Various Topics 2

海外、日本、10代から90代までの友人・知人との会話から見えてきたもの
※旧Various Topics(OCN)

足の悪い高齢者Mさんの話-3

2024年05月30日 | 脳出血・リハビリ・他

もし「痴ほう」で介護認定が付いたなら、普通だったらケアプランで「高齢者デイサービス」を意の一番にすすめられそうです。

それが、当事者が望まない訪問リハビリとなったとしたら、ご主人の意向で決まった可能性が高くはないでしょうか。

お話好きのMさんにとって「デイサービス」の話を聞いたり、見学に行ったのならその話を私にしてくれそうですが、彼女は「デイサービス」の「デ」の字もでませんでした。

Mさんは、無口なご主人とよく散歩をしていました。(ご主人が10m以上先を歩くこと多し)Mさんがご主人を愛しているのを隠そうとしませんでしたので、Mさんがどんなにご主人を好きかはわかっていましたが、ご主人の方は?実は亭主関白に見えるご主人こそ、Mさんへ思いが強いとしたら-

 

そんなことを考えていたら、夕方にMさんのご主人がやってきました。

彼は、私に、「妻が痴ほうで介護認定を受けたこと、昨日私と話したことで、訪問リハビリを嫌がっているので、妻が相談にきても受け流してほしい。私が頼みに来たことは妻に内緒にしてほしい。」

と語りました。

「やっと介護認定をもらったのに・・・」というご主人に向かって、差し出がましいとは思いつつ、

「デイサービスなどは利用されないのですか?」

と問うと、彼は体を固くして、「その話はいい」顔をこわばらせて背を向けたご主人。

 

「妻が痴ほうになったことのストレス」を抱えつつ、記憶がなくなっていくかもしれない彼女と時間を共有することをおそらく彼は選んでしまったのだと、悲しい気持ちになりました。

この2~3か月前ごろから、Mさん一人で散歩するようになっていて、むしろご主人の具合が悪いのかと思っていました。しかし、実情は蓋を開ければこういうことでした。


「足や腰もいたむMさん、しかも痴ほうの症状が出てるMさんの一人散歩」させながら、もしご主人が自分で面倒をすべて見る気でいるのだとすれば、それは双方にとってよい結果を生むように思いません。

そうであっても、せっかくの介護保険もケアマネも、手助けできることがありながら手助けできないばかりか、ひょっとしたらMさんの別居の子供たちにも夫と本人を説得できないのではないように思います。

 

5月31日追記:

今日もMさんが一人カートを押しながら散歩している後ろ姿をみかけました。一見彼女は痴ほうの症状が軽いとしても、家がわからなくなる場合もあります。ご主人が目を離したすきに外に出てしまうのか、ご主人が「まだ大丈夫」と行かせているのか。後者だとしたら、ご主人の判断もおかしくなっているんじゃないかとも思えます。(老夫婦で片一方が痴ほうになった場合、もう一方がうつ状態で判断がおかしくなったり、引きこもることがあると思う。)この状態が続くのであれば、おせっかいで市の福祉課に相談してみようかと思います。

高齢者人材センターの職人枠マネージメントをやっているとき、大工仕事を依頼してきた2名の依頼がおかしいことがありました。一名は一人暮らしで「庭全体をコンクリートで埋めてくれ」と言い、もう一人は「窓をふさいでほしい」と依頼してきたものの、派遣した職人さんに「天井や窓からいつも誰かがのぞいている。」と言ってきた人。
後者は職人さんが断ってそれまででしたが、前者は昔の同僚(市の外郭団体)に相談、そこから市役所経由ケアマネに連絡、別居の息子さんに連絡して、依頼を取り消しました。

今は当時より個人情報が厳しくなっているとで、福祉課も動かない(動けない)かもしれません。それに加え、高齢者だけの世帯、高齢者の独居は増え続けていて手に負えない-こういうことを政治家がなんとかすべきなのに・・・。

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足の悪い高齢者Mさんの話-2

2024年05月30日 | 脳出血・リハビリ・他

昨日、Mさんが私に質問したのは、の訪問リハビリの内容と、リハビリに来る人が30分遅れたりするのが普通かどうかでした。

「私の訪問リハビリは、本来週2回、2時間までできるのだけど、私の希望で週1回1時間だけお願いしていて、内容は外歩きとストレッチ。時間は遅れても5分程度。連絡もなしに30分遅れるなんてことはあり得ないので、それだったら、ケアマネージャーさんに相談をすべきです。」

