途中下車してときどき嵐

ブログ人から引っ越してきました。

読書感想「歌舞伎町ゲノム」誉田哲也

2021年11月23日 17時50分22秒 | 乱読本感想
中央公論新社 2021年10月25日

さあ読むぞ!
ジウサーガシリーズは面白い!
今回は短編連作5編。
”セブン”の1人が亡くなって、6人になっているが、どうなる?と思っていたら、おっと~、その手があったのか!
まさかの”掃除屋シンちゃん”が加入。
自主的にではなく、なし崩し的に加入させられたって感じ。
シリーズの中では黒子の様に現れていたが、何気に印象に残っていた。
そのシンちゃんがセブンのメンバーになって、やっと彼の人となりを知ることになった。
NOと言えない、実直なシンちゃんがこれから”セブン”でどんな活躍をしてくれるのか楽しみだ。
「頑張れ~、シンちゃん」
今回もエログロで、『ちょっと勘弁』の場面が多かったが、それ以上に展開が色々と面白い。
そして、5作並ぶことによって、5つの”悪”を成敗した”必殺仕事人”感がより強調されて楽しめた。


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読書感想「漂泊の牙」熊谷達也

2021年11月23日 17時00分49秒 | 乱読本感想
集英社文庫 2002年11月25日


私が熊谷達也さんを知ったのは「邂逅の森」だったが、この作品はそれより前に書かれたもののようだ。
動物学者である城島は妻を野犬らしき動物に殺される。
その地域ではオオカミの目撃情報もあるが、日本オオカミは絶滅したはず。
それは本当に野犬なのか、絶滅したはずの日本オオカミなのか?
妻の敵を取るために、城島は雪深い山に入る。
学者と言うより優秀な猟師のような、いや、彼自身も力強い野生動物のようで、捜索する姿は単純にかっこいい。
その彼と行動を共にするのは野心家の女性TVディレクターと殺人事件を追う刑事。
城島と刑事はヘリコプターから飛び降りて、野犬らしき動物を追い詰める。
壮絶な戦いの末、”それ”を仕留める。
映画をみているような壮大なシーンに、そんなことある訳ないと思いつつもハラハラドキドキ。
ネタバレになるけれど、結果、それは誰かが繁殖させたオオカミ犬だった。
で、ここから新な展開に。
元凶の元、繁殖させた人間を探せ!
それは、狩猟の民の歴史や刑事が追う殺人事件とも繋がる。
冒険小説でありサスペンスである。
色々詰め込んであるが、それらはちゃんと繋がっている。
面白い読み物だった。

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読書感想「そして、バトンは渡された」瀬尾まいこ

2021年11月08日 23時59分47秒 | 乱読本感想
文藝春秋 2020年09月02日

2019年本屋大賞受賞作で映画化と言うことで、帯ではなく、映画出演者の写真のカバーがかかっていた。
その俳優さんたちが文章の中で動く。
まるで最初から優子ちゃんは永野芽郁、森宮さんは田中圭、梨花さんは石原さとみと決めて書かれた様なお話で、ある部分は不幸なのだが、血の繋がっていない父親や母親たちと暮らしている様子は幸せにみえる。
その幸せな様子を読んでいくと涙が出てしょうがない。
幸せって涙が出るんだ~と思った。
その近視眼的な読み方をしつつも、頭の隅っこでは、実のお父さんと連絡が取れないって現実であるか?(まっ、小説だけど)と。
最後は結婚式の場面、頭の隅にはツクリモノだよなぁ~と思う部分がしっかりあるのにお風呂で鼻水たらして泣いていた。
素直な若い人が読めば、解説を書いている上白石萌音さんの様に感動するのだろうが、ね。

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読書感想「正義の天秤 アイギスの盾」大門剛明

2021年11月07日 06時30分37秒 | 乱読本感想
KADOKAWA 2020年8月25日

シリーズもの!?発売日がずれた上下巻!?
1作目の「正義の天秤」をそのまま引き継いでの5つの話、5つの弁護、そして鷹野が医者をやめて弁護士になるきっかけになった事件の真相が最後に明かされる。
それぞれの弁護依頼事件を解明していく中で”ルーム1”メンバーの過去や考え方も描かれ、鷹野との関係性も良くなる。
個々人に肉付けがされることでそれぞれが生き生きと動いてゆく。
1作目で感じたドラマキャストとの違和感も薄れて、物語をそのまま楽しむことができはじめた。
真相を解明することが被害関係者の心を癒し、加害者の真の反省を促す。
それは冤罪を生まないと言うこと。
大門剛明作品、まだ3作しか読んでいないが、どれも”冤罪”が奥底に流れているようだ。

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