『脳に組みこまれたセックス』とはいやらしそうな題名ですが、ホルモンや遺伝子などの研究から知る男女の性差について書かれています。
1997年の出版ですから、現在の知見は違っているかもしれません。
へえ~と思ったことをいくつかご紹介します。
大学食堂で学生の会話をテープ録音するという研究。
女子学生の話題はほとんどがクラスメート、友人、デートの相手、家族といった自分の生活に関わる人々のことだった。
男子学生の話題は大半が、スポーツ、政治、試験、大学の勉強だった。
これには、そうだったのかと思いました。
妻と話が合わないはずです。
子供がどんなふうにお医者さんごっこをするか。
男子は全員が医者になりたがった。
医者はみんなに、ああしろ、こうしろという力を持った存在で、誰が医者になるかで長々と言い争う。
女の子は、誰が医者になりたいかをたずねる。
それから話し合って、医者、看護婦、患者の役を割り振る。
これまた納得。
長になりたがる人は結構いて、なんで面倒なことをしたがるのかと思ってましたが、権力をふるえるということなんですね。
外交は女性にまかせたほうがいいようです。
体罰をあまり与えない親に育てられた子供は、政治的態度が穏健になる。
違反すると厳しく罰せられる厳格な親(とりわけベルトや平手でしつける親)に育てられ、心理療法を受けない男性は保守派になり、死刑を擁護し、軍隊の熱烈な信奉者だった。
女性は例外なく革新派になっていた。
この違いは、女性の共感に起因し、少女時代に厳しく罰せられた女性は、罰を受ける人の身になって考えがちである。
となると、ネット右翼や厳罰化賛成の人は虐待を受けた率が高いかもしれません。
長いつきあいのカップルを対象に、頻繁で熱狂的な性関係がどれくらい持続するかの研究によると、肉体関係が情熱的な順に、同性愛の男性同士、それから異性愛の関係、最後にレズビアンとなる。
ペアを次々変えていくのもこの順番。
橋口亮輔『ハッシュ!』にも、長続きするゲイは少ないというセリフがありました。
抑ウツ状態で専門家にかかる人の男女比は、女2:男1。
自殺率は男性のほうが高いので、男のほうがウツが多いのかと思ってました。
男(雄)は遺伝子を残すために他の男(雄)と戦わなくてはいけないが、女(雌)はいい男(雄)を待っていればいいということだそうで、これもなんとなくわかります。
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