大学のころ、徳島出身の女の子のあだ名が「はめちゃん」で、どうしてかというと「お茶を入れる」を「お茶をはめる」と徳島では言うらしく、それで「はめちゃん」という、何だか深読みしたくなるあだ名がついた子がいた。
自分じゃ標準語だと思っていたのに、実は方言だったということはよくある。
私も大学に入って、「かたす」「なおす」がどういう意味かわからなかったし、「たう」「みやすい」が通じなかったことにびっくりしたものです。
その方言も均質化してだんだんと廃れていくのかと思ってたら、新しい方言が作られているそうだ。
以前、毎日新聞の「呼び名で分かる」シリーズというのがあり、地域でものの呼び名が違う特集をしていた。
その記事をもとに作られたのが『出身地がわかる! 気づかない方言』である。
「気づかない方言」とは「方言であるのに、話し手が共通語だと思い込んで使っている言葉を、方言研究者は「気づかない方言」と呼んでいる」のことである。
気づかない方言には、古くからある言葉だが方言だと気づかれにくかったものと、現代において新しく地域差が発生した言葉とがある。
たとえば、東日本では「画鋲」と言うが、西日本は「押しピン」、最下位のことを東日本は「ビリ」、西日本は「ドベ」というようなものである。
東西で言い方が違うものは他にもいろいろあって、「パーマをかける」と「パーマをあてる」、「ご飯をよそう」と「ご飯をつぐ」、「蚊にくわれる」と「蚊にかまれる」、「ささくれ」と「ささむけ」、「肉まん」と「ぶたまん」、「チャーハン」と「焼きめし」、「鶏肉」と「かしわ」、「マック」と「マクド」などなど、当たり前のように使っている言葉なので、ええっと思う。
他にもへえーというのがたくさんあって、補助輪付き自転車は、愛知が「ワッカ付き」、近畿は「コマ付き」、広島と山口が「コロ付き」、鹿児島は「ハマ付き」で、東日本では「補助輪付き」又は「補助付き」と呼んでいるというのにもびっくり。
車がすれ違うのを「離合する」と言うのは福岡、大分、山口。
「離合する」を標準語だと私は思っていた。
目のできものの呼び名は全国で250以上あり、「ものもらい」「めばちこ」「めいぼ」「ばか」「おひめさん」など。
「めぼ」は三重、香川、広島で使われていて、離れた地域で同じ方言を使うのはどうしてなのか不思議です。
北海道で使っている「角食」が何か(食パンです)わかる人は北海道以外にはいないだろうし、山形では「①」を「いちまる」、「(1)」を「いちかっこ」と言うそうで、これで山形出身者はすぐわかる。
学校関係の用語に地域特有の呼び名を持つものが多い。
模造紙の呼び方は全国ばらばらで、岐阜と愛知は「ビーシ」、新潟は「タイヨーシ」、山形は「オーバンシ」、富山は「ガンピ」、香川と愛媛と沖縄は「トリノコヨーシ」、熊本は「ヒロヨーシ」と、地方によってまるっきり違っている。
私は「西洋紙」だと思っていた。
通学区域を東日本は「学区」、北陸は「校下(こうか)」、西日本は「校区」と言う。
体操服は、宮城が「ジャス」、山梨が「ジャッシー」。
膝を抱える座り方を「体育座り」と言うそうだが、大阪では「三角座り」、愛媛は「おちょっぽ」。
ものさしを大阪、岡山、広島、徳島、高知では「さし」と言う。
黒板消しを「ラーフル」と言うのは、鹿児島、宮崎、愛媛。
授業と授業の間の休憩時間を愛知では「ほーか」と言うそうだ。
「漢字ドリル」「計算ドリル」を「カド」「ケド」と略すのは岐阜特有。
群馬、長野、新潟では「水やり当番」を「水くれ当番」。
宮崎では家での予習復習を「宅習」。
いやはや。
「どちらにしようかな。神様の言うとおり」のあとに続く言葉は千差万別。
「柿の種」という言葉が使われる県は32県と一番多い。
私も「かっかのかっかの柿の種、スイカの種」と言っていた。
「鉄砲撃ってバンバンバン」が26県、「なのなのな」は21県、「あべべのべ」は18県、「あぶらむし」が13県などなど。
