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ISS拡大撮影(Daylight 惑星カメラ編)その3

2021年11月07日 | ISS(国際宇宙ステーション)
 なかなか結果が出ない「ISS拡大撮影~Daylight 惑星カメラ編」ですが、6回目のチャレンジで動画撮影に成功したので11月1日の4thトライアルから11月6日の6thトライアルまでをまとめてみました~。

4th トライアル
日時:2021年11月1日 天候:晴れ(ほぼ快晴)
イベントデータ:429km、-3.4mag MAX79°  SUN 21.3° 通過図
待ち伏せポイント:08h12m11s SE221° 79° 429km
撮影データ:f1500mm ASI290MC、0.857ms、Gain = 100(16%)
結果:失敗(ISSを視認したが追尾開始時にロストして画像取得できず)
考察:月齢25.4の月でテスト撮影、露出を0.857ms、Gain は100(16%)前後が適正と判断して撮影を試みたが画像取得できず。ISS通過後に月面を対象としてモノクロカメラのテストを実施。
テスト画像1テスト画像2テスト画像3テスト画像4

5th トライアル
日時:2021年11月5日 天候:晴れ(薄雲あり) 
イベントデータ:431km、-3.6mag MAX77°  SUN 5.1° 通過図
待ち伏せポイント:06h39m30s~40s SE230° 77° 431km
撮影データ:f1500mm ASI290MC、0.751ms、Gain = 106(17%)
結果:失敗(ISS視認できず)
考察:薄明中にカペラでピン合わせをして待機、通過直前に薄雲が流れてきて視程がやや不良になる。ISS通過と同じタイミングでハトがファインダーを横切ったため脳がバグってISS確認できず。

6th トライアル
日時:2021年11月6日 天候:晴れ(ほぼ快晴)
イベントデータ:485km、-3.3mag MAX59°  SUN -3.8°


今回のPassは太陽が地平線下にあるため通過図が星図になっている。本来なら夜間モードで撮影する対象だが今回はデータ収集のため Daylight Pass 用のシステムで撮影を行った。日の出20分前は青空で星は見えなかったが、ISSは高度20°付近から肉眼で見えた。この時間は地球からの反射光がまだないため露出不足になることは予想できたが昼間の撮影を想定して Daylight Pass 設定の露出で撮影を試みた。

待ち伏せポイント:05h51m40s~50s N 0° 53° 512km
撮影データ:f1500mm ASI290MC、0.844ms、Gain = 100(16%)
結果:成功(動画取得、センタリング動画作成)
考察:今回は見え始めの高度53°(高度50°までは屋根で死角)から高度26°まで追尾できた。時間にして約2分間(5h51m51s~5h53m50s)の追尾はDaylight Passモードでは最長記録である。今回のパスは太陽方向へ進行しているため昼光ですぐ見えなくなると思ったがファインダーの中ではずっとISSが輝いて見えていた。下記動画は見えていた時間とほぼ同じ長さに編集してみた。動画を見て分かるように露出はアンダーである。画像処理ではレベルをかなり引き上げたので背景がグレーになっているがオリジナル画像の背景はブラックでISSで写っている部分は「きぼう」や「コロンバス(欧州実験棟)」など輝度の高い居住棟のみであった。

ISS(Daylight Pass)2021 11 06




File.No.2770 高度54° 距離504km   オリジナル画像→No.2770

2021.11.6 05h51m52s  Shutter=0.844ms Gain=100 (16%)


File.No.3956 高度59° 距離494km  オリジナル画像→No.3956

2021.11.6 05h52m16s  Shutter=0.844ms Gain=100 (16%)


File.No.4680 高度56° 距離515km  オリジナル画像→No.4680

2021.11.6 05h52m33s  Shutter=0.844ms Gain=100 (16%)


File.No.5408 高度49° 距離560km  オリジナル画像→.No.5408

2021.11.6 05h51m48s  Shutter=0.844ms Gain=100 (16%)


〈参考気象資料〉



過去ブログ ↓
ISS拡大撮影(Daylight 惑星カメラ編)その2  2021.10.29
ISS拡大撮影(Daylight 惑星カメラ編)その1  2021.10.21


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2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
きれいなISS (ich)
2021-11-07 19:57:01
晴れスターさん
 すごくよく写っています!気流もよかったんでしょうね。カラーで立体感が出ています。しかし元画像を見ると,まさかこれからあんなにきれいな画像ができるとは,というものでビックリしました。いよいよ青空を飛ぶISSに期待が高まります。ゆっくり挑戦してください!
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昼間の気流 (晴れスター)
2021-11-09 12:47:07
ichさん
 いつもありがとうございます。今回の画像処理はレベルを上げただけで特段の処理はしていないのですがそれなりにISSが浮かんできて自分でもビックリです~。 (^^ゞ
 話は変わりますが、Daylight ISSの撮影をしていて気付いた事があります。昼間のISSは写りが思いのほか良いので不思議に思っていたのですが上記の参考気象資料のシーインググラフが示しているように、夜間は荒れていても(シーイングが2.5秒弱)昼間は安定(1.5秒弱)する傾向があるのかもしれません。グラフの信憑性は定かではありませんが、これがホントだとすると昼間は夏場の好気流に匹敵する気流になる可能性があることになります。Daylight ISSはなかなか奥が深いですね。昼間ならではの特典がいろいろあるようです~。
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