夏休みになりました。
子どもの居る近所の家庭の庭やベランダでは、サイズや形のバリエーションが豊富なビニールプールの中で子供たちが大騒ぎしている様子が見られます。
夏は何と言ってもこどもにとって水遊びは楽しみです。
海が近い私たちは子供の頃プールはありませんでしたが、1960~1970年代には学校プールの建設ラッシュが始まり、今も約9割の公立小学校にプールがあり、夏休み中に学校のプール学習があったものです。
痛ましい水難事故を受けて、子どもたちが水泳を学ぶ必要性が高まり、体育の授業に取り入れられるようになりました。
水泳は、万が一の際に命を守るための重要なスキルです。
学校にプールがあれば、体育の授業で体系的に水泳を学ぶことができ、子どもの水泳能力の向上に繋がります。
また、水の事故から身を守るための安全知識や危険回避能力を身につけることもできます。
泳ぎ方を身につけ、命を守る教育を簡単に廃止していいはずがありません。
ところが学校で水泳の実技授業を廃止するケースが相次いでいると言います。
問題は半世紀近くを経たプールの老朽化や維持管理問題、教員不足などさまざまな問題が噴出しているそうです。
かつては夏の暑さをしのぐために水に入るという認識がありましたが、気候変動に伴う猛暑による熱中症のリスクも年々高まっている事も要因だそうです。
屋外プールの場合、利用できる期間が夏場に限定されてしまいます。
気候によっては、数カ月しか使用できないこともあり、その割に水質管理、清掃、ろ過装置のメンテナンス、監視員の人件費など、継続的に発生するコストは学校運営にとって大きな負担となるようです。
学校プールを作り直して使っていくよりも、利用料を支払って屋内プールを使う方が、1校につき年間約260万円を抑えられると試算する学校もあるようです。
課題は成績評価と移動時間?
スポーツ庁によると、小学生と中学2年生までの学習指導要領では、水泳授業は必修となっています。
しかし小学校や中学校の学習指導要領には「適切な水泳場の確保が困難な場合には水泳の実技指導を取り扱わないことができる」ともあります。
民間施設の活用について、担当者は「安全面に考慮し、指導要領に示された内容を適切に実施していれば問題ない」としています。
時代とともに、これからそれぞれの地域性を考慮方法が取られていく事になるでしょう。