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瑞樹のフーゾク日記

2012-09-11 21:20:15 | マンガ
『火の鳥』でいえば「鳳凰編」や「復活編」に相当するであろう、『闇金ウシジマくん』全エピソード中でも白眉となる、「フーゾクくん」~「フリーターくん」~「サラリーマンくん」と続く流れの最初に位置するフーゾクくんの登場人物、3人の風俗嬢が三者三様の運命をたどる中で、やや謎めいていたのが、恋人・芳則の負債500万円のカタとして沖縄へ売られていった筈の杏奈から、風俗を卒業した大学生モコのもとへ「沖縄へ来たら遊ぼうね」との元気そうなメールが届く結末。
大丈夫なんですかね。「15分5千円で生本番のチョンの間で4ヵ月働いて500万円穴埋めする」っていう無茶な条件で、それこそ痛(イタ)客を教育して貢がせてガッツリ貯め込んだ瑞樹から「子宮頚がんとかHIVになって取り返しつかなくなる」って忠告されたとおりにならないで済んだんだろうか。




かけがえのない20代、若さを売って、貯金はついに3千万円。
─うち、500万円を仲良しの杏奈に「貸す訳ねェーだろ?」と拒絶した表情に表れる瑞樹の因業さ。
業が深い。「転ばぬ先の杖」とばかりにシュレッダーや性病定期検査で備えるものの、出入り禁止になって逆恨みした痛客がストーカーとして彼女を追い詰め、逃げた先の店舗型ヘルスでは得体のしれない同僚がいたり忘れた頃に毛ジラミに罹るなどで、3千万円を盗まれてしまって「ヘタリ」と腰を抜かすさまは、ウシジマくん屈指の名場面といえよう。




杏奈はなにしろ美人の上玉なので、売られた先の沖縄の顔役や現場の差配人から見初められ、たとえば軍用地主の愛人としてあてがわれるなどで、チョンの間で体を壊す運命を免れたということも大いに考えられる。
美人だから、その日暮らしでも結果オーライでどうにかやってこれたのに対し、器量が劣ることを自覚してる瑞樹は、「営業努力」でコツコツ積み重ねざるをえなかった、それも水泡に帰してしまった。
─が、本当に瑞樹の7年間は、お客も風俗嬢も不幸になるだけの因果な時間だったろうか。






この日記帳がありますよね。7年で十数冊、彼女が頑張ってきた証拠品。
単行本(7巻)ではあまりに字が細かいので、老眼も始まりつつある私は連載でこの回が掲載されたスピリッツ誌(2006年44号)を古本屋で入手。
書籍化すればヒットしそうにも思える内容だが、現実にはいろいろ難しいかも分からない。
(↑画像の下側サムネイルをクリックすればみなさんにも判読可能な大きさで表示されます)




もう1人の風俗嬢モコは、冷静に杏奈・瑞樹を観察し、2人のいいとこ取りで無難に勤めあげたようではあるが、結末で墨を入れてたし、学内での妙なストーカー騒ぎも。
↑画像、そのストーカー騒ぎが解決し、3人の風俗嬢が杏奈の部屋でまったりする様子で、3人とも当面の悩みから逃れられた、エピソード中でも貴重な一コマ(6巻)。
本当、「女が大金稼ぐのって大変だよね(瑞樹)」…

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