三日坊主日記

本を読んだり、映画を見たり、宗教を考えたり、死刑や厳罰化を危惧したり。

福島みずほ「いのちとくらし、平和憲法をまもりぬく」(1)

2018年07月22日 | 日記

某氏より福島みずほ「いのちとくらし、平和憲法をまもりぬく」という講演録(九条の会 山県2018年)をメールでいただきました。
森友・加計問題や憲法改悪などについて参考になりました。

・森友・加計問題
森友・加計問題について、もういいよという声もあるが、それは違うよと言いたい。
「森友・加計問題なんか、その学園の問題だと済ますのではなく、政治の基本的なあり方として考えましょう」

大阪地検が佐川前理財局長に対して不起訴を決めた。
公文書の改竄がなぜ公文書偽造にならないのか、虚偽公文書作成罪でないのか。
しかも、佐川前理財局長は国会で虚偽答弁をしている。

その一方、安倍夫妻の絶大なる応援を受けていた籠池夫妻は、安倍昭恵さんから百万円もらったなどと言っているうちに逮捕され、接見禁止、保釈が認められず、約300日も勾留された。

私人といわれる安倍昭恵さんには総理官邸に総理大臣夫人室があり、5人の秘書官がいる。
その秘書官の一人である谷査恵子さんが田村国有財産管理室長に問い合わせをしている。

加計学園が今治市に獣医学部をつくることで、36億円の無償譲渡、建設費の半分96億円が愛媛県と今治市から出る。
さらに大学に対し私学助成がされ続ける。

加計学園については、2017年3月13日に参議院予算委員会で質問した。
「加計学園についてお聞きをいたします。加計学園理事長加計孝太郎さんが今治市で岡山理科大学獣医学部を作りたいと思っているのを知っていましたか」と質問すると、安倍首相は怒って「福島さん、名前を挙げましたね。責任取れるんですか」と何度もくり返して脅した。

福島みずほさんと安倍晋三首相とのやりとりはYoutubeや国会の議事録で知ることができます。
http://kokkai.ndl.go.jp/cgi-bin/KENSAKU/swk_list.cgi?SESSION=42690&SAVED_RID=3&MODE=1&DTOTAL=1&DMY=1969

安倍「お答えする前にですね、私や家内がバックにいれば役所が何でも言うこと聞くんだったらですね、福島先生ね、長門市とね、私の地元、予算全部通っていますよ。誰が考えたってね、私の地元でしょ。そっから要望する予算が全部通っていますか。通ってませんよ。さまざまな要望をしてるけど、これ全部通ってませんよ。通ってるのもあれば通っていないのもありますよ。そんな簡単なものではない。そういうのをいわば印象操作というんですよ。そんな、そんなですね、いわば、安倍政権のみならず、政府あるいは行政の判断を侮辱するような判断は、侮辱するような言辞はやめていただきたいと思いますよ。しっかりですね、皆さん、ちゃんと真面目に業務にですね、精励しているわけでありまして、それがですね、それがまるで私の名前がついていれば全部ですね、物事が進んでいくかのごとくのこの誹謗中傷はやめていただきたいと、こう思う次第でございます。
それと、今ですね、加計学園について、言わば、私がこの獣医学部をですね、獣医学部を最終的に知っていましたかというのは、最終的にですね、これは今治と、これは広島でしたっけ、の特区がですね、決定された中によってこの加計学園がこの獣医学部を開設をするということが決定したということは、もちろん私は承知をしております。政府の決定でございますから」

