①陰謀論を唱えることで、講演、出版、セミナーなどで陰謀論信者を食い物にして利益を得る人がいることは問題にしない。
自分は秘密組織の被害者だという被害者意識を持ちながら、陰謀論を振りまく人にだまされているとは思いません。
今もトランプ支持者が多いことを考えると、アメリカ連邦議会議事堂を占拠したり、ドイツでクーデターを起こそうとした人たちは、逮捕されても扇動されたとは思っていない気がします。
②予想がはずれても問題にしない。
Qアノンが予想したヒラリー・クリントンの逮捕や嵐(ストーム)は起きていません。
新型コロナウイルスのワクチン接種で人類が滅亡、もしくは半減してもいません。
陰謀論ではありませんが、1999年のノストラダムスの予言、2012年のマヤ文明の暦に基づく予言などははずれています。
地球はアセンションに向かっているおり、人類が高次元へとレベルアップし、超能力を使えるようになる、なぜなら2012年に強力なフォトン(光子)によって人類の遺伝子構造が変化し、人類が進化するという珍説が一部で話題になりました。
何も起きていません(たぶん)。
https://blog.goo.ne.jp/a1214/e/3898535b56bbfaa951a724ed22bc5625
こういったことが好きな人は、予言がはずれても別なものにはまるだけで、考えそのものが変わることはないようです。
海野弘『世界陰謀全史』によると、陰謀論には2つの法則があります。
・すべてはつながっている。
フリーメーソン、テンプル騎士団、薔薇十字団などを自在に組み合わせる。
・すべては今である。
大昔に計画された陰謀が今に生きている。
十字軍時代のテンプル騎士団の組織が今も続いている。
18世紀に10年間存在した秘密結社イルミナティが今も暗躍している。
予言にもこれが当てはまるようです。
ある時点で予言が当たったかどうか判明するはずですが、その予言を信じる人にはいつまでも予言の効力が持続するし、予言とは無関係のことも実は関係しているんだと、都合よくみなします。
③自分は論理的だと考える。
映画プロデューサーのハーヴェイ・ワインスタインは数十年におよぶ性的虐待容疑で有罪となりました。
天網恢々疎にして漏らさずです。
トランプは大統領だったんだから、4年もあればディープステートの所業を明らかにできたはずです。
ところが、ディープステートが大勢の子供を誘拐して殺した証拠をつかんでいません。
殺された何百人、何千人の子供たちの死体は発見されていません。
あれっと思うはずですが、そんなことには耳を傾けないのが陰謀論者です。
三井誠『ルポ人は科学が苦手』に、地球は平らだと考える人たちの集まりであるフラット・アース国際会議について書かれています。
フラット・アーサーズは「自分は論理的だ」と考える傾向が強い。
政府や公的機関への不信感も強く、疑り深い性格で、「自分は公式見解にだまされるほど愚かではない」といった感じだ。
ユーチューブを見て、フラット・アーサーになった人が多い。
自分の感覚が第一で、それを信じる。
フラット・アース説も陰謀論と関係があります。
フラットアース説はキリスト教原理主義と陰謀論の奇妙なミックスで、一部の人々にとってそれは信仰のようなものなのだ。
調査会社ユーガブが米国の成人8000人以上を対象に昨年実施した調査によると、地球が丸いという確信を持てない米国人は6人に1人に上る。
この記事によると、第1回地球平面国際会議を立ち上げたロビー・デビッドソンさんはボーン・アゲイン(霊的に新しく生まれ変わった)のキリスト教徒(おそらく福音派)で、「敵や悪魔、サタンが存在するとしよう。そいつの仕事は、神は存在しないと世界に信じ込ませることだ。そいつは物の見事に成功して、地球は無限の宇宙の中のランダムなちりに過ぎないと人々に信じ込ませたというわけだ」と考えています。
フラット・アース論と陰謀論は関係があるのです。
「王族からロックフェラー家、ロスチャイルド家に至る支配階級のエリート。世界を牛耳るこれらの集団は皆、ぐるだ」(ワイスさん)
共通の敵も存在する。「私たちの怒りのほとんどは米航空宇宙局(NASA)に向けられている」(映像作家の男性)。地球平面論者の見方では、NASAこそが陰謀の背後に控える黒幕だ。
アポロ11号は月面着陸していない、あの映像はハリウッドのスタッフが撮影したものだと都市伝説も陰謀論と関係しているとは。
宇宙から地球を見ると、地球が球だということがわかります。
だから、NASAが陰謀の黒幕になるわけでしょう。
2015年の調査だと、アメリカ人の56%はUFOの存在を信じ、45%は地球外生物が地球に来ていると考えている。
陰謀論は感情に訴えます。
感情を論理で否定することは困難なので、いつまでたっても陰謀論がはびこります。
人が自分の過ちを認めることは困難だということがわかります。