三日坊主日記

本を読んだり、映画を見たり、宗教を考えたり、死刑や厳罰化を危惧したり。

安倍首相夫人・アッキーも感涙…園児に教育勅語教える“愛国”幼稚園 「卒園後、子供たちが潰される」と小学校も運営へ

2017年02月24日 | 日記
安倍首相夫人・アッキーも感涙…園児に教育勅語教える“愛国”幼稚園 「卒園後、子供たちが潰される」と小学校も運営へ
「教育勅語」や「五箇条の御誓文」の朗唱、伊勢神宮への参拝・宿泊…。大阪市淀川区に超ユニークな教育を園児に施している幼稚園がある。塚本幼稚園幼児教育学園。安倍晋三首相夫人が同園を訪れたとき、園児らのかわいらしくもりりしい姿を見て、感涙にむせんだという。さて、その塚本幼稚園の籠池泰典園長が、小学校運営に乗り出している。現代教育のゆがみをも映し出すその理由とは-。(以下略)。

産経新聞(2015年1月8日)の記事です。
http://www.sankei.com/west/news/150108/wst1501080001-n1.html
産経新聞ですから当然のことですが、絶賛しています。
安倍昭恵さんは、土地売却問題で騒がれている今も、森友学園を擁護しているのでしょうか。

こちらは毎日新聞(2017年2月24日)の記事です。

稲田防衛相
森友学園に感謝状「取り消しも検討」
(略)
籠池氏との関係については「面識はあるが、ここ10年は会っていない」と説明した。

https://mainichi.jp/articles/20170223/k00/00e/010/264000c
籠池森友学園理事長は政治家とのつき合いが昔からあるわけです。

(追記)
森友学園問題をネットで調べると、いろいろ出てきます。

安倍首相は「妻は講演料も受け取っていない」と答弁していますが、安倍昭恵さんは謝礼をいただいています。
https://hbol.jp/131054

疑惑の森友学園、理事長が安倍首相に反論 「名誉校長就任は事前承諾だった」

https://www.buzzfeed.com/kotahatachi/what-is-mizuhonokuni9?utm_term=.cyqlv4vK1#.ttKbEAE5e

報道ステーションのインタビューで、中国人の子供がいじめられて退園したことを問われた籠池理事長は、「我々の教育方針とは合わないわけでしょ。それなのにどうして入ってきたの。ちょっとおかしいんじゃないかなって。変な人ですよ。おぞましい」と話しています。

安倍昭恵さんは籠池理事長のこういう発言をどう思っているのでしょうか。
「おぞましい」は今年の流行語大賞にしてもらいたいです。
http://yuruneto.com/kagoike-ozomasii/



森友学園の小学校認可については松井大阪府知事も無関係ではないと、上西百合子議員がツイートしています。
https://shanti-phula.net/ja/social/blog/?p=123807

稲田防衛相も籠池理事長とは親しいようで、本当に10年間も会っていないのでしょうか。
https://dot.asahi.com/wa/2017022800056.html?page=2
稲田防衛相の、「戦闘」ではなく「武力衝突」だという言い換えは、「全滅」を「玉砕」と言い換える大本営発表と同じです。

反日の中国や韓国の人がいたら、その人たちをぼろかすにけなして、さらに反日になるように仕向けるのではなく、親日派になるように努めるのが愛国者であり、教育者ではないかと思います。

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2016年キネマ旬報ベスト・テン

2017年02月16日 | 映画

毎年のお楽しみ、「キネマ旬報ベスト・テン発表特別号」です。
まずは日本映画から。

日本映画の選考委員は4名で、全部で131本選ばれています。

60位からは点数が10点以下で、題名すら知らなかった映画がほとんど。
3人が選んでいる映画もありますが、ほとんどが1人だけ選んだ作品です。
1点だけの作品は順位が122位。
では、20位までの作品です。

1位『この世界の片隅に』

40人が選んでいて、そのうち15人が1位にしています。
2位『シン・ゴジラ』
38人、6人が1位です。
3位『淵に立つ』
4位『ディストラクション・ベイビーズ』
5位『永い言い訳』
6位『リップヴァンウィンクルの花嫁』
7位『湯を沸かすほどの熱い愛』
8位『クリーピー 偽りの隣人』
9位『オーバー・フェンス』
10位『怒り』105点