「知っているか」と聞かれただけで、どうしてこんなにムキになるのか、後ろ暗いところがあるからではないかと、誰だって思うでしょう。

福島「まったく答えていないじゃないですか。加計学園の理事長がここで獣医学部をつくりたいと思っているかどうかをあなたが知っていたかどうか、総理が知っていたかどうかを聞いたわけです。2016年、7回食事やゴルフをしています。その前、2014年6月から2016年12月まで、2年半のなかで13回食事などをしています。長年の友人じゃないですか。極めて長年の友人です。だからお聞きをしているんです。政策がゆがめられているんじゃないかという質問です。平成28年、2016年11月9日、獣医学部の新設を国家戦略特区が決めます。そこで、このため、かねてより準備を進め具体的提案を行ってきた自治体を中心に、具体的プロジェクトとして、実際の獣医学部の立ち上げを急ぐ必要があり、そのための規制改革、すなわち関係告示の改正を直ちに行うべきであるという国家戦略特区の決定です。この具体的提案を行ってきた自治体というのは今治市ということでよろしいですか」

安倍「これ、担当大臣を呼んでいただけますか。山本さんが担当大臣なんですよ。ですから、山本さんを呼んでいただかなければ、私、それお答えのしようがありませんよ。詳しく私存じ上げませんから。これ、所管外ですから、今、私、お答えできませんよ」

なぜこんなにあたふたするのか。

福島「でも、その加計学園の理事長と非常に懇意にしていて、11月9日の日に今治市なんですよ。そしてですね、というか、獣医学科を決める。そして構造改革特区にずっと愛媛県と今治市はこの獣医学科の選定、やってくれということを言っています。だから、2010年、日本の獣医学会はこれに反対の声明を出しています。それはこういう中身です。(声明は略)
そして、ここの中身はもう今治市、加計学園というふうに名前がもうすでにずっと出ているんですよ。総理、なぜ急転直下、国家戦略特区によって獣医学部新設、そして、この大臣告示を規制緩和する。まさにそこで発言されているからこそ聞いているんです。特区の理事長、議長じゃないですか」

安倍「福島さんね、特定の人物の名前を出して、あるいは学校の名前を出している以上ですね、何か政治によってゆがめられたという確証がなければですね、その人物に対して極めて、私は、失礼ですよ。そして、この学校ですね、学校で学んでいる子供たちも傷つけることになるんですよ。まるで私が友人であるからですね、何かこの特区、あるいは様々な手続についてですね、何か政治的な力を加えたかのごとくの今質問の仕方ですよね。それ、あなた責任取れるんですか、これ全く関係なかったら。
まず申し上げましょう。おそらく週刊誌をもとに言ってるかもしれませんからね。言ってみますけどね、たとえばですね、これが、今治市がただで提供したということについて、このおかしいだろうという週刊誌でありますが、20年の間にですね、25例あるんですよ。20年の間に25例あってですね、これはただで、いわば土地が譲渡された例ですね。土地がただでですね、いわば貸与された例はこれ以外にもっとあるんですよ。つまり、なかなかですね、遊休地があって、地方自治体が困っているときにはですね、一番いいのはですね、学校法人が来ることなんです。これは若い人たちも来ますし、研究者も来るし、町が形成されるんですよね。でも、なかなかこれね、そう簡単に来ませんよ。ただで提供するといったって、なかなか来ないんです。今、子供の数が減ってますから、ただで提供するといってもなかなかずうっと学校法人が来ないのが事実であります。さらにこれですね、今治市が、今治市がですね、決めたことでしょ。これ市ですから、国有地ですらないわけですから、私、影響のしようがないじゃありませんか。
それとですね、今、そこまでですね、あなたがですね、疑惑があるかのごとく私人に対して、質問をしているわけであります。名前を出してるじゃないですか。名前を出して、しかも学園の名前も出していますよね。これ、生徒の募集等々にもですね、大きな影響を与えますよ。これ、あなた責任取れるんですか。私はそれを問いたい。これ今ね、NHKで放送されて、全国放送でされているんですよ。これは私はもう驚くべきことであります」

