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2023年見たい天体現象「突発出現が期待される流星群」☆彡

2022年12月08日 | 「見たい天体現象」
2023年の見たい天体現象シリーズの第5弾は「突発出現が期待される流星群」です。

↑ 輻射点から流星が放射状に飛び出す様子をリアルタイムで見ることができた2001年のしし座流星雨

 2023年前半は月の下旬が新月で、後半は中旬が新月なので、4月こと座群、8月のペルセウス座群、10月のオリオン座群、11月のしし座群、12月のふたご座群は条件が「最良」となっています。

 とくに12月ふたご座群は月明かりの影響がなく予想極大が明け方にあたるため記録的な出現になると予想されています。2023年は上記の流星群のほかにもぜひ見ておきたい流星群がたくさんあるのでご紹介しま~す。
(注:以下の流星群はすべて天文年鑑「2023年の流星」を参考にしてありますが、あくまでも晴れスター的独自選考なので全てを網羅したものではありません。)

エントリーナンバー1番
・しぶんぎ座群(三大流星群) 1月4日 明け方(HR=30、条件:悪)
*しぶんぎ座群はピークの鋭い群ですが予想極大が1月4日の昼13時、しかも4日は月齢12の明るい月があるので条件としてはいいことが何もないのですが、月没後の04時から2時間弱の天文薄明中に急速に活発化してHR=30に達すると予報されています。火球クラスの明るい流星が期待される群で2023年最初の三大流星群でもあるので運試しに見ておきたい流星群ですね。

エントリーナンバー2番
・おおぐま座ξ群(マイナー流星群) 1月21日(HR=2~3、条件:最良)
*1月下旬は厳寒期なので観測には不向きですが気になる存在としておおぐま座ξ群があります。出現規模はHR=2~3(←マイナー流星群の中ではトップクラス)で痕を伴った明るい高速流星が多いので目を引く存在となっています。関連性は認められてませんが1月20日~21日頃に満月に匹敵する火球が複数回(近年では2013年、2019年、2021年に)観測されていますので、特異な頻度で火球が出現する日として見ておきたい流星群です。

エントリーナンバー3番
・4月こと座群(メジャー流星群) 4月23日 早朝(HR=10、条件:最良)
*極大予報は4月23日10時のため国内では観測出来ませんが、月明かりの影響がないので早朝には出現数が増加する(空の条件次第ではHR=20になる)と予報されています。こと座群は痕を伴った高速流星が多いのでまだ見たことない方(実は私です)にとってはチャンスですね。

エントリーナンバー4番
・きりん座群(突発出現流星群) 5月24日21時~22時台(HR=突発出現のため不明、条件:最良)
*2014年に突発出現を見せたきりん座群ですが2023年5月24日21時~22時台に母天体である209P/LINEAR周期彗星のダストトレイル(1903年と1909年)と接近する予報が出ています。2014年の突発出現は日本で見られなかったので来年は国内でこの活動に遭遇する初チャンスとなります。蛍のようにゆったりと飛ぶまぼろしのきりん座群が実際に肉眼で見られると思うと今から胸が躍ります。晴れスター的にはきりん座群が2023年見逃せない流星群の第1位ですね。
関連ブログ→「209P/LINEAR周期彗星」「5月きりん座流星群」「5月きりん座流星群 Coming Soon!

エントリーナンバー5番
・ペルセウス座群(三大流星群) 8月12日-13日、13日-14日(HR=50、条件:良)
*2023年の極大は8月13日17時、8月14日10時~11時には1968年のダストトレイルに接近する予報が出ていますがいずれも日本では観測不可です。日本では13日の明け方にHR=50前後(永続痕を伴う火球を含む)予報が出ています。2021年に観測された新ピークは8月14日5時に相当するので14日早朝も要注意です。

エントリーナンバー6番
・ぎょしゃ座β群(マイナー流星群) 9月23日 早朝(HR=2、条件:良)
*ぎょしゃ座β群は20年周期で突発出現を繰り返しているマイナー流星群です。前回の突発が2003年だったので2023年が突発出現の年にあたります。夕方上弦の月が南天で輝いていますが、夜半過ぎには沈むのでその後は条件が良くなります。はたして20年ぶりの活動を見せるのか注目したい流星群です。

エントリーナンバー7番
・アンドロメダ座群(マイナー流星群) 12月3日 早朝(HR=?、条件:最悪)
*3D/ビエラ周期彗星を母天体として19世紀後半に流星雨レベルの出現を見せたマイナー流星群で非常にゆっくり流れる特徴があります。2023年は12月3日02時台に1649年のダストトレイルに接近する予報が出ています。月齢20の月がかに座にありますがアンドロメダ座β星付近に位置する輻射点は充分高いのでそれほど支障はありません。伝説と化した流星雨が再び姿を現すか見守りたい流星群です。

