マガジンひとり

オリンピック? 統一教会? ジャニーズ事務所?
巻き添え食ってたまるかよ

2005年間TOP20

2005-12-31 16:57:23 | 音楽
1. "Boulevard Of Broken Dreams" Green Day '04
2. "スター" aiko
3. "JOY" YUKI
4. "We Might As Well Be Strangers [DJ Shadow Remix]" DJ Shadow vs. Keane
5. "Hate It Or Love It" The Game feat. 50 cent
6. "S.S.T." Prince
7. "Hurt" Johnny Cash '02
8. "Kelle Magni" Cheikh Lô
9. "Landed" Ben Folds
10. "Hollaback Girl" Gwen Stefani '04
11. "Change" Tracy Chapman
12. "Everybody's Gotta Learn Sometimes" Beck '04
13. "Ordinary People" John Legend '04
14. "The Hand That Feeds" Nine Inch Nails
15. "Krafty" New Order
16. "Come On/Let's Go" Paul Weller
17. "Mississippi Girl" Faith Hill
18. "Go Away" Jakalope
19. "3rd Base, Dodger Stadium" Ry Cooder feat. Bla Pahinui
20. "Jerk It Out" Caesars '03

TOP10はプリンス以外は自分にとってフレッシュな顔ぶれがそろった。
そのプリンスはハリケーン被災地向けのチャリティ・シングルでランク・インしたのだが、年間TOP10入りとなると、実に1988年以来17年ぶりとなる。
その時は関根勤さんが「プリンス!!“らぶせくしー”とかいって苔の生えた顔して全裸になってんじゃねー!!」と叫んだものだった。
YUKIの「JOY」はくるりの「ワールズエンド・スーパーノヴァ」に似ていると批判されたが、小田和正や大江千里の盗作に比べればパクリとすら言えない範囲であり、歌詞やジャケットのアートワークも含めた完成度は立派だった。
シャッフルして聴くことが普通になってしまうと、1曲単位での曲の強さがはっきりしてくる。
その結果生き残った曲は、「芸能性」という面で確かな手応えを感じさせる曲が多かった。
考えてみれば、ビートルズ、ローリング・ストーンズ、ザ・フー、レッド・ツェッペリン、クイーン、セックス・ピストルズ、クラッシュ、マイケル・ジャクソン、マドンナ、U2、ニルヴァーナ、みんなビジュアルからしてカッコよかったのである。
最近iPodを買い替えて容量が増えたことから、歌謡曲やビートルズ以前の音楽にもハマっているのだが、同時期のヒットであるシュレルズの「Will You Love Me Tomorrow」と坂本九の「上を向いて歩こう」のハイカラなメロディーの共通性に気付いたり、50年代のジョニー・キャッシュやボ・ディドリーのシンプルだが華やかな魅力にあらためて驚いたり、色々な新発見があった。
8位のシェイク・ローはセネガルの人で、ワールド・ミュージックが概して曲が長く、ポップソングの範囲を逸脱する傾向があるのに対して、短くてわかりやすく、この曲では「戦争はよくない」というメッセージを伝えている。
ちあきなおみが歌手生活の後半にポルトガルのファドに行き着いていたことも知り、米英以外の多様なポップスやルーツ・ミュージックへ目を向ける必要性を強く感じた。
紅白歌合戦には、引退しているちあきなおみや山口百恵は当然としても、都はるみも松田聖子も中森明菜も工藤静香も森高千里も(ついでに宇多田ヒカルも)出演しない。
見る意味がまったくないが、ゴリエだけは見届けたい。
それでは、このわがままなブログに付き合ってくださったみなさん、ありがとうございました。
よいお年をお迎えください。
コメント (2)
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2005年の映画・星取表

2005-12-30 14:16:15 | 映画(映画館)
今年、劇場で鑑賞した作品。
同じ星の数の中での順番は、評価の優劣でなく鑑賞した順番による。

★★★★★
ベルヴィル・ランデブー(シルヴァン・ショメ)