驚くべきことは、こういう答弁を首相がするということだと思います。

ここからは下を向いて原稿を棒読みします。

安倍「申し上げますとですね、今治市はですね、今治市はですね、獣医学部設置のみならず、しまなみ海道サイクリングブームを後押しする高度外国人材の積極的な受入れや、活力ある地域づくりのための道の駅の民間参入など大胆な規制改革を提案し、特区ワーキンググループなどの有識者委員より極めて高い評価を得たわけであります。(省略)
今治市は平成19年以降15回にわたりですね、15回にわたり愛媛県と共同で構造改革特区を活用した獣医学部設置を提案してきたが、実現には至らなかったわけであります。(ここで顔を上げる)
もちろん、それはですね、あなたが今、紹介されたような様々な反対があるからであります。であるからこそですね、業界団体の反対があるからこそ、だから特区でやるんですよ。これ、大体特区はそういうことになっているんですから。(原稿を棒読みなので省略)
対応する特例措置として獣医学部の設置を国家戦略特区のメニューとして追加することとしたわけであります。(顔を上げる)
ちなみに、四国には獣医学部がないわけでありまして、四国全体からのニーズがあったのも事実であります。(原稿棒読みなので省略)
ここで今申し上げたことはですね、いちいち週刊誌の指摘に反論しているわけでありますが、恐らくそれを基にですね、基に、基に質問されているんだろうと思いますよ。(また下を向いて原稿棒読み)
ただし、国家戦略特区はですね、規制改革の突破口であり、今後ですね、特段の問題が生じなければ、更なる規制改革として二校目、三校目を認めていくこともですね、検討に値すると考えているわけでございます」

福島「政府の政策が合理的になされているかどうかをただすのが国会です。政府の審査をするのが国会議員の仕事で、野党じゃないですか。その質問に対して、何で総理はそう恫喝するんですか。
総理は、総理はですね、10月2日と12月24日、まさにその2016年の11月9日に国家戦略特区で一つだけ獣医学科を規制緩和する、まさにここでということを総理自身が議長で決めたときの前後にですね、10月2日、12月24日、この方と食事をしています。こういう話をしたんですか」

安倍「これね、私そもそもね、そもそもですよ、何かですね、これ不正があったんですか。だから私は言ったんですよ。何か確証をつかんでいるんですかということですよ、週刊誌の記事以外に。何か確証もつかずにこの国会の場において何か問題があったかのごとく、私と彼が会食、彼は私の友人ですよ、ですから会食もします、ゴルフもします。でも、彼から私、頼まれたことありませんよ、この問題について。ですから働きかけていません。これはっきりと申し上げておきます。働きかけているというのであれば、何か確証を示してくださいよ。私はね、私はもし働きかけて決めているんであれば、やっぱりそれは私、責任取りますよ。当たり前じゃないですか。国家戦略特区の諮問委員会はですね、そんな、すみません、森さん、うるさすぎますよ、後ろで。これ、委員ではないんですから、委員ではないんですから、傍聴。あの、ちょっと注意してください」

山本委員長「静粛に願います。総理、御答弁続けてください。静粛に願います」

安倍「そこでですね、そこで、いわばそこでですね、それを出すというんであればですね、これ大きな被害が被るんですから。マスコミも殺到して。学生たちにもマスコミ殺到しますよ。こういうことをするというんであれば、よっぽどの確信がない限り、ただ安倍政権のイメージを落とそう、安倍晋三をおとしめようということで答弁するのはやめたほうがいいですよ、実名を挙げて答弁するのは」

福島「これが余りに急スピードで展開しているので、そのことについて思っているのです。2016年の11月9日に国家戦略特区でこれを決めます。そして、1月4日に告示があります。ここで文科省の大臣告示を変えて、獣医科を今までつくらないとしていたのを規制緩和をするわけです。そして1月、1月4日から11日、わずか1週間の間、公募をやります。ここに手を挙げるのは、そこの加計学園以外にはありません。
物すごく速いじゃないですか。1月、何と11月に国家戦略特区で規制緩和を決めて、告示を変えるのが1月4日ですよ。告示を変えた直後、1月4日から1月11日の間、わずか1週間の間しか、この今治の獣医学部をやる人がいますかという公募はここでやるんですよ。もうそんなの手を挙げられるところって、もう本当に元々準備しているところ以外にないじゃないですか。
そして、2017年1月20日、国家戦略特区諮問会議で総理はこうおっしゃっています。『1年前に国家戦略特区に規定した今治市で画期的な事業が実現します。獣医学部が来年にも52年ぶりに新設され、医師を育成します』。ものすごく速いですよね。そもそも、決めて、告示をやって、それからわずか、同じ日ですよ、1月4日、まだお正月のときですね、それから1週間、11日までしか公募をしないんですよ。だとしたら、手を挙げられるところは元々予測できるじゃないですか。
なぜこの質問をしているか。国家戦略特区の議長が総理であり、11月9日、そして1月20日、その間ものすごく急スピードなんですよ。これはやはり、この今治市で獣医学部をやって、この学園ということを総理がやっぱり予測していたんじゃないですか」

