駅前糸脈

町医者をしながら世の中最前線の動きを感知、駅前から所見を発信。

東京オリンピックは地道に

2015年03月03日 | 政治経済

            

 東京オリンピックの招致の意味はいずこにありやと考えた。人類のスポーツの祭典を日本で目の当たりに出来るのは嬉しいことだ。それこそ一生に何度とはない僥倖だろう。世界中からのお客さんをおもてなしするのは誠に結構なことだ。

 しかし、そうした喜びに負けず劣らずオリンピックの経済波及効果にしめたと思った人の期待も大きいように見える。箱物を作り道路を整備する名分は大きく中々反対しにくい。便乗と本物の区別は難しい。高々一ヶ月間での観光客がどれほどのものか。長く見積もってもオリンピック効果による観光客の増加は半年程度だろう。勿論、持ち帰った良い印象や口コミの効果は何年も続くだろうから、積算すればかなり大きな数にはなるだろうが、巨大な投資に見合う収益が上がるだろうか。採算が取れるのは建設業とこの数年上層部に居た人達だけという恐れがありそうだ。地味でいいから、長く広く本当に役立つ設備をお願いしたい。

 勿論、経済以外の意義と効果は大きくなり得る。平和を愛する国日本を広く深く知って貰えれば、積極的平和主義は持って瞑すべしだろう。

 名分に便乗して懐を暖めようとするのをけしからんとは思わないが、持続する長期的視点が足りないのではと懸念する。目端を利かせて飛び回る油揚を狙う鳶ばかりでは、人口減少の借金大国日本がじり貧になるのは防げない気がする。

 桝添知事は相当分かってきておられるように観測する。名分を振り回す人に抗して、目端でなく地道にお願いしたい。マスコミも公務の仕業の評価を任期を過ぎてもそれこそ一生付いて回るように報道して戴きたい。そうすれば在任中の記念碑的なその場企画は減るだろう。

 忘れることがストレスの緩和や迅速な方向転換に役立つこともあるが、そうしたことは少ないし、利用されては大間違いの原因となる。忘れる認知は、医療に於いても大問題となっている。忘れないで考えた企画をと認知に直面する現場から申し上げたい。

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