マガジンひとり @magoneperson 13-Apr-2015
7digitalから三たび追放されて、日本で「爆買い」する中国人の気持ちを噛みしめる。同じ銘柄・性能の商品でも「中国政府から許された商品だけが並んでる市場」からは買いたくないんだよな。俺もEXILEとか木村カエラとかと同列に並べられてる洋楽は買いたくないんだ
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マガジンひとり @magoneperson 13-Apr-2015
音楽集めたさが嵩じて、もうつぶれたレンタル店や笹塚図書館をさまよう白昼夢見てた
7digitalから三たび追放されて、日本で「爆買い」する中国人の気持ちを噛みしめる。同じ銘柄・性能の商品でも「中国政府から許された商品だけが並んでる市場」からは買いたくないんだよな。俺もEXILEとか木村カエラとかと同列に並べられてる洋楽は買いたくないんだ
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マガジンひとり @magoneperson 13-Apr-2015
音楽集めたさが嵩じて、もうつぶれたレンタル店や笹塚図書館をさまよう白昼夢見てた
虫が知らせたのか、音楽を集めるため街をさまよう夢を見た日の遅くに、そうした私の欲望を近年最も満たしてくれたダウンロード販売サイト『7digital』で買えなくなってしまった。
同社は英国に本拠を置く音楽配信サービス事業者で、44ヵ国で展開中。日本は含まれない。すなわち私がこれまで7digitalで買えてこれたのは、消費税も払っていない脱法的な商行為だったのだ。「三たび」とツイートしているが実際は米国と英国の7digitalから2度ずつ「あなたの国からは買えません」と締め出されており、メルアドを改めるなど策を弄して買ってきたが、どうやら4度目にして年貢の納め時の様子―
2012年4月16日 Liars / Scarecrows On a Killer Slant 誰かのツイートから知った7digital、1曲あたり0.99ドルと安く、わが国のiTunesストアでは買えない曲も少なくないので、夢中になって1日で24曲買い漁る。最初の1曲がライアーズ
4月17日 The Felice Brothers / Frankie's Gun! 2008年のPopMatters年間チャートから、持ってなかった曲を。2日目も10曲購入
4月19日 Devo / Whip It 7digitalで買うとジャケ画像が800×800pxで付いてくるので、ベスト盤などで持っていた曲を元のスタジオ・アルバムから買い直すということもよくした。ただし500×500であったり、後述するがジャケが付いてこないことも
4月20日 Miike Snow / Paddling Out 日本では買えなかった曲。今もこのアルバムはiTunesストアで扱っていない Lou Reed / Street Hassle ESSENTIALシリーズにルー・リードが加わってるとは知らなかった。これは後ほどCDで買った
4月22日 Roxy Music / Love Is the Drug (Todd Terje Disco Dub) これは今は買えるようになってるが、当時iTunesストアになかった
5月7日 El Perro Del Mar / God Knows (You Gotta Give to Get) 2006年のPitchfork年間チャートから
5月22日 Simone Felice / New York Times 先ほどのフェリス・ブラザーズ、メンバー(後に脱退)のソロ作。私のチャートで年間5位
6月19日 Mel McDaniel / Louisiana Saturday Night PopMattersのカントリー100曲選から。日本では買えない曲が目白押し
7月31日 Bonnie Raitt / Lover's Will EMI系(EMI、ヴァージン、クリサリス、米キャピトル等)の旧譜はジャケ画像が落っこちてしまい、付いてこない確率が高い。同時に買ったワーナー時代の曲は付いてきたが
8月14日をもって「あなたの国からは買えません」と
9月24日 Aimee Mann / Gamma Ray ふとしたことから、これまで利用していたのはUSで、同じアカウントをUKの7digitalで使って買い続けられることを知る。1日で8曲購入
10月6日 Bay City Rollers / Rock 'n Roll Love Letter これもベスト盤で持ってたが、かわいいイアン・ミッチェルくんが写るスタジオ・アルバムで買い直す
10月15日 Bat for Lashes / Laura 父方がパキスタンの血を引くナターシャ・カーン、英国での子ども時代「Paki!」と苛められたらしい。年間3位
10月20日 The Stranglers / Down in the Sewer (Medley) ストラングラーズ良い曲多い
11月29日 Pink Floyd / Cirrus Minor ピンク・フロイドは2011年に全種リマスター再発されており、正式なジャケ画像を目的にしばしば買ったものだ
12月4日 Murder by Death / I Came Around PopMattersの年間チャートが発表され、ろくに試聴もせず1日で18曲買い漁る。私のチャートでは翌年の年間13位
