トミー・リー・ジョーンズが地球にやってきた宇宙人に扮したCMがある。この星の人の行動を観察して、水を大切にする人達だ・・と色々呟くあれだ。不思議ではあるけれど好ましい星と思うのが分かる設定になっている。
しかし彼も新聞を読めば首を傾げ、週刊誌を読めば愕然として感想が変わるだろう。知らなかったと口を拭いやり過ごそうとする公的責任のある立場の人々、通りすがりの人を近隣の人をそして仲間を殺める理解しがたい犯罪者達。その存在を知ればこれは狂った星にやってきたと早々に退散しようとするかもしれない。果たして彼に帰りの宇宙船はあるのだろうか。
元より帰る星もなく、地球に生まれてやがて七十年、今頃何だかおかしいと気付いた土着の高齢者には帰る場所もない。否応なしのお迎えというのがあるのだが、それならせめてこの美しき世界と見定めたい気持ちがする。辛いのが人生、それは応と受け入れられても、理解しがたい歪んだ非道にはどうしてそんなことをと思う。