなんて、信じたくはないが、現在の日本政府も信じられないから、そうなのか。
で、家族や仲間たちのほとんどを亡くした生き残りの人たちが日本政府に復讐しようと思うのは当然のことだろう。
ただ、日本から遠く離れ過酷なブラジルでは復讐すら難しい。
生き抜いて、働いて働いて、挫折しても働いた人たちや、子供が生き抜いて大人になって、やっとその”復讐”にとりかかれる。
もう、応援するしかない。


そして、下巻。
上巻で陰鬱な気持ちになっていたが、彼らの復讐にワクワクする。
彼らが人の命を奪うような行動をすれば嫌な気持になるだろうが、それは無い。
劇場で観る壮大な映画の様なシーンが続く。
それは現実離れしているので、ハラハラドキドキを楽しめた。
最後もアメリカ映画のエンディングの様だった。
映画になれば面白いだろうと思った。
現実に映画化の話があったらしい。
あまりにも壮大なので製作が難しいのか、はたまたまだ生き残っている後ろ暗い日本政府関係者の横槍が入ったのか、それは実現しなかったようだ。

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読書感想「さよならの儀式」宮部みゆき

2024年01月28日 17時24分52秒 | 乱読本感想
河出書房新社 2022年10月6日


私は短編をあまり読まない。何となく物足りなく感じるからだ。
が、これは短編なのに、どの短編も内容が濃いと言うか奥が深い感じがした。
正直1度では理解できなくて何度も何度も振り返りながら読んだ。SFをあまり読まないからついていけないのかもしれない。その為、それほど厚い本でもないのに読み終わるのに時間がかかってしまった。変に疲れてしまった。
でも「戦闘員」ではちょっと元気をもらい、「海神の裔」では人々(人ではなくなった屍も)の優しい気持ちで癒された。

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