「一生懸命頑張っているんだけれど、私はうだつの上がらない人間なんだ。がっかりしてしまう」
知人のMさんの言葉。
いつまでたっても出世しないことで、自分を責めていた。もっと自分に自信を持っていいのに…。
「うだつ」ってなんだろう?
そこには思いがけない由来があった。
「うだつ」は、日本家屋の屋根に取り付けられる小柱、防火壁だって!
大工仲間で「家を建て、棟上げをする」ことをいい、転じて志を遂げることをさすようになったとか・・・。
「本来、町屋が隣り合い連続して建てられている場合に、隣家からの火事が燃え移るのを防ぐための防火壁として造られたものだが、江戸時代中期頃になると自己の財力を誇示するための手段として、商家の屋根上には競って立派なうだつが上げられられるようになった」と。
うだつを上げるためにはそれなりの出費が必要だったことから、裕福な家ほど立派な「うだつが上がる」ことになる。
漢字では「梲」と書くようである。
伝統的な日本家屋に使われる部品なので、洋風の家が多くなっている現代ではなじみがないかもしれない。