12月18日 Four Tet / Pyramid Pitchforkの年間チャート発表、買い漁る
2013年1月12日 David Bowie / Where Are We Now? ボウイさんの復帰シングルも7digitalで
1月15日 Tyrannosaurus Rex / Salamanda Palaganda 初期のTレックスはレンタル店JANISで借りてスキャンした汚いジャケ画像しか持ってなく、4種それぞれ1曲ずつ買い直した
3月24日 Domenico Modugno / Nel blu, dipinto di blu 言わずと知れたイタリア発の世界的ヒットだが、古い曲で、怪しげなベスト盤・コンピ盤からしか買えないことで、持ってなかった。7digitalでは当時流通したスタジオ・アルバムから買えるので喜び勇んで。総じてヨーロッパには強い
4月2日 Yngwie Malmsteen / Icarus Dream Suite Opus 4 SPINのインスト30曲選から
4月3日 Albert Ayler / Spirits SPINの60年代オルタナ・アルバム100選から
4月8日 John Grant / GMF HIV陽性を告白しているゲイの英国紳士。この年の年間1位で、7digital時代を代表する名曲
5月16日 Emerson String Quatet / Bartók: String Quartet #6, SZ 114 - 1. Mesto, Più mosso エルヴィス・コステロの500枚より。違うカルテットのCDを持っていたのだが、コステロはエマーソンを指定していたので。演奏のよしあしなど分からないが
5月30日 The Allman Brothers Band / Whipping Post オールマン・ブラザーズはライブ盤が代表作だが持ってなかったのでアルバム単位で購入
6月13日 Dixie Dregs / Cruise Control ジャズ・フュージョンのインスト佳曲。こういうのが当りだとうれしい
6月20日 Kanye West / New Slaves アルバム単位で購入。新譜に割引があり4.99か5.99ポンドだったと記憶する
6月29日 µ-Ziq / Weakling Paradinas ANY DECENT MUSICというサイトが新譜の中から週に10曲選んで送ってくるADMニューズレターから。昨年サービス中断したが、最近Spotifyと連携して再開
7月6日 Randy Newman / Dixie Flyer ユダヤ人の報道&コミュニティ・サイトが選ぶ「ユダヤの100曲」から。これは名曲で後ほど「マガジンひとりの1000曲」入り
7月9日
The Andrews Sisters / Bei Mir Bist Du Schön 同じくユダヤの100曲から
8月1日 AlunaGeorge / Lost & Found 既にシングルやゲスト参加で実績のあったアルーナジョージのデビュー盤。アルバム単位で買ってもほとんど削除してしまうケースもあり、これは6曲残った
9月1日 Genesis / Dancing with the Moonlit Knight ガブリエル期ジェネシスの最高の曲の一つだが、レンタルで聞いた時は気付かなかったんだよな
10月18日 Beck & Bat for Lashes / Let's Get Lost 英7digitalでは安定して買えていたことから、PitchforkのBest New Trackを初期までさかのぼったり。これはサウンドトラックの1曲で曲単位では買えなかった
12月7日 HAIM / The Wire PopMattersの年間チャートから。すぐさま私のチャートで1位になり、年間チャートにも間に合って15位
12月15日 Dolly Parton / The Seeker ESSENTIALシリーズは近年デザインが改められる傾向。ただ新しいものが以前のデザインで出ることもあり、アーティストによって混在
12月16日 The Arctic Monkeys / Do I Wanna Know? Pitchfork年間チャートから。12月下旬は5曲しか買ってないが、サークルでコミケ初当選したのに帯状疱疹を患って苦しんでたっけ
2014年1月14日 Boris / 無き曲 2000年代の名盤の一つに数えられる日本のBoris。こうしたものは別として、日本で有名なアーティストは、米英では全く欲しがられていない、相手にされていない、内弁慶。韓国勢もだいぶ狭まるがいくらかは買える
2月8日 The Fratellis / She's Not Gone Yet But She's Leaving Drowned in Soundが週一で選ぶDiS Does Singlesから。さまざまな音楽サイトが台頭し、Pitchforkの位置付けは相対的にやや下がる
4月25日 Rokia Traoré / Laidu ミュージックマガジンの500枚から。ワールド・ミュージックもわりと買える
4月28日 Carlos Núñez / Brotherhood of Stars ミュージックマガジンの500枚に選ばれてるのとは別のアルバムにカルロス・ヌニェスの代表曲があると知り。華麗な演奏で愛聴曲に
