途中下車してときどき嵐

ブログ人から引っ越してきました。

読書感想「約束の地」上下巻 樋口明雄

2021年04月25日 16時43分46秒 | 乱読本感想
光文社文庫 2011年11月20日

初めての作家さんだったが、日本冒険小説協会大賞と大藪春彦賞をダブル受賞した作品だとの紹介があったので読んだ。

環境省のお役人、七倉が野生鳥獣保全管理センター八ヶ岳支所に赴任するところから始まる。
癖のある支所の職員(元猟師や研究者、ベアドッグハンドラーとよばれる犬の訓練士)、センターの存在をこころよく思わない地元の猟師や動物愛護団体とのいざこざ。
野生動物による農作物への被害のみならず、人が襲われて死亡する事例も発生する。
クマによる被害かと思われたが、もっと大きな生物の存在が!
それを捜索し、駆除を試みるが新たな被害者が続出する。
環境破壊や汚染による動植物への悪影響、関係する政治家の介入。
七倉の娘へのイジメ、センター同僚の不審死、エトセトラ、よくもまあこれだけ詰め込んだものだと感心する。
かなりの長編になり、登場人物も多い。
が、それぞれの登場人物、だけではなく登場動物たちの気持ちも描き出され、迫力ある場面が続く。
その中で癒やされたのが、ベアドッグや猟犬の存在だった。

長編だったがほぼ一気に読めた。
面白かったし、感動もしたのだが、『あれっ!?感想が上手く書けない!』
どうも、盛りだくさんすぎて、それぞれがちゃんと良くできすぎていたので、どこから書いて良いのか解らなくなっていたようだ。


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読書感想「希望病棟」垣谷美雨

2021年04月05日 08時41分10秒 | 乱読本感想
小学館 2020年11月11日

「後悔病棟」に続く「希望病棟」
末期癌患者の治験が始まる。
担当医師は黒田摩周湖、『あれっ!?こんな名前だったっけ?』『そうだ!後悔病棟の最後で新しい女医さんに聴診器は譲られたんだ』
治験者は養護施設の女の子と過去に子供を捨てたことがある代議士の妻。
それぞれが今は苦しい思いを抱えている。
治験の成功と不思議な聴診器を持つ摩周湖の力で、ふたりは親子の名乗りを上げることができ、めでたしめでたしと安易な結末を迎える。
とはならないのが垣谷ワールド。
代議士の奥様が風俗店を経営!?
えっ!?女の子、風俗店でアルバイトするんかい!?
思いもよらない展開だが、もともと聴診器で相手の考えていることが解るって荒唐無稽な話。
最後はバタバタとハッピーな方向へ。
そして謎の聴診器の関係者が、そこここに!
このシリーズ、次があるんだな!
今回も読後感が良かったし、次にも期待する。

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読書感想「コンビニ人間」村田紗耶香

2021年04月04日 08時18分22秒 | 乱読本感想
文藝春秋 2018年9月4日

芥川賞受賞作を読むなんて何十年ぶりだろう?
毎年発表される中でこの作品のタイトルは覚えていた。
厚くない本で、小難しい文章でもない。
書かれている表の部分はするする読める。
問題は、主人公・古倉恵子の生活を読み手がどうとらえるのか?だろうなぁ。
良いとか悪いとか、共感できるとかできないとか、単純に好きとか嫌いとか。
芥川賞受賞作品”様”だから、小難しく裏を考えるのか。
私は単純に、小倉恵子、変なやつ!でも観察すると面白いやつ!と思った。
そして、もう少し監察を続けたいと思った。



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