佐々木実(1966生まれ)というノンフィクションの書き手に
最近、オジサンぞっこんだ。日経を経てフリーになり、2著を
世に送り出している。フリー歴20余年の割に著書は、少ない。
でも、中身は濃い。2著は、1.市場と権力ー「改革」に憑かれた
経済学者の肖像。2. 資本主義と闘った男 ー宇沢弘文 と経済学の
世界。
前者には、タイトルに肝心の主人公の名前がない。察するに、
名を出す値打ちなし、というのが筆者の ハラではないか。
1. では、一銀行員が学界、政界、財界とあっという間に駆け
上がる様子。経団連の元 top 奥田の言葉がすべてを物語る。
「竹中が動くときには、カネの話がある」。印象に残る場面。
米社と政策上、名のあがるところと一切没交渉、とい言い張る
竹中。国会で、肝心の米社から受け取った手紙を突きつけられ、
顔面蒼白 。
ただいま、竹中とは真逆!の 宇沢をぼちぼちと 読む。成田闘争に
ご本人がcommitしたことがある、とはビックリ。水俣病患者の姿に
自らの学問的根拠が崩壊する思い、などなど。経済学の世界はじめ、
各界の皆さんが眼前に。小難しい理論は飛ばして楽しめる。
以上 の2書、現代を、戦後を、知りたい人にオススメ。