安倍「もうねえ、その質問自体ですね、先ほど申し上げましたように、固有名詞出したんですから、そういう人たちを傷つけるということを考えて質問しなければ駄目ですよ。
まず、15年間ですね、これ特区は申請され続けてきたんですよ。その間、そうであればですね、ほかの大学だって、じゃ取り組もうと思えば取り組めたわけですよ。しかし、諦め続けずにやってきたところがあったのは事実、それは加計学園だったわけでありますが。(ここから原稿の棒読み)
そこで、民間事業者の選定は、国家戦略特区法の、これは国家戦略特区法の原則に従いですね、公募手続が取られ、学校法人加計学園より応募があったわけであります。、公募期間は8日間としたが、この期間は他の事業と同程度であります。(頭を上げる)
ここだけ速かったわけではないんですよ。大体、まず特区というのは、そんなに長い、国家戦略特区ですから、その前にこれをやるということは大体決まっていて、多くの人たちが知っているんですよ。関係者はみんな知っているんですよ。知っている中においてですね、もうこれはそういう方向で進んでいるということは多くの人たちが知っているんですよ。その中で8日間。それで、ほかと比べてですね、特別短ければ別ですよ。これ、大体ほかと同じですから。(再び下を向く)
その後、6日間の追加申出の手続を行いましたが、他の事業者から応募はなかったわけでありまして、応募の内容については、分科会や区域会議、諮問会議において新設に必要な要件を十分に満たしていることを適切に確認をしております。
なお、獣医学部の新設に関心を持つ事業者や自治体に対しては、特区で取り上げられるに至る前段階から内閣府が随時提案や相談を受け付ける体制を整えています。(顔を上げ自信たっぷりに続ける)
急にたった8日間でやったのではない。もうちょっと勉強してから質問してくださいよ。(また下を向く)
しかしながらですね、しかしながらこの数年間で、しかしながらですね、しかしながら(顔を上げ、ムキになる)いや、それはあなたがこういう問題で疑惑があるかのごとくですね、疑惑のあるかのごとく固有名詞や学園の名前を出せば、これ、多くの人たちが傷つくわけであります。最初に申し上げましたようにね、これ、学校や何かへね、また生徒や親のところにマスコミが殺到したらどうするんですか、責任取るんですか、それは。(再び原稿棒読み)
しかしながら、この数年間、熟度の高い具体的提案は平成19年から出されているこの今治市の事業のみだったと承知をしているわけでございます」

ということは、安倍首相は今治市に加計学園の獣医学部がつくられることを早い時期から知っていたわけです。

福島「この獣医学部に関して、もう需要がきっちりあってですね、新たに獣医学部をつくる必要はないというのが文科省、農水省、そして獣医学会が、獣医師会が言っていたことなんですよ。それを今治市で、そしてまた新たに獣医学部をつくると。これはやはり、なぜ質問しているかといえば、国家戦略特区の議長が総理であり、そしてその決定をしているからです。私は、逆にですね、友達やいろんな近しい人が関与している可能性があるんだったら、むしろそれは注意深くやる、慎重にやる、あるいはやらない、そういう配慮も実は必要だと思いますよ。だってまさに、まさに長年の友人、だって、総理が国家戦略特区で規制緩和をしたことで、総理の長年の友人はこれで利益を受けるわけじゃないですか。利益をこれで受けるんですよ。だから、そのことが大きいというふうに思います。森友学園のことについても今後も追及をいたします」

