『ヘイトスピーチとネット右翼』で、嫌韓は反日民族主義の韓国が原因だと、古谷経衡氏が言っている。
反共・反ソ=親米・親韓だったのが、ソ連の崩壊後、韓国は反日を顕著にさせた。
岩田「日本の嫌韓よりも先に韓国の反日があったという指摘は間違いないと思います」
ネトウヨを自認する森鷹久氏も同じ意見。
知人と飲んでて、韓国や中国の批判をしだした。
その話にはなるほどと思ったのだが、池田大作、麻原彰晃は在日で日本人を精神的に支配しようとしているとか、右翼の多くは在日で、保守派の主張を一般人が受け入れにくくするためだといった話にはひいてしまった。
こうなると陰謀論である。
在日は犯罪者ばかりだ、マスコミを支配している、大資本をコントロールしている、政治に影響を与えている、利権を独り占めしている、日本社会を牛耳っている。
岩田温氏
安田浩一氏
そこから生まれるのは憎悪と妄想だ。雇用不安も経済的苦境も福祉の後退も韓流ドラマやK-POPの隆盛も、すべては「敵」の陰謀であり、「在日が日本を支配している」といった荒唐無稽な主張さえ、もっともらしく耳に響く。
民主党が政権を握り、外国人参政権が成立すれば日本が日本でなくなると危機感を持つ20代「怖くなった。真実を知った。本当の敵を発見した」
では、ネット右翼とはどういう人なのか。
安田浩一氏によると、ネット右翼の多くはどこにでもいる普通の若者で、「しんどそうな人々」ばかりだったという。
在特会に関わる若者たちは「日常に閉塞感や違和感を抱きながら生活している時、在特会が発信している動画に出会う。そこで「在日の正体」を知り、真実を伝えなくてはならないという使命感に駆られる」とのこと。
思ったのが、中島恵『中国人の誤解 日本人の誤解』に、中国人の人生に「一発逆転」はほとんどないとあること。
中国はすべての国民が農業戸籍と非農業戸籍に分けられていて、大学入試制度では大都市の戸籍を持つ学生が優遇され、農業戸籍の学生の合格点は都市の学生よりも高く設定されている。
「鳳凰網」というウェッブサイトの世論調査。
「ホワイトカラーが社会の最底辺だと思いますか?」という問いに、約66%が「はい」と回答した。
「あなたは自分がどの階層に属していると思いますか?」との問いには「中下層」が約48%、「下層」が約41%と答えた。
「現在の社会の収入分配の構造から見て、自分が得ている収入は公平だと思いますか?」との問いには、92%が「不公平」と回答した。
こうした人たちがネット右翼だとしたらわかりやすい。
ところが、古谷経衡氏のネットユーザーへのアンケート調査では、「ネット右翼」=「インターネットで右翼的・保守的な発言をする人々」は、首都圏を中心とした大都市に住む、自営業者などを含んだ比較的収入に余裕のある中産階級だという。
森鷹久氏が演説会やデモで聞き取り調査したところによると、自営業者や会社経営者、学生、主婦、年配の退職者がネトウヨの多勢を占めていたそうだ。
独善的正義感にかられ、事実を確かめずに妄想を書き込む人たちも、常識的で収入に余裕がある人なのかと思いました。