11位『海よりもまだ深く』87点

11位『64-ロクヨン-前編/後編』
13位『君の名は』
13位『団地』
15位『だれかの木琴』
16位『聖の青春』
17位『俳優 亀岡拓次』
18位『葛城事件』
18位『ヒメアノール』(もっと上位かと思ってた)
20位『溺れるナイフ』54点

その他の作品です。

27位『映画「聲の形」』
38位『家族はつらいよ』
1位が2人で20点。

『殿、利息でござる!』が43位(16点)と81位(7点)にあります。

こういうミスは初めて見ました。
合計すれば23点、33位です。

外国映画です。
選考委員は72名で、全部で189本。
82位から10点以下で、1点だけの作品は179位。

1位『ハドソン川の奇跡』

イーストウッド監督の指定席に戻りました。
37人が選び、16人が1位にしてます。
2位『キャロル』
23人が選び、3人が1位。
3位『ブリッジ・オブ・スパイ』
4位『トランボ ハリウッドに最も嫌われた男』
5位『山河ノスタルジア』
ジャジャンク-はキネ旬に愛されている監督の1人。
6位『サウルの息子』
7位『スポットライト 世紀のスクープ』
8位『イレブン・ミニッツ』
こちらもキネ旬に愛されている監督。
9位『ブルックリン』
10位『ルーム』80点

11位『ボーダーライン』72点

12位『チリの闘い』
13位『グリード チャンプを継ぐ男』
前年の公開なので順位的には損をしていると思います。
14位『リリーのすべて』
15位『ダゲレオタイプの女』
16位『グランドフィナーレ』
16位『手紙は憶えている』
18位『ズートピア』
19位『レヴェナント:蘇えりし者』51点
1位にした選考委員はゼロ、こんな低い順位とは信じられない。
20位『ヘイトフルエイト』48点
これも意外。

10位までにアメリカ映画は7本、20位までだと13本。

21位『オデッセイ』
22位『光の墓』
23位『母よ、』
24位『エブリバディ・ウォンツ・サム!!世界はボクらの手の中に』
27位『オマールの壁』
28位『さざなみ』
30位『ディーパンの闘い』
カンヌ映画祭パルム・ドールなのにこの順位とは。

41位『シング・ストリート 未来へのうた』

41位『マネー・ショート 華麗なる大逆転』
48位『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』
選んだのは4人だけでした。
48位『ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅』
1位が2人で20点。
70位『10クローバーフィールド・レーン』
2人だけの14点と、これまた意外に低評価。

ヨコハマ映画祭
1位『この世界の片隅に』
2位『湯を沸かすほどの熱い愛』
3位『ディストラクション・ベイビーズ』
4位『シン・ゴジラ』
5位『永い言い訳』
6位『淵に立つ』
7位『怒り』
8位『聖の青春』
9位『葛城事件』
10位『君の名は。』
次点『リップヴァンウィンクルの花嫁』

SCREEN外国映画ベストテン
1位『ハドソン川の奇跡』
2位『スポットライト 世紀のスクープ』
3位『リリーのすべて』
4位『ブリッジ・オブ・スパイ』
5位『トランボ ハリウッドに最も嫌われた男』
6位『キャロル』
7位『レヴェナント:蘇えりし者』
8位『オデッセイ』
9位『ルーム』
10位『グランドフィナーレ』
アメリカ映画が強い。

11位『サウルの息子』
11位『スティーブ・ジョブズ』
11位『ブルックリン』
14位『ニュースの真相』
15位『さざなみ』
16位『山河ノスタルジア』
16位『シング・ストリート 未来へのうた』
18位『アスファルト』
19位『ズートピア』
20位『皆さま、ごきげんよう』
その他
21位『母よ、』
22位『手紙は憶えている』
28位『チリの戦い』
31位『イレブン・ミニッツ』

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黒岩比佐子『明治のお嬢さま』

2017年02月07日 | 

黒岩比佐子『明治のお嬢さま』によると、かつて大名だった華族の令嬢たちは、小さいころから小笠原流の礼式をきびしく教えこまれ、歩き方や座り方、襖の開け方や箸の使い方まで細かく注意されて育っていた。

食事のときに箸の先が「一寸や一寸五分」も汚れる食べ方は行儀が悪いとされ、ご飯やおかずに触れていいのはわずか「六分」だった。

一寸は約3.03cm、六分は約1.8cm。
箸をそれしか汚さずに食事をするのは至難の業だと黒岩比佐子氏は書いていて、これはすごいと思いました。

華族の令嬢たちは、歩き方から寝ている時の姿まで、すべて品よく、美しく見えなければならないと、教えこまれた。

小林信彦氏はロバート・ベントン『クレイマー、クレイマー』評の中で、「だいたい、食事のとき、子供は、なぜ、ちゃんと、椅子にすわらないのだろう!」と書いていますが、私の2歳になる孫も食事中に歩きまわります。
食事もさることながら、寝ているときの姿をどのようにしつけるものやら。

