Raffaelloのイントネーション、そしてカタカナ表記について話しているなかで、
( “ラファエロ”のイントネーション追記(イタリア語の発音)
http://blog.goo.ne.jp/afternoon-tea-club-2/e/a120a2f347ddd11032cbdd7f8c044db8 )
マッシモ・スマレ先生とMilanoのカタカナ表記の話になりました。
スマレ先生は、
「日本では元はMilanoをミランと書いていて、戦後これがミラノになった」
と書いてきて、「ミラン市」という表記を使っている古い文献(19世紀後半〜1939年)を紹介したサイトのリンクをいくつか送ってきてくれました。
これに対し私は、
「「ギヨテとは 俺のことかと ゲーテ言い」という川柳がつくられたように、外国語でも特に固有名詞は、正式な場合を除いては、案外自由でしたしね。
そういえば、アイスクリームも昔は「アイスクリン」と言われてもいましたし、聞こえ方も様々だったのか。」
と返しました。
しかし、人名やアイスクリームと違って、都市名は漢字の当て字があるだろうと思って調べてみたところ、ミラノは「未蘭」もしくは「米蘭」と書いていたことが判明。(「米」は中国語では「Mi」と読むようです。亜米利加では「め」として使われていますが。)
参考:外国地名の漢字表記
http://www.ss.iij4u.or.jp/~ana/chimei.htm
ということは、スマレ先生が説明してくださったように、明治以降の日本人はカタカナでも「ミラン」と書く方が一般的だったのでしょう、きっと。
(この「ミラン」表記、戦争が始まる頃に、「敵性語である英語Milanの発音に近いカタカナ表記ではなく、同盟国で本国語であるMilanoに近い「ミラノ」に変えろ」という通達でもあって変えられたのでしょうか。スマレ先生は戦後(”After the Second War”)と書いていますが、これは「終戦後」という意味とは限らないと思うので。)
外国の地名の話は、以前にも、
Turin, Miran,Munich, Zurich, Prague・・・はどこ?
http://blog.goo.ne.jp/afternoon-tea-club-2/e/80683181a81be29b0878b55e302f9c30
で取り上げ、
「フィレンツェが英語でフローレンス、ヴェネツィアが英語でヴェニスになることは頭にあっても、トリノが英語でチュリン、ミラノがミランというのまでは頭が働きませんでした。(「ミラン」はサッカーチームのおかげでよく知られるようになりましたが・・・。)」
と書きましたが、いずれにしても「ミラン」は、サッカーチームが有名になる以前に日本で使われていたんですね。
ところで、今フジテレビ(火22:00〜)で放映しているホームコメディドラマ『お義父さんと呼ばせて』には、イタリアになじんだ名前の3兄妹が出てきますが、ちょうどヒロインの名前が「美蘭(ミラン)」でした。
(兄の「葉理男(はりお)」はオリーブオイルの「Hario Deli」、妹の「真理乃」はパスタの「Murino Marino」などからつけたのか・・・。)
→「葉理男」はパリから、「真理乃」はサンマリノから。
追記:
中国語でも日本語でも、スペインは漢字で「西班牙」。
「アメリカ合衆国」は、日本語は「亜米利加」「米国」で、中国語は「美国」。
中国は、どうして「美国(めいごわ)」にしたんでしょう。