山本委員長「じゃ、総理、短くお願いいたします。短くお願いします」

安倍「それをね、今疑惑を掛けたまま終えられるから、私は一言付け加えたいと思いますけれどもね。
一校、それは反対しますよ。医学部だって、成田の医学部だって反対しましたよ、医師会は。当然なんですよ、それはね。それは同じ理由で、それは同じ理由で反対しましたからね。そこで一校のみということで、一校のみというのが決まったのが成田における医科大学でありましたね。医大でありますよ。同じことがこっちでも起こっているわけで、そこで私と知っているんであれば、それは止めるべきだと。そこを私は裁量、裁量を行使していいんですか。裁量を行使していいわけないじゃないですか。ということをはっきりと申し上げて、答弁を終えさせていただきたいと思います」

福島「以上で終わります」

「責任を取れるんですか」と何度も言ってますけど、自分がちゃんと答えないから、みんなおかしいと思うことに気づかないのでしょうか。


安倍首相の答弁を見て、それでもやっぱり安倍ファンだという人がいたら、教祖を盲信する信者みたいなもんです。

福島みずほさんの講演に戻ります。
国会議員は政治・行政をチェックするのが仕事なのに、質問に対して「責任とるんですか」と何度も恫喝をするのか。
質問主意書を前もって渡しているのにもかかわらず、どうしてこんなにキレるのか。

愛媛県文書には、2015年2月25日、加計孝太郎さんが安倍首相に会った際に「今治市に設置予定の獣医学部では、国際水準の獣医学教育を目指すことなどを説明(略)、首相からは「そういう新しい獣医大学の考えはいいね」とのコメントあり」と記されている。
ところが、加計学園の渡辺事務局長が「獣医学部を形にしたいという思いで、ふと思ったことを言った」、つまりウソだったと説明した。
そして、加計孝太郎さんは安倍首相と会ったこと否定した。
渡辺事務局長も愛媛県に対してウソを言ったのに、加計学園をクビになってはいない。

藤原国家戦略特区室長が岡山に行ったとき、加計学園の車に乗せてもらっている。
利害関係のある業者に世話をしてもらったことが明確になった。
柳瀬秘書官が国家戦略特区の利害関係者に会ったのは加計学園だけで、2015年に3回会っている。

安倍首相は2017年6月に、加計学園が今治市に獣医学部をつくりたいということを、国家戦略特区の前の構造改革特区のときから知っていたと答えている。
ところが7月になると、「2017年1月20日に初めて知りました」と答弁している。
2017年3月での質問では、「あきらめないで15年間もがんばってきたのは加計学園だけなんですよ」と言っているのに。
なぜ答えを変えたのかを安倍首相に質問すると、「急に質問されたので勘違いした」と言う。
しかし、質問主意書の回答にも「構造改革特区のときから知っていた」と答えている。

原発で虚偽答弁をするとか、企業が内部告発で嘘がばれるとかあると、責任者が更迭されたり、当事者が謝罪したりしているが、森友・加計問題では嘘に嘘を積み重ねて平然としている。

「国会にいると、一日一日、民主主義を壊している音がする、みたいな感じなんです」と福島みずほさんは言っています。
財務省の高官が国会で嘘の答弁をし、公文書の改竄が行われているのにもかかわらず、誰も責任を問われないまま収束している事態を見ると、国会議員でなくても日本はもう終わりだと思います。
与党がカジノ法案を強引に成立させ、カジノ誘致に乗り出す自治体の浅ましさを見ると、ため息しか出ません。

