三日坊主日記

本を読んだり、映画を見たり、インチキ宗教を考えたり、死刑や厳罰化を危惧したり、そしてそのことを日記にまとめてみたり。

無着成恭『ヘソの詩』とヤマギシ会

2012年06月15日 | 

宮城先生の講義録にこんな詩が紹介されていた。

山崎まどか(小学6年生)
人間は、生きるために
にわとりも殺さなくちゃいけないし
豚も殺さなくちゃならない。
生きてるっていうことは
ずいぶん迷わくをかけることなんだ。
自分で自分のこと全部できたら
人は一人ぼっちになってしまう。
他人に迷わくをかけるということは
その人とつながりをもつことなんだ。
他人の世話をすることは
その人に愛をもつことなんだ。
生きるっていうことは
たくさんの命とつながりをもつことなんだ。

お乳をやった私に
あたたかいからだを押しつけてきた子牛を
私は思った。
           (82年10月)

こりゃすごいと思い、無着成恭『ヘソの詩』に載っているということなので、図書館で借りてきました。『ヘソの詩』は明星学園の小中学生が書いた詩に、無着成恭氏の感想を書いた本。

読んでみると、宮城先生の本には詩の後半しか引用されていないことを発見。

 ごはんの時に

           六年 山崎まどか
食事のとき
自分のおちゃわんに
自分でごはんを盛ろうとしたら
「だめ!」っていわれた。
あら、どうして? って思った。
自分のことは自分ですると思ってたのに
山岸会のおばさんから
「自分のことは他人にしてもらうんですよ。
人は誰でも
生まれたときだって 死んだときだって
他人からしてもらうんでしょ。
だから
自分のことを自分ではしないの。
そのかわり他人のことをしてあげるの」
そういわれてしまった。
そういえばそうだと思った。
人間は、生きるために
にわとりも殺さなくちゃいけないし
豚も殺さなくちゃならない。
生きてるっていうことは
ずいぶん迷わくをかけることなんだ。
自分で自分のこと全部できたら
人は一人ぼっちになってしまう。
他人に迷わくをかけるということは
その人とつながりをもつことなんだ。
他人の世話をすることは
その人に愛をもつことなんだ。
生きるっていうことは
たくさんの命とつながりをもつことなんだ。

お乳をやった私に

あたたかいからだを押しつけてきた子牛を
私は思った。

山岸会とはヤマギシ会のこと。

明星学園では6年生の修学旅行に三重県にあるヤマギシズム豊里実顕地に行っていて、いくつかの詩はその時の体験を書いたものなのである。
子どもたちは牛や豚のお産を見たり、牛や豚や鶏の糞だしをしたりして、そのことを詩に書いている。
山崎まどかさんの詩もその一つ。
1982年ごろは、ヤマギシ会はまだ問題になっていなかったから、修学旅行に行ったのだとは思うが、びっくりでした。

無着成恭氏はヤマギシ会のおばさんの言葉をこのように記している。

「ね。あなた、生まれてきたとき、自分で生まれてきた? 死んだとき、その死体の始末を自分でできる? ね。自分のことは自分でせよ、なんてウソよ。自分のことであっても、最も重大なことは、みんな他人様からやってもらうのよ。自分でできることなんかおしりをふくことぐらいじゃないの。それだって、恍惚の人になってしまえば、みんな他人からやってもらうのよ。自分のことは他人からやってもらうの。だから他人のことをやってあげないといけないの。わかった?」
いいこと言ってます。
たけど、豊里実顕地への体験旅行がきっかけとなって、ヤマギシ会にはまった人がいるかもしれないし、今からするとちょっとなあと思う。

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10 コメント

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人がいい人に売りつける商法 (解語の花)
2012-06-15 18:11:27
上の子が東京で幼稚園に通っていた時の話です。男の子と友達になりその子の家に遊びに行きました。会員皆さんでアパート借りて生活しているんですね。二次保育の感覚でそこで遊ばせてもらっている方もいました。こどもは、みんなでいると楽しいですからね。その延長で夏休みに、三重県の旅行を提案してくるんですね。お子さんのためと研修旅行にいらした方いました。するとそこでは、親子別々に暮らす生活が待っていたようです。その体験で目が覚めてすぐさまサヨナラした方と、小学生になり朝飯抜きで登校させるお母様になった方とに分かれれました。その会の方ってボランティア好きな方多くないですか?ここでは町の清掃・落ち葉拾いなどは率先してなさっています。
そこで育ったお子さんは、一度は違う社会に出ますが、また、戻る方多いように思います。衣食住を満たす世界がそこにしかなくなってしまうからです。
義理の母は人がいいので売るに来る卵と洗剤、いつも孫のためにと買っていましたが、その気持ち断ることできませんでした。
よくご存じで (円)
2012-06-17 16:36:32
私も以前はヤマギシ会はいいところだと思っていました。
そのころに私に子どもがいたら、夏休みに入れていたかもしれません。

