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受けた恩

いつ行っても必ず納豆を買ってくれる家がありました。「何故なのか」を祖父に訊いても黙っているので、祖母に訊いたところ「あそこへお爺さんが頼まれてお金を貸したんだよ。いくら頑張っても借りた金を返せないので(代わりに家と屋敷を取ってくれるよう)向こうから言われたんだけれど、8人の家族でどこへも行くあての無いことを知っていたお爺さんは、お金の貸し借りは一切無かった事にしてあの家族を助けてあげたんだよ。

売りに行くたび、お前に受けた恩を返しているんだよ。」成る程,そういうことでしたか。やっぱり祖父は偉いなー!と思ったものです。そうしたある日の午後、家の前の北上川で祖父と竿を並べてハゼつりをしていたとき、祖母から聞かされた話の事を「おじいさんはやっぱり偉いんだねー」と言ったところ、「お前も大きくなったら困っている人を出来るだけ助けてあげろよ。

でもな、人にしてあげた事は早く忘れろ(この言葉の意味を自分なりに思い知ったのは25年後の事でした)。受けた恩は決して忘れるな。それから、一生懸命頑張ってそれでも貧乏だとしても人は潮笑(わら)わない。だがな、悪い事をして人から後ろ指を指されることだけはするなよ!」一言、ひとことが腹腸(はらわた)に沁(し)みる小学校四年生の秋でした。

ブログの題名を「永人のひとり言」から「永人のひとごころ」に変えました。つながりにくい時は、念のため、http://blog.goo.ne.jp/yosinonagato/をクリックしてみてください。よろしくおねがい申しあげます。

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