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マーティン・スコセッシ『ラスト・ワルツ』

2018年07月17日 | 映画

『ラスト・ワルツ』(1978年)を見ました。
1976年のザ・バンド解散ライブの映画です。
大物ミュージシャンが次々とゲストとして登場し、最後はボブ・ディラン。
しかし、タイトル・クレジットではエリック・クラプトン、ニール・ダイアモンド、ボブ・ディラン、ジョニ・ミッチェル、ニール・ヤング・・・という順。
マディ・ウォーターズの貫禄には圧倒されたけど、私としてはニール・ヤングの「ヘルプレス」が一番。
『70年代アメリカン・シネマ103』にマーティン・スコセッシの言葉が載っていて、そこに

ぼくのいちばん好きなシーンのひとつは、「ヘルプレス」を歌うニール・ヤングが他の連中のマイクにつまずくところた。皆まるで街の通りの隅に立っている連中のように見える。あのニール・ヤングの辛そうな感情のあふれた目を見るたびに、ぼくは泣いてしまう。

とあって、うれしくなりました。(つまずくところは映画では見えないと思う)
筈見有弘氏は「ヤングの目はうつろで、彼の演奏に懸命に合わせそうとするザ・バンドの姿がほほえましい」と書いています。


筈見有弘氏は

エリック・クラプトンはブルースを極めた男だが、そんな彼が尊敬するギタリストは、ザ・バンドのロビー・ロバートスンなのだそうだ。クラプトンはロバートスンのほうをあやしい目で見ている。

と続けています。
エリック・クラプトンは1945年生まれ、ロビー・ロバートソンは1943年生まれで、ちょっと先輩。


なぜ解散するのかとマーティン・スコセッシに聞かれたロビー・ロバートソンは、「16年間一緒にやってきた。20年も続けるなんて考えられない」、そして、「素晴らしい奴らが音楽に死んでいった」と答えています。
しかし、ウィキペディアには、ロビー・ロバートソン以外のメンバーは解散を望んでいなかったとあります。
解散の時点でロビー・ロバートソンは33歳。
何かの終わりを象徴しているような映画でした。

みんな楽しそうに歌ってるけど、40年後にボブ・ディランがノーベル文学賞をもらうとは誰も頭に浮かびもしなかったでしょうね。

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世界こどもサミット

2018年07月11日 | 問題のある考え

安倍昭恵氏が発起人の「世界こどもサミット」にKAMIスタイルという新興宗教が深く関わっていると、「週刊文春」が報道しました。
http://bunshun.jp/articles/-/8039

「世界こどもサミット」のHPを見ますと、こんな説明がされています。 

世界こどもサミットとは?
こどもは地球の宝物、その可能性は無限大です。
こども達の中には、既に自分の生きる道や、行動指針、
生まれてきた意味などが、大人から教わらなくても理解している子がいます。(略)

http://wcs-tokyo.com/guideline/

「生まれてきた意味」とは何でしょうか。
15人のこどもスピーカーのうち、4人は胎内記憶や前世の記憶があるそうです。 

斎藤希望さん(さいとう のの)
内記憶を聞こうと3歳頃から5歳頃まで母が聞き出そうとトライしたが全く話す気配もなく、何のことかわからない感じだった。小2の時、突然胎内記憶を2時間くらい話し始めた。
羽生すみれさん 11歳 出身地 東京(はにゅう すみれ)
胎内記憶を持ち、生まれた時から「かみさま」「天使さん」「お腹の中の赤ちゃん」 「見えないけれど温かく見守ってくれる存在」と会話している。
小木曽健登さん 13歳 出身地 名古屋(こぎそ けんと)
幼少の頃、「僕がママを選んだんだよ、空からママを見ていてこの人がいいって思ってジャンプしたんだ~」と言ったり、産まれた直後NICUに居た時の記憶を話すなどしていた。映画「かみさまとのやくそく」を見たことで、前世の記憶を思い出す。
中塚彩葉さん 13歳 東京(なかつか いろは)
2才頃、母親からお腹の中にいた時の事を聞かれ、胎内記憶、生まれる前の事を話し始めた。どうやって親を選び生まれてきたか、生まれる前にどこにいて何を学んだか、何のために生まれて来たか、といった話を日常の中で自然に話していた。