と私が答えると、彼女は、

「ケアマネージャーとか、契約のことは主人が決めているので私は何も言えないし、リハビリの内容は、「家の中でグー、パーを30回しましょう」と言われたり、家の中でちょこちょこやるだけ。こんなんだったら、NHKの体操の番組を見ながらやっているし、週回もいらない。私は背中から足にかけてが痛いのに、何もしてくれない。」

彼女の「ケアマネとの打ち合わせ、契約に彼女が入っていない」というのは大げさですが、Mさん夫妻はMさん(奥さんの方)のこともすべてご主人が決めているようで、しかも、それは彼女自身も望んでいるようだったので、「彼女がすべてご主人に任せている」の意味だと思っていました。

「介護認定はどうなっていますか?それにもよりますが、リハビリを1回にして、あと一回は訪問マッサージに来てもらうことができるか、ケアマネさんに相談した方がよいのでは?ケアプランはケアマネさんが本人の意見を聞いて立てていると思うので、もし本人や家族の意向を聞かないでプランを決めてしまうようでは、ケアマネから契約し直しするほうが良いと思う。ご主人ともよく話し合ってください。」

彼女は自分が要支援であるか、要介護であるか、わかりませんでした。

 

このMさんとの会話は、今日リハビリに来てくださったOTのYさんに相談。

Yさん「足が悪くても、一人で外出できるのであれば、ついても「要支援1,2」だと思います。認知症の症状がでていそうですか?そうであれば、足でなく認知症で要介護はとれていると思いますけど。」

私「彼女たちと知り合ったのは、5,6年くらい前からで、Mさんは当時から大きく変わったようにはみえないのよ。と言っても、当時から「若干の痴ほう」は入っているかとの疑いはあったということなんだけど。とにかく、ご主人を尊敬しすぎてすべて任せっぷり。正直に言うと、「痴ほう」以外でも「知的障害ボーダーライン」の可能性も感じていたくらい。この2年くらいは、「話の長さ」が度を越しているし、ズボンを道端で直そうとしたり、「痴ほう」は少し進んだ感じはあったけど・・。」

Yさん「では、30分遅れるリハビリ」も、「ケアマネとご主人だけが打ち合わせ、契約」というのは、Mさんの記憶が変わってしまっている可能性がたかそうですね。」

私「確かにそうかもしれないわね。でも、そうであれば、なぜMさんに自宅でリハビリ?デイサービスに通う方が良い気がするのに。」

(次回に続く)

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足の悪い高齢者Mさんの話-1

2024年05月30日 | 脳出血・リハビリ・他

約4年前の脳出血を起こし、リハビリ病院退院時は、「右足は装具つき」「車いす併用も」「右手はリボン結びも難易度が高い」(STさんは「言語障害も残る」とは言ったことがありませんが、「完全回復は難しい」と思っていたと思います。)と言われてきた私の現状は、リハビリ病院時代を知っている人から見れば、驚くべき回復をしていると思います。

もちろん右麻痺の後遺症は残っていますが、もともとインドアが好きな私は後遺症自体にストレスを感じることが少なく、この2年くらいの一番のストレスは、家族が私が後遺症があるというのを忘れたようになり、やることに責任を持たなくなったこと。家族には私の後遺症のため買い物や通院等の付き添いで不便をかけてはいるのは感謝しますが、日常は・・・という感じです。


さて、私の後遺症に慣れてしまったのは、近所や家の前を散歩する人たちにとっても同じ。

脳出血になって、近所の人たちとの交流が増えていった話を以前書きました。

小さな幸せ - Various Topics 2 (goo.ne.jp)

今でも彼らとのふれあいに幸せを感じていますが、今は庭に出て花に水をやったり、していると、通りすがろうとした人達に話しかけられ、時に3、40分立ち話になることが増えました。

「おしゃべり」は私は嫌いので良いのですが、立ちっぱなしで足が疲れてしまうときや、洗濯している途中に外にいて洗濯機が終わって,洗濯ものを干しに家に入りたいと思ってもいるときは、少しだけストレス。

 

さて、こんな風に、昨日も足の悪い高齢のMさんと立ち話。足が悪いMさん、椅子になるカートを押して歩いているので、そこに座り、私は駐車場でトングを持ったまま。

童女のようなかわいらしいMさん、彼女の話は長いので、彼女に話を終わらせる術を身に着けていた私ですが、昨日の彼女の話には、驚きました。

(次回に続く)

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