『月刊食道楽』1907年3月号によれば、中流といわれる家庭(4人家族)の一カ月の生活費はおよそ30円から40円になっている。

一般の労働者の日当で現在の物価と比較すると、約1万倍。

家令(皇族や華族の家の事務・会計を管理し、使用人の監督に当たった人)は150円から300円、家扶(家令の下で家務・会計に携わった人)が50円から100円、家従(家扶の次にあって庶務をつかさどった者)は20円から30円。

家令は月に100万~200万円という高給取りだったわけです。
それに対して女中の月給は、1897年(明治30年)には1円30銭、1906年(明治39年)でも2円だった。
住み込み、食事付きであるにしても、月に2万円程度では、休みの日にお出かけして買い物をし、外食すればなくなってしまいます。

『女学世界』1907年12月号の「大名華族の家庭」によると、毛利家や島津家では当主夫人の衣装代が一カ月に4~500円、令嬢の分は200円という規定になっている。

毎月、服代に100万円以上使うのは一苦労だと、私なんかは思います。

前田侯爵家の娘が有栖川宮家と近衛家に輿入れした。

宮家の婚礼はすべて洋風で、割に質素だったが、それでも衣装代に7千円、首飾りだけで5千円近くした。
近衛家に嫁いだ娘の場合は、新調した箪笥17棹に着物をつめられるだけつめたので、呉服店2店への支払いが3万5千円になり、特別仕立ての帯は700円もした。

大工の日当が安かったためか、屋敷の新築費用はそれほど高くはなかったが、それでも鍋島家の普請費用が30万円、黒田家は4~50万円。

5千倍だと、20億円ぐらい。

1895年(明治28年)生まれの浅野長武の談話によると、生まれた屋敷は広さが8千坪で、部屋は7~80くらいあり、使用人は全部で150人いた。

奥には女中が20人ほどいて、子供には決められた女中が世話をしており、食事でも、入浴でも、庭に出るときでさえ、必ず専属の女中がそばについていて、一人でいることはまずなかった。

大名家にはどうしてこんなにお金があるのかと思うし、なんとまあ贅沢な暮らしをしていたものだとうらやましく思います。
でも、それは自分の生活と比較するからうらやましく感じるわけで、お嬢様たちはどう思っていたのでしょうか。

蜂須賀家では、台所から食堂まで一町(約109m)くらい離れており、料理を運ぶ間に熱い味噌汁やお茶もすべて冷めてしまった。
これが「貴族の猫舌」という所以で、すべての華族や皇族の食生活がそうだった。
自分では財布を持たず、買い物をしてもお金を払ったことがないので、経済観念に欠けている。

贅沢な暮らしを贅沢だと気づかないのでは、それを心から感謝したり、喜ぶこともないだろう。財産を失い、使用人が一人もいなくなったときに初めて、それまでの生活がどれほど贅沢だったかに気づくのではないか。そう考えると、お嬢さまとして育てられたことは、決していいことばかりとは思えなくなる。

たしかにそのとおりで、幸せとは何かを考えさせます。

明治の上流階級の令嬢には「自由」というものはあまりなく、衣裳も学校も決められていて、結婚相手選びさえ本人の自由にはならなかった。

華族女学校の生徒は卒業後すぐに結婚するか、中退して結婚するかのどちらかだった。
上流階級の夫人が息子の将来の嫁を探すには、華族女学校へ行って品定めをするのが早道だった。
授業参観に来た母親が『見た目」で嫁候補を選ぶ場合、性格まではわかるはずもない。
学業成績はそんなに重視されなかった。
美貌の持ち主は目立つので、気に入られる可能性が高く、不器量な令嬢よりも有利だった。

美人ということですが、『明治のお嬢さま』には令嬢の写真がたくさん載っています。

岩崎俊弥(岩崎弥太郎の甥)が写真を見て一目惚れし、恋煩いで寝込んだという盧八穂子にしても、さほど美人とは思えません。
美人にもはやりすたりがあるということを再認識しました。

この人がたぶん八穂子さん。
『明治のお嬢さま』に載っている写真とは違います。

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