『かみさまとのやくそく』の池川明氏と子供たちが、世界こどもサミットで胎内記憶や中間生について話し合いをしています。

私としたら、こんなことを話すような集まりはうさんくさいと思うのですが。

胎内記憶や前世の記憶を思い出すということは、スピリチュアルの考えの一つです。
生まれ変わりを繰り返しながら霊性を向上させるのが生まれてきた目的である。
向上するために、自分で課題を持ち、自分で両親や環境を選んで生まれてくる。
たとえば、障害を持ったり子供を亡くしたりすることは、そういうつらい経験をすることによって学び、自分自身を向上させるためである。

これはスピリチュアルの世界ではよく聞く話ですが、おかしな点はたくさんあります。
『かみさまとのやくそく』の上映運動をしている人と会うことがあったので、「親から虐待されて殺される子供もそういう親を選んで生まれてきたのか」と尋ねたら、「そんなことは考えたことがなかった」と言ってました。
身分差別でも同じで、自分で選んで生まれたわけですから、差別は社会の問題ではなく、自己責任ということになります。
さらには、虐待した親や差別する人に、いい経験をさせてもらったと感謝しないといけません。

実際、江原啓之氏は「自分は殺されたことにより、殺された心の痛みを理解できて、二度と人を殺さない魂になれる。だから、その人のおかげで自分はそれだけ向上できるんだから、そして自分のことでカルマを背負ってくださるから、その人を愛さなきゃいけない」なんてことを言っています。
https://blog.goo.ne.jp/a1214/e/a8d36437a4ed4ddcfbe21b66e0eed5c1
だったら、オウム真理教事件の被害者も麻原彰晃たちに感謝し、愛さなくてはいけません。
死刑囚も、死刑という得がたい経験をするために生まれてきたのか。
安倍昭恵氏や池川明氏たちはそこらをどのように考えているのでしょうか。

福島史織氏が自身のフェイスブックに、安倍昭恵氏は「神の存在に近い」と書いていることについて、知人が「オウム事件がなぜ起きてしまったのか分かっているのか、いや、分かっていないのだろうなと思う」と指摘してました。
私はそのことに気づかなくて、ああ、そうだったと思いました。

「神の存在に近い」ということ、これは単なるおべんちゃらかもしれませんが、もしも本当にそう思っているとしたら、生き神信仰みたいなもので、問題ありです。
つまり、麻原彰晃を最終解脱者として絶対視したオウム真理教の信者と変わりません。
自分を神に祀り上げようとしている人なんて信用しないほうがいいし、愛想で言ったのなら、これまたろくな人間ではないと、誰かが安倍昭恵氏に忠告すべきだと思います。

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オウム真理教事件 7人の死刑執行

2018年07月07日 | 死刑
死刑囚写真に次々「執行」シール TV演出に疑問の声も
オウム真理教元代表の松本智津夫(麻原彰晃)死刑囚(63)ら教団元幹部7人の死刑が執行された6日、テレビ各局は朝から一斉に放送を臨時ニュースに切り替えた。同じ日に7人執行という過去にない展開を受け、テレビ局に入ってくる情報は刻々と変化。取材で得た執行状況をリアルタイムで伝えたり、死刑囚の顔写真に執行が済んだことを示すシールを貼ったりするなど異例の報道になった。SNS上では、違和感を訴える声も相次いだ。(略)
「執行が次々と始まっています」(フジテレビ)、「松本死刑囚以外に5人以上の死刑が執行される見通し」(日テレ)、「きょう松本死刑囚を含む7人の死刑を執行する予定であることが関係者への取材で分かりました」(NHK)。フジは「井上死刑囚の死刑執行」「早川死刑囚の死刑執行」などと情報が入るたびに、赤地に白抜きのテロップを次々に表示した。(朝日新聞7月6日)