ヤマギシ会は高校や大学には行かせないし、実社会での経験が乏しいので、外に出ても就職が難しく、結局戻ってしまう。

朝起会で知られ、朝早くから掃除をしている実践倫理宏正会はPLの分派です。
素手で便所掃除をする会なんかも、私にはうさんくささしか感じられません。
あしたも (わたし、アホ)
2012-06-17 19:21:16
東京行かなくちゃ。連日の人付き合い疲れるな。若くても限度がある。ヤマギシの卵でも食べてせいを付けるとするか。
ところで、「王朝の陰謀」という映画があるらしいヨ。オランダ大使していたバングーリックという人の話が脚本ネタで中国では大ヒットしてんだって。なぜか、おばぁちゃまがこの人と知り合いだったらしく見なさいっていうんだよねネ。日本じゃまだ上映されてないと思うけど、見る価値あるのかな?アホも少しは本読む時間ほしいよ。
駐日オランダ大使 (円)
2012-06-18 16:47:35
『王朝の陰謀』は東京ではすでに公開されています。
監督は香港のスピルバーグと言われてましたから楽しめるのでは。
ロバート・ファン・ヒューリックのディー判事物は一冊読みましたが、題名も内容もすっかり忘れました。
と言っても、つまらなかったわけじゃないですよ。
『ル・アーヴルの靴みがき』は眠たくなりましたけど。
人・体・発・火!大・仏・崩・壊! (わたし、アホ)
2012-06-18 21:00:00
アクション満載なんだって。女帝誕生の裏に渦巻く陰謀に挑むんだってサ。スゲー。
オランダ大使の奥さんが水世嫦という人でその姉妹の芳さんとおばぁちゃまが、お友達だったらしい。オランダ大使は、過労死だったんだって、おかわいそう。
今、お母さん、アグネス・スメドレー炎の生涯を読み直しているみたいだよ。マッキンノンという人が書いた本を石垣綾子さんと坂本ひとみさんが訳した本らしい、ずいぶん大作みたい、これ。少し読んじゃ、あの作家も読まなきゃ、この作家も読みなおさなきゃって、なかなかはかどらないって、ほんとに、前に読んでたんかナ。
ぎょえっ (円)
2012-06-19 14:24:38
私も『アグネス・スメドレー 炎の生涯』を読まなくちゃ。
でも、435ページもあるし。
なんと、「上海1930」―アグネス・スメドレー炎の生涯 というミュージカルがあるそうです。
監修は尾崎秀樹です。
http://www.pjnews.net/news/192/19136
http://www.sekitansouko.com/geki-kiroku-2009.html

ウィキペディアには、肺ガンとあります。
高杉一郎さんの (解語の花)
2012-06-19 15:16:08
「大地の娘」なら、295ページですわよ。「炎の生涯」の方は、読みがいあり過ぎですわ。魯迅はもとより、茅盾、老舎までしっかり読まないと。私の敬愛するおば様が現在出版されている老舎の本は訳が間違っているとおっしゃっていましたの。今ご老体に鞭打って、翻訳し直していらっしゃいますのよ。
例の社長が、20日から上海にお出かけとか。ミュージカルのパンフ持って帰るように、メールしておきますから、それをご覧になった方がよろしいのでは、ありません?
その上海じゃないのね (解語の花)
2012-06-19 16:14:05
私はやはりアホの親でした。
社長って暇なのね、もう返信きましたわ。でも何か、本が欲しいなら誰か(秘書?)に買わせるって書いてありました。ブログ読むのに四苦八苦しているっていうのに、そんな本読めるわけ、ないじゃありませんか、ねぇ。
あんまり期待されると (円)
2012-06-20 17:20:14
アグネス・スメドレーは『女一人大地を行く』を書いた後がさらに波瀾万丈なんですね。
老舎といえば文化大革命。
開高健が老舎の死について書いていたように思うのですが。
ええ、 (解語の花)
2012-06-20 17:51:00
老舎の死については、いろいろな推測がされています。自殺説・他殺説または単に溺れたとか。彼は満州人なのですね。死の前日彼と一緒にひどい目に遭わされた漢民族の作家は、娘さんがそのすさまじいリンチを見守る中、なんとか助かっています。私の考えでは、あそこまで追い詰められたら死を選ぶしかなかったのでは?と思うのです。生きていたら、ノーベル賞を受賞していたはずの人材のようです。ただし私は彼の作品、原文で一度も読んでいません、というより、実力不足で読みこなせません。

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