じゃんけんも地域によってぜんぜん違っていて、愛知では「チョキ」を「ピー」と言う。
「じゃんけんぽん」は「いんじゃんほい」「ちっけった」「じっけった」「ほーらいき」「じゃんへんへーのはっさんし」などなどあって、ほんとにそんなことを言ってじゃんけんをしてるのかと思う。
あいこの場合、「いーやーほい」と私は言っていたが、約8割が「あいこでしょ」で、他には「あいこんです」「あいこっち」「どっこいほい」「勝負でしょ」など。
「とても」も全国ではいろんな言葉が使われている。
広島、山口では「ぶち」なのだが、約40年前から若者を中心にはやった新しい方言なんだそうで、そういえばそのころから私も使い出したような気がする。
新方言では、福岡では「ああなるほどね」を中高生は「あーね」と言うそうで、こういった新しく生まれた方言が全国に広がって共通語になることもある。
「じゃん」はもとは横須賀の方言だし、「あおあざ」のことを北海道では「あおたん」と言っていたがの全国に広まり、今や共通語となりつつあるそうだ。
娘が「がっつり食べる」と言うので、どういう意味か調べたら、「がっつり」も北海道の方言とある。
『出身地がわかる! 気づかない方言』の最後に「こんな方言は使っていない」という投稿が載ってて、有名な方言だが、実際には使われていないものが紹介されてある。
北海道の「なまら」、岩手の「しばれる」、長野の「ずら」、名古屋の「エビフリャー」「おみゃーさん」、大阪の「あきまへん」、宮崎の「どげんか」などなどは使わないそうで、これまたへえーです。
広島では「じゃけん」とは言わないとあって、高校生の娘に聞くと、「じゃけえ」は言うが「じゃけん」は使わんと言う。
たぶんこれは、「じゃけぇ」と言ってるのが「じゃけん」と聞こえるんじゃないかと思う。
『出身地がわかる! 気づかない方言』には、女性器の呼び名は書かれていない。
大学には行ったとき、女性器をどう呼ぶか、それで話が盛り上がったものだが、ハ ・バ・パ行、マ行、チョ、ンが使われる頻度が高いように思う。
「みっちゃんみちみち」も地方によってさまざまで、これも紹介してほしかったです。
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……助けて……
<はめ>と云うのは、私の住んでいる地域では、毒蛇の<まむし>の事をいいますね。
「みっちゃんみちみち」は、私も<み>の付く名前だったので、小学校時代は、よく言われました(笑)確かに、恐怖でしたね(笑)
「どちらにしようかな。神様の言うとおり」は、「ぷっといって、ぷっといって、ぷっぷっぷ」だった様な気がします。
目のできものは、「めいぼ」で、父が「めちゃちゃ」とか云ってました。ものさしは「定規」、とうもろこしが「なんば」、「帰る」が「いぬ」、「迷惑」が「やくたい」、「すねること・ねたむこと・嫉妬」が「へんねし」、「ゴミ」が「ごもく」、「触る」が「いらう」、「新しい靴を買ってきた」が「さらの靴買うてきた」、「片足跳び」は、「けんけん」と云ってました。
すいません。キリがないので、この辺りで・・・・・(笑)
たとえば「ねぶる」は辞書にはちゃんと「なめる、しゃぶる」と出てきます。
古語が残って、それが方言となっている場合が結構あって、離れた地方で同じ方言を使っているのはそれでしょうね。
それにしても「みっちゃんみちみち」の最後は「なめちゃった」でしょ。
これは西日本じゃ言いませんよね。
これも謎です。
4年も前の記事に申し訳ないのですが「どげん」はもともと薩摩地方の方言なのだそうです。東国原さんの宮崎県知事立候補した時の演説で全国に広まりましたが、東国原さんの出身の都城市は元々薩摩藩の領地だったらしく鹿児島出身の友人がぷりぷり怒っていたことを思い出しました。重箱のすみをつつくような指摘、申し訳ありません。
宮崎でも北部と南部とではこれまた違ってるんでしょうね。
方言を大切にしたいと思います。