エントリーナンバー8番
・46P/ビルタネン周期彗星群(突発出現流星群) 12月12日 20時台(HR=?、条件:良)
*1974年のダストトレイルが12月12日20時台に接近する予報が出ています。活動域は南天のちょうこくしつ座西部とうお座西部と予想されています。こちらも上記のアンドロメダ座β群と同じようにゆっくり流れる特徴があります。アンドロメダ座β群と46P/ビルタネン周期彗星群はどちらも空振りになる可能性がありますが、期待を込めて注視したい流星群ですね。

エントリーナンバー9番
・ふたご座群(三大流星群) 12月15日 明け方(HR=80、条件:最良)
*12月のふたご座群は2023年天文界における最大のイベントと言われるほど期待値が大きい流星群です。その理由としては12月13日が新月のため月明かりの影響が全くないこと、極大時刻が15日04時なので輻射点が高いことが挙げられる。これだけ条件がそろったふたご座群はそうそうあるものではないので前出のとおり記録的な出現になることは容易に予想される。そのため街中でもHR=100を超す可能性があり、6等星が見える空ではHR=200~300に達する可能性があると天文年鑑には記載されている。さらに近年は火球出現が増加傾向にあるので空前の~星降る夜~になるだろうと付け加えている。期待のしすぎは禁物だがこれだけ条件の良いふたご座群は久々なので、全国的に晴れた空で2023年の締めくくりとなる流星群を楽しみたい。


番外編(メジャー流星群)
 条件が最良なのに10月オリオン座群と11月しし座群がエントリーされていないのはなぜですか?という質問がありそうなのでここで捕捉を…
・オリオン座群(メジャー流星群)10月22日 夜半過ぎ(HR=30、条件最良)
*オリオン座群は火球クラスの流星が多いとされる一方で出現数の大半が暗い流星なので月明かりに大きく影響されます。極大日は上弦の月がありますが輻射点が昇る夜半過ぎには月没となるので6等星が見える空ならHR=30を超すこともあるだろうと天文年鑑では解説しています。2023年は母天体である1P/ハレー彗星が遠日点を通過するので大きな出現は期待できない年だと思われます。

 ↑ 2007年に出現した火球クラスのオリオン座群流星 ☆彡
・しし座群(メジャー流星群)11月18日 夜半過ぎ(HR=20、条件最良) 
*闇を切り裂くような高速の有痕流星が多数出現するしし座群の母天体である55P/テンペル・タットル彗星の回帰(2031年5月)までわずか7年半後と迫ってきている。2023年の極大は11月18日14時、1767年のダストトレイルとの接近予報が11月21日21時となっており、どちらも国内では観測出来ない時間であるが、母天体がじわじわ太陽に迫りそろそろ本気を出してくるころでもあるので、月明かりの影響がない2023年は特徴の一つである永続痕をともなう大火球とともに暗い流星を着実に捉えたい…と天文年鑑では解説しています。出現数は例年どおりのようですが条件が最良なので今後の推移を見通すという意味では来年見たい流星群のひとつですね。

以上、来年ぜひ見てみたい流星群の紹介でした。

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2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
流星群2023 (ich)
2022-12-08 18:20:58
晴れスターさん
 2023年の流星群も楽しみですね。かなり細かいところまで解説されていて,見逃していたものも結構ありました。私的に気になっていたのは,アンドロメダ群としし群です。ビエラ彗星というテレビの名前のような彗星起源の流星雨の絵はおなじみですが,出るものなら是非見てみたいですね。しし群もそろそろ出始めて欲しいという期待を込めてです。
 しかしみずがめ群とオリオン群の起源,ハレー彗星がやっと遠日点とは!まだ半分しか回っていないのに,めっきり年を取ってしまいましたよね…。
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76年周期 (晴れスター)
2022-12-09 08:39:03
ichさん
 2001年の流星雨は鮮明に覚えているのでしし群まであと7年半と聞くと意外と早く巡ってきたなぁと感じますが、ハレー彗星の遠日点通過を聞いて思ったのは私も、まだそこかいな!…です。(笑)
 ハレー彗星を見たのは記憶が薄れるほど昔だったのですがね~。あ、記憶が薄れてるのは、あまりにもハレー彗星がショボかったからというのもありますね。次回の回帰は2061年ですが「テロメアの最長寿命が120年なので人生最長120年説」があるので次回も見られる可能性大です。次回はマイナス等級になるはずなので期待しましょう!
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