晴れ時々スターウォッチング

昔の出来事もたま~に紹介

ムーンボウのこと ~まちぶせ編~

2009年10月02日 | ムーンボウ(月光虹)
仙台で中秋の名月の翌々日に現れるムーンボウの正体は
ずばり「時雨虹(しぐれにじ)」です。

「時雨」は晩秋から初冬にかけて降るお天気雨のことですが
ここ仙台では紅葉の季節によく見られるポピュラーな気象現象です。

虹と言えば夏の風物詩ですが、仙台では稲刈りの頃に虹を
見ることがよくあります。それが「時雨虹」です。

これは2006年10月8日の昼間に撮影した時雨虹です。この日は
朝から夕方まで「時雨虹」が出ては消えるを繰り返していました。

まさか、この日の夜に2度目のムーンボウとの出会いがあるとは
全く予想できませんでした。この日は日曜日だったのでゆっくり
すごしていたのですが、妻が出張だったため夕食を作らなければ
なりません。夕方、買い物に行こうと外に出ると、パラパラと雨が
降っています。「おっ、まだ時雨ているぞ~、傘はいるかな…」

その時です。見上げた空の先に丸い月が見えます。「わわ!」
頭の中でいろんな映像が瞬時にフラッシュバックしました。
「昨日の満月」「昼の時雨虹」「5年前のムーンボウ」「中秋の名月の翌々日」

「出る!出る!ムーンボウが出る!」
「おーい、出かけるぞ~!ムーンボウが出るぞ!急いで支度しろ~」

観測地は住宅地のはずれの田んぼの中です。早速、車を降りて西の空を見ます。
…出ていません。「ねぇ~、どこ?」「う~ん、あの辺に出るはずだが…」
後ろを振り返ると月が雲に隠れています。ふむふむ、そーか。
「今、月が雲に隠れている。あの月が雲から出るとムーンボウが見えるはずだ。」

待つこと十数分、やっと月が雲から出てきました。
「おお~、見えてきた!」白いアーチがうっすら見えてきました。
「わぁ~、みえた、みえた」「色ないねぇ~」「白いね~」

色の確認は今日の重要な観測ポイントです。実は5年前にムーンボウを
見たとき新聞にも載ったことから、たくさんの方からお話を聞くことが
できました。その中で加美町在住のご年配の方から「私も女学生の頃、
写真と全く同じものを見た」という話を頂いた。

「写真と同じ?」写真のムーンボウは7色に写っていますが、肉眼では
白色です。その点を確認したところ、「はっきり覚えているが昼の虹と
同じに見えた」とのこと、この時は正直「思い出の美化現象」だと思って
いました。しかしそれは正しかったのです。そのことをわずか30分後に
確認することになるとは思ってもいませんでした。

ムーンボウは19:50~20:10までのわずかな時間だけ見えていました。

こちらはムーンボウ目撃記念写真です。

そしてこちらがこの日のベストフォト

「ムーンボウとかんむり座とヘルクレス座」

2006.10.08 20:07 NikonD50 F3.5 18mm 15sec

空は晴れ上がり、ムーンボウも見えなくなりました。
おっと、まだ夕飯を食べていませんでした。スーパーに
いってお総菜&お弁当を買ってすますことにしましょう。

車を走らせ、自宅近所のスーパー駐車場に入ろうとした時、
後部座席から「あ~、ここでも見えてるよムーンボウ」
「あれ?色あるよ」という冷静な姉の声が聞こえます。

「え?いろ…、おっおお!」
なんということでしょう。夜空に昼のような虹が出ています。
「これは、いったい…」

この続きは「ムーンボウのこと ~再会編~」で