晴れ時々スターウォッチング

昔の出来事もたま~に紹介

10月8日皆既月食:観望会記録

2014年10月12日 | 月食
10月8日は仙台でも好天に恵まれ最高の条件で月食を見ることができました。
皆さんも思い思いの場所で夜空の天文ショーを楽しんだことと思います。

今回は始まりが18時14分でしたので遠征はせず、職場で残業中の同僚と
ワイワイ言いながらのプチ観望会とあいなりました。

〈イベント時刻〉
部分食の始まり:18時14.5分
皆既食の始まり:19時24.6分
食の最大    :19時54.6分
皆既食の終わり:20時24.5分
部分食の終わり:21時34.7分

今回使用した望遠鏡
〈CELESTRON C90 MAK 90mm Spotting Scope〉
光学系:マクストフカセグレン
口径:90mm 焦点距離:1250mm  F値:13.9 
アイピースPL32mm(39倍) 45°正立プリズム

ちょい見用のお気軽望遠鏡ですが、正立プリズム入りで
見た目の月と同じ向きで見られるのがメリットです。

おっと、時刻は18時30分を過ぎました。ここからはビルにじゃまされ
見えないのでちょっと移動してみましょう…。

ほひょ、すでに地球の影にかなり食われています。
18時30分過ぎは食分でいうと0.3ほどですが左下がかなり欠けています。

さっそく、みんなを呼んで観望会です。まずはアイピースを覗いてもらい
月が見えるか確認です。これは観望会での大事なファーストステップです。

どうやら皆さんクリアーです。まだ食分が小さいので欠けた月を確認できた方
から残業再開モードです。次の観望は皆既20分前の19時頃にしましょう。

~カチャカチャ~みなさん残業中

そろそろ時間です。次のターゲットは天王星です。
月明かりが暗くなってきたので探してみましょう。

ありました!19時過ぎに発見です。かなり月から離れていますがギリギリ
同一視野に収まっています。(月は右縁が少しだけ見えている状況ですが)

「お~い天王星が見えたよ~」
「え~、天王星って、水金地火木土天海冥の?」
「えっ、今は水金地火木土天冥海じゃなかった?」
「いや冥王星は無くなったよ~」
などと、やけにハイレベルなつぶやきを発信しながら皆が集まってきました…。

見えたと言っても、望遠鏡はF14で、現在地は仙台国分町まで徒歩2分の場所です。
望遠鏡の中でかすかに輝く、5.7等級の天王星を見つけるのは、望遠鏡を見慣れていない人にとっては至難のわざです。

「月縁が9時方向に見えるので、反対側の2時から3時方向を探すと小さな光る点が見えるので…、それを探して…、えっ見えない…、そこに必ずあるから…」とおまじないのように繰り返したところ、全員が天王星を見つけることができました。
「えっ、あの小さな光の点が天王星…」
「わぁ~初めて見た~」「うわぁ小さい!」
「へ~、天王星ってこんなに遠いの~」
「宇宙って広いねぇ~」などと、やはりハイレベルな感想を述べていました。

さぁ~て、そろそろ皆既が始まります。本日の観望会メインイベント、ターコイズフリンジの観望です。今回の皆既月食開始はちょうど月の上が明るくなって指輪のように見えます。その様子は、夜空に輝く0.01カラットのダイヤモンドリングといった感じでとてもビューティフォーです。

「ではみなさん、これからターコイズフリンジを見てもらいます。」
「今、月はまもなく皆既に入ります。てっぺんが明るく見えて、月の下はすでに赤銅色になっていますが、そのあいだが青っぽく見えます。ターコイズ色に見えるので、これをターコイズフリンジと言います。さぁ、望遠鏡を覗いて自分の目で確かめてみましょう。」

「えっ、ターコイズってトルコ石のこと?」
「月が青っぽく見えるって聞いたこと無いけど…。」
「あー、ほんとだ! 欠け際が青っぽく見えてる、不思議~」
「えっ、これって知られてることなの?」

「これは太陽光がオゾン層を通過する時、赤い光が吸収されて青い光だけが直進するからだと言われています。」

「あー、そうかー、オゾン層は高いところにあるから、欠け際だけ青くなるんだ~」
「へりがターコイズ色になるから、ターコイズフリンジって言うワケね~、納得。」
むむ…、またしてもハイレベルなつぶやきです。

さ~て、時間も遅くなってきたので、そろそろ終了です。
「天王星を初めて見たし、月食中のターコイズ…フリンジ?…も初めて見てたのしかった~」という感想を背中で聞きながら撤収開始です。

そうそう、自分の目で直接見るということが観望会の醍醐味です。たとえ小さな光の点でも、天王星から2時間30分かけて届いた光を見ているという体験が実感につながります。

観望時はカメラを持っていなかったので、帰宅してから今回の記念写真?を撮りました。

「食分0.51」

2014.10.8.21:01:47 D90 BORG60 Powermate2× ISO800 1/2000(トリミング)

「地球の影に写るウサギの耳」

2014.10.8.21:04:45 D90 BORG60 Powermate2× ISO800 1/4(トリミング)

「半影食」

2014.10.8.21:40:46 D90 BORG60 Powermate2× ISO800 1/4000(トリミング)

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6 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
きれいでしたね! (ich)
2014-10-13 17:04:55
 晴れスターさん  職場の同僚に見てもらうとは,さすがですね。私は職場には双眼鏡だけを置いて「見てね!」とだけ言ってダッシュで帰宅し,なんとか全経過を見ました(職場のボスにはイヤミを言われましたが)。3年前の12月のときは,皆既になったら曇ってきて後半が見られなかったので今回は大満足でした。
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Unknown (もも)
2014-10-13 19:14:05
こんばんわ、ももで~す。
なかなリアリティーの感じられる観望記録ですね。
それにしてもみなさん的を得たコメントに関心しました~
凄いですね!
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今まで見た中で一番きれいだったかも… (晴れスター)
2014-10-14 21:33:56
ichさん こんばんは
天気といい時間帯といいどれをとっても申し分のない皆既月食でしたね。皆既月食ってこんなにきれいだったんだぁ~と改めて感じました。今回、皆既中の写真は撮れませんでしたが、ichさんは撮れましたか?いい写真が撮れてたらぜひご紹介くださ~い。
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そのほかにも… (晴れスター)
2014-10-14 21:36:39
ももさん、こんばんは~
「皆既までは12時方向へ欠けていったのに、皆既が終わると9時方向から光が戻ってくるのはどうして?」というつぶやきもありました。地球の影を示して説明したのですが、言葉足らずでいまいち納得してもらえませんでした。月食は奥が深いですねぇ~。
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サイディングスプリング彗星 (K爺)
2014-10-24 12:05:28
何か情報あれば教えてください
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かなり小さな彗星だったかも… (晴れスター)
2014-10-27 00:29:20
K爺さん、こんばんは
サイディング・スプリング彗星のことについてブログにアップしました。どうぞご覧ください。
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