途中下車してときどき嵐

ブログ人から引っ越してきました。

読書感想「決戦は日曜日」高嶋哲夫

2021年12月25日 08時45分04秒 | 乱読本感想
幻冬舎 2021年12月01日

カバーに窪田正孝と宮沢りえの写真、来年早々公開の映画らしい。
大物議員の私設秘書と急遽後継者になったその議員の世間知らずの娘が挑む選挙。
しばらくふたりの顔を思い浮かべながら読んでいた。
が、読むにしたがって浮かんでくるのは昨今の政治関係の汚いニュースばかり。
それが物語の中でも繰り広げられる。
現実と違うのは後継者のひとり娘だが、いかにもツクリモノみたいなキャラ、なんだかなぁ~だ。
高嶋哲夫さんにしてはひねりが無いような・・・それっぽい名前の人の作品か?
いや、所々に”高嶋哲夫”も出てくるか。
ツクリモノの選挙は無事終了。
で、最後に見たものは・・・
”この作品は映画「決戦は日曜日」(坂下雄一郎脚本・監督)の脚本をもとに書き下ろしたものです。”ってさ。
私の読みながらの疑問はそこで解消された。

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読書感想「こちら横浜市港湾局みなと振興課です」真保裕一

2021年12月17日 16時10分40秒 | 乱読本感想
文藝春秋 2021年10月06日

解説者が冒頭書いている。
”新刊が出たら、内容や値段を気にすることなく、常に購入する作家がいる。真保裕一は、そのひとりだ”と。
私も、真保裕一はそんなひとりだ。
タイトルとか帯でこの話は横浜のお役所の話のようだと、観光で行った横浜やテレビドラマで登場する横浜の景色を思い浮かべ、ワクワクしながら読んでいく。
5章になっていて、1章2章を読んで、これは若い男女の公務員がちょこっとした事件を解決する短編だったのかと。
軽くてテンポが良いが、やはり真保裕一はがっつり長編が良いなと思いつつ読んでいくと4章で、『えっ!これは長編だったんだ!』
4章5章で横浜の過去と暗部が描き出される。
真保裕一の本領発揮。
若い男女の公務員、彼らの上司、元キャスターの市長、彼らがかかわる人たちのキャラ設定がしっかりしているし、興味深いので、これはひょっとしたらシリーズになるかもしれないと期待してしまう。
彼らと横浜にまたあいたい。

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読書感想「フーガはユーガ」伊坂幸太郎

2021年12月05日 09時22分21秒 | 乱読本感想
実業之日本社 2021年10月07日

双子の兄弟、優我と風我のお話。
出だしから小さな男の子が殴られている。
この物語がハッピーエンドではなさそうなのは帯の”伊坂幸太郎史上もっとも切なくて、でも、あたたかい”で解っていたが、しょっぱなから幼児虐待はキツイな。
でも、双子が特殊能力を使って、悪と立ち向かうというのはちょっと小気味良い。
けど、やっぱり子供たちへの虐待描写はキツイ。
”特殊能力””悪と戦う”と言っても能力は最強ではないし、戦えば傷つく。
たくさんの切ない気持ちの中、彼らが戦って手に入れたモノを思うと少しは癒される。
ワタボコリの未来、小玉の未来、その子供たちの未来。
それから、肉体は無くなったけれどそれでも誕生日にはTELEPORTできているらしい最後の公園の場面、もうひとりも語っているよね。

”特殊能力”はネタバレしてはいけないのかなと思っていたけれど、帯に隠れた表紙の下の方を見ると”TWINS TELEPORT TALE ”の文字が見えるのでOKね。

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