7月16日 Judas Priest / The Green Manalishi (With the Two Pronged Crown) ピーター・グリーン期のフリートウッド・マックのメタル要素を引き出した好カバー曲
7月20日 John Holt / Help Me Make It Through the Night MOJOのレゲエ・アルバム50選より
7月29日 Città Frontale / El Tor 背徳の編集者・故青山正明の選盤から。イタリアのプログレなんて日本だけの評価かと思ったら、意外と買える。マウロ・パガーニなども
8月22日 Norma Jean Wright / Saturday どこかでシックのナイル・ロジャースとバーナード・エドワーズの業績を振り返っていたことから知ったR&B佳曲
9月16日をもってUKでも「あなたの国からは買えません」と
10月27日、Gメールのアドレスを使うよう誘導され(たような気が。自動で表示されたんだよ、確か)、同じパスワードで、PayPalは前のメルアドのままのアカウントで決済して引き続き買えるように
10月28日 Rita Lee / José (Joseph) 昨年、日本のレコード会社各社の協賛でブラジル音楽の名盤が1000円で一斉に再発され、そこで知った。ラテンの評価面は日本のレコード会社に一日の長が
11月18日 David Willcocks; Choir of King's College, Cambridge / Fauré: Requiem, Op. 48 - IV. Pie Jesu 少年含む男声のみによるフォーレのレクイエムが素晴らしいと聞き、アルバム単位で購入。JUNEとか読んでるおばはんがたにお勧め
11月24日 Ben Folds Five / Don't Change Your Plans David Brusieという人物が1日1曲選んで、365日続けたブログを知り、打率が高く、23日に16曲、翌日も21曲と大量購入
12月7日 Against Me! / Transgender Dysphoria Blues そうするうちに早くもPopMatters等の年間チャート。これは複数のサイトで選ばれた
12月16日 Leon Vynehall / Goodthing Pitchfork年間チャートより
12月24日 Steve Hackett / Shadow of the Hierophant Sun Retro RadioなるボスニアのFM曲がリスナー投票で選んだ1000曲という触れ込みだが、統一のとれた趣味性があり、未知の曲・アーティストも多いことからしばらく夢中で買い漁った
12月27日 Walker Brothers / Nite Flights 同じくSun Retro Radio
2015年2月9日 Father John Misty / Holy Shit 先行シングルはiTunesストアで買ったが、話題作ながらそこでは不安定な扱いで、いったん買えなくなって、今は再び5月に再リリースされるまで曲単位では買えなかったりと、アップルの官僚化・日本化を実感
2月26日をもってPayPal決済を選択できなくなり、事実上UKから締め出されることに(3度目)
3月22日、そういえばGメールを使うようになってからUSに戻ってみたことはなかったなと思い、試してみたら買えた。1日で13曲
3月27日 Led Zeppelin / Travelling Riverside Blues ("Top Gear" Live Version From BBC Sessions) Rock n Roll America's Top 1,000 Classic Rock Songsという、やや保守的なリストより。先日の「プログレハード」もここで知った曲がいくつか
4月13日、USで再び「あなたの国からは買えません」の表示、いよいよ最後のようである。削除した曲もあるが、3年間で3000曲以上購入。最後の日に買った Tame Impala / 'Cause I'm a Man が現在1位―
というわけで、多くが何らかの折り紙付き、さまざまなテーマや価値観に基づく選曲リストで選ばれた背景を持つので、7digitalで買った曲の中でシャッフル再生すると、それらが万華鏡のように反映し、目くるめく快楽を味わうことができる。
すなわち共存共栄ということだ。音楽に貴賤はない。さまざまなサービスが音楽の価値を発揮させようと自由に競う。
レコード会社が官僚化し、いやアップルさえそうなる日本からはPayPalもSpotifyも、あるいはドローンを作って新しい市場を創出するようなベンチャー企業も生まれないだろうと、つくづく思う。
UKの7digitalで買い始めた当初、130円台であった0.99ポンドは、安倍政権の円安誘導により、昨年末には195円に跳ね上がった(↑画像)。
わが国の官僚制中央集権において、輸出大企業は上部構造を成しているので、円安で儲けさせることによって、既得権・階級権力はより強化されるだろうが、企業の新旧交代は阻害され、円安のぬるま湯で競争力も徐々に失い、ソニーやシャープの凋落と同じ結果をやがて日本経済全体が迎えることだろう。金融危機は必ず来る。次回が、東京五輪の前か後かは分からないが、アホノミクスの命運もそこまでである―
※2012年11月の記事「7digitalで欲しい曲買いまくりー!」を全面改稿しました