三日坊主日記

本を読んだり、映画を見たり、宗教を考えたり、死刑や厳罰化を危惧したり。

刑務所の食事

2021年09月18日 | 日記

「教誨あれこれ」7号をいただきました。
府中刑務所の食事について書かれていたのでご紹介します。

一日一人あたりの給与熱量や標準栄養量などが法務大臣訓令等で定められている。
献立は職員である管理栄養士が作成している。
文化や宗教、アレルギーや持病などから通常の献立では食べられない人にはそれぞれに対応した献立を作成する。

たとえば、とんかつの場合、ベジタリアンや高血圧等の持病があり、治療が必要な人には野菜コロッケ、豚肉を食べないイスラム教徒はチキンカツ、小麦アレルギーの人はオムレツといった具合に献立を変更する。
イスラム教のラマダン月には、断食を希望する人のための献立も用意する。

毎月1回、日本各地のソウルフードを模した献立を取り入れたり、日本でラグビーワールドカップが開催された時は、対戦国の料理を模した献立を取り入れたりしている。

毎年1回、全員に食事に関する嗜好調査を行なっている。
この調査結果を毎月の会議で献立を作成する際に参考にしている。
傾向としては、肉を使ったボリュームのある料理、甘みの強い料理が好まれる。

令和2年度の調査では、唐揚げチリソース(肉を使っている)、さつま芋グラッセとチョコチップ入りパン(どちらも甘みが強い)が好きな献立の上位3位。
嫌いな献立上位3位は、肉を使っていない高野豆腐煮、車麩卵とじ煮、八宝菜。

主食は米麦食が基本、パンは週に4回、麺類は週に1回。
パンを主食にする国の人には、希望すれば週3回の米麦食を除きパンを給与している。

府中刑務所ではパンを所内で製造している。
月に1回程度、レーズンやチョコチップなどを入れたコッペパンや、黒糖や紅茶などのフレーバーを練り込んだコッペパンを給与している。

祝日、毎月実施される誕生会の該当者、運動会、クリスマス、節分の日など、年に何回かお菓子や飲み物を飲食できる。

優遇措置の区分に応じて、月に1回ないし4回、お菓子や飲み物を購入してを食べる集会がある。

食事の内容や集会のやり方は刑務所によって異なっているようです。
ある長期刑務所ではこういう感じだそうです。

豚を食べない人、甲殻類のアレルギーがある人、歯が悪くて刻み食や軟菜の人、タンパク質やカリウム制限の人は別の食事が用意されている。
パンを食べることができない人はご飯、米食がダメな人は毎食パンが主食となる。

パン工場がないので、パンは月6回で、作業のない日に出る。
レーズンパンは月に1回。
卵サラダや魚フライの時は、パンにはさんでサンドイッチにする人もいる。

ワンプレートではなく、汁椀、大皿、小皿で配食されるので、食器を洗うのは大変だろうが、見た目がいい。

年に1回の食事のアンケートは以前していた。
好きなおかず、嫌いなおかず、運動会の弁当に入れてほしいもの、正月の折詰に入れてほしいもの、正月に食べたいお菓子等、アンケート結果は集計され、工場に掲示され、意見も取り入れていた。
しかし、アンケートは数年前になくなった。

給食委員会が半年に1回ある。
一つの工場から5つまで意見を出すことができ、かなり難しい意見(予算的に厳しいものや片寄ったメニュー)以外のことは考える。

優遇措置の一類、二類、三類の人は集会で購入したお菓子と飲み物を食べることができる。
集会には一類集会と一・二類集会と一・二・三類集会とがある。
それとは別に一類弁当がある。

お菓子の種類は集会で違う。
月に1度の三類集会は一類と二類の人も参加できるので一・二・三類集会という。
金額は500円以内で、品目は毎月違っている。
8月の場合だと、Aセット443円(爽抹茶フラッペ、じゃがりこサラダLサイズ、サンガリアのコーヒー)とBセット422円(チョコレートアイスパフェ、堅あげポテト、ラムネ王)のどちらかを選ぶ。

二類の人はこれとは別に集会がもう1回ある。
それには一類の人も参加できるので一・二類集会という。
以下の品を組み合わせてお菓子2品、飲み物で500円以内にする。
ぼんち揚237円、パイの実162円、ココナッツサブレ162円、シガーフライ162円、サラダうす焼き141円、ローゼンワッフル140円、ポテトチップス(うすしお、コンソメ)135円、キャラメルコーン129円、飲み物(コーラ、コーヒー、ミルクティー、オレンジジュース)123円。
たとえば、ぼんち揚、キャラメルコーン×2で495円。

板チョコ、かき氷、生菓子も選べるが、注文できる季節が決まっている。
ゼリーよりアイスクリームのほうが人気あるのは、ゼリーは食べごたえがなく、一品減らされたように感じるので、同じ値段ならアイスクリームを買う人が多い。

以前は休業日に体育館でバラエティ番組を見ながら食べていた。
しかし、今はコロナの影響で体育館が使用できないため、平日の作業時間中に工場の食堂でNHKのテレビを見ながら食べる。

一類の人は別にビデオを見ながらお菓子を食べる集会が別にある。
一類ビデオ集会で選べるのは、ポテトデラックス162円、おにぎりせんべい189円、ムーンライトクッキー216円、瀬戸内レモンパイ162円の中から1品だけ。
500円以内でお菓子と飲み物を選ぶことができる時もあれば、何種類かのローテーションの時もある。

一類になると、月に一度、お弁当を自弁で購入できる。
ホカホカ弁当の弁当大盛りに味噌汁+飲み物と、セブンイレブンのおにぎり、カップ麺、サラダ+飲み物が交互にある。
その月で組み合わせは決まっていて、1000円以内。
夏は冷麺が人気がある。
集会と弁当は同じ週にはない。

ある短期の刑務所では、以前は集会はみんなでビデオを見ながらお菓子を食べていたが、現在は単独室で食べている。

こんなことを書きますと、受刑者は優雅に暮らしていると思う人がいるかもしれませんが、それは誤解です。

コメント (2)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 地球温暖化と陰謀論(3) | トップ | 慈悲と善巧方便にもとづく殺... »
最新の画像もっと見る

2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (野口雅祐)
2022-06-02 12:57:25
いい気なものだとしか思えません。
返信する
コメントありがとうございます ()
2022-06-05 09:47:27
そうは思いません。
厳しくすればいいというものではありません。
https://www.moj.go.jp/hogo1/kouseihogoshinkou/hogo_hogo06.html
返信する

コメントを投稿

日記」カテゴリの最新記事