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180706-00000143-asahi-soci

今までは執行が終わったあと、誰を執行したかを発表していました。
ですから、今回も7人がほぼ同じ時刻に執行されたのかと思ってましたら、そうではありませんでした。
麻原彰晃の執行がまず報道され、そのあと、次は誰それが執行されたと伝えています。
まるで選挙速報のように、誰それさんが当確、次はどなたでしょうか、と実況中継してたわけです。
 
http://健康法.jp/archives/41089

「地下鉄サリン事件被害者の会」代表世話人の高橋シズヱさんは次のように語っています。

麻原の執行に関して、私は当然と思っています。(略)そのあと井上、新実、土屋、中川、遠藤、早川という名前を聞いたときにはやっぱり動悸がしました。今後のテロ防止という意味で、もっと彼らには色々なことを話してほしかったし、専門家も死刑囚に対していろいろなことを聞いてほしかったということがあります。それができなくなってしまったのという心残りはあります。

http://blogos.com/article/309260/

坂本堤弁護士のお母さん坂本ちよさんのコメントです。

私も麻原は死刑になるべき人だとは思うけれど、他方では、たとえ死刑ということであっても、人の命を奪うことは嫌だなあという気持ちもあります。

https://www.asahi.com/articles/ASL764RXRL76UTIL02P.html

坂本都子さんのお父さん大山友之さん。

殺してやりたいと自分の中で何度も言ってきた。死刑執行は当たり前と本当は言いたいけれど、良かったという思いはない。

お母さんの大山やいさん。

私は死刑を喜ぶ人間ではない。

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180707-00000003-ibaraki-l08
被害者遺族は単純に死刑を喜んでいるわけではありません。

法務省や検察の人の中にも死刑廃止を考えている人はいるようです。

ある法務省幹部は「冤罪というリスクを抱えている以上、終身刑導入と引き換えにであれば、死刑廃止も構わないという法務官僚は一定数いる」と明かす。
ある検察幹部は(略)「今回の執行が存廃論議をスタートさせるきっかけとなる可能性はある」と話した。(中国新聞7月7日)

大規模の死刑執行に、非人道的という批判もあったそうです。

独シュピーゲル電子版は「日本は死刑を堅持する数少ない先進国だ」としたうえで、「アサハラの死は、支持者には殉教と映り、新たな指導者を生みかねない」とする専門家の声を紹介した。
欧州連合(EU)加盟28カ国とアイスランド、ノルウェー、スイスは6日、今回の死刑執行を受けて「被害者やその家族には心から同情し、テロは厳しく非難するが、いかなる状況でも死刑執行には強く反対する。死刑は非人道的、残酷で犯罪の抑止効果もない」などとする共同声明を発表した。そのうえで「同じ価値観を持つ日本には、引き続き死刑制度の廃止を求めていく」とした。(略)
今回の死刑執行を伝えた米CNNは、日本の死刑執行室の写真をウェブに掲載。「日本では弁護士や死刑囚の家族に知らせないまま、秘密裏に死刑が執行される」と指摘した。またロイター通信は、「主要7カ国(G7)で死刑制度があるのは日本と米国の2カ国だけだ」と指摘。


執行の前日の5日夜、安倍総理や上川法務大臣ら自民党国会議員50人が赤坂宿舎での「赤坂自民亭」に出席し、大いに盛り上がったそうです。

赤坂自民亭は党幹部と中堅・若手議員の距離を縮める目的で有志の世話人が運営し、「女将(おかみ)」を上川陽子法相、「若女将」を小渕優子元経済産業相らが務めている。「亭主」には竹下亘総務会長らも名を連ねる。

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180706-00000013-san-pol

 

執行が決まったのは3日前です。
いかに重罪を犯したとはいえ、7人もの人間を処刑することがわかっているわけですから、「懇談を楽しんだ」とは思えません。
http://健康法.jp/archives/41083

なぜこの時期に執行したのかと取り沙汰されています。
7月5日に水道法改正され、水道事業の運営権を民間に売却できることになったこと、あるいは私立大学研究ブランディング事業にからむ収賄容疑で文科省の局長が逮捕され、加計学園の2校が私立大学研究ブランディング事業に選ばれていたことが明らかにされたこと、そうしたことから国民の目をそらせるためじゃないかと邪推しております。

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