途中下車してときどき嵐

ブログ人から引っ越してきました。

読書感想「カゲロボ」木皿泉

2022年07月23日 19時30分41秒 | 乱読本感想
新潮社 2022年05月30日

木皿泉のことをどう伝えれば分ってもらえるだろうか。
彼?彼女?の事を知ったのはドラマ・「野ブタ。をプロデュース」の再放送を観たときだった。アイドル達ではなく、修二、彰、信子、ドラマの中の3人の心の動き、関係が繊細に描かれているのに気がついた時、涙が出た。
それからドラマ「Q10」、すごく感動したけれど、それを言葉にするのがとても難しかった。
木皿泉のことを誰かに伝えたいのに、うまく伝えられないというもどかしさが残った。

時が経ち、
書店で「カゲロボ」“木皿泉”の名前を見て、『えっ!あの、木皿泉だ!』
9話の物語をひとつひとつ大切に読んだ。
不思議な話たちをひとつ読む度に、切なくてなかなか次に進めない。
痛くて、でも、優しい話たち。
後半は、初めの方に登場した人たちのその後も描かれる。
“カゲロボ”に見守られた人生を大切に生きている。
安堵し、優しい気持ちになるが、やはりどこかもの悲しさも残る。
これが“木皿泉”なのかな。


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読書感想「死刑にいたる病」櫛木理宇

2022年07月23日 10時01分08秒 | 乱読本感想
早川書房  2017年10月25日

”映画化原作””たった一件の冤罪証明”の文字と阿部サダオ・岡田健史・岩田剛典・中山美穂のキャストの写真を見て、これはきっと面白い話なんだろうと読み始めた。
勝手に今まで読んだことがある様な冤罪証明の話だと思ったのが間違いだった。
直接的なエグイ描写、登場人物皆に漂ううっすらとした不穏な感じ。
終盤、そこから脱したかと思ったが、もっと不穏な空気で終わった。
気持ち悪さを我慢して読んだが、最後に残ったのはやっぱり気持ち悪さだけだった。
ただ、殺人鬼・榛村大和の人たらしというか、人を操る天才的な才能が何か良いことに使われたらと思ったが、別のホラーが生まれるだけか。
こういうジャンルを好む人もいるだろうが、私は好きでない。

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読書感想「怖くて眠れなくなる植物学」稲垣 栄洋

2022年07月09日 09時36分49秒 | 乱読本感想
PHP研究所 2022年02月02日

”怖くて眠れない”なんてことはまったくない。
タイトルありきの無理矢理な話になっているのはいただけない。
が、植物に関してのエピソード本としては軽くて読みやすいかもしれない。
少年少女に読んで欲しいが、身近な子供で読みそうな子はいないな~、残念。
一番印象に残ったのは「トウモロコシの陰謀」だった。
これは考えようによっては怖いかもしれない。
これを知っている人間が悪用を考えたとしたら、怖い。
しかし、そうなると怖いのはトウモロコシではなく、やっぱり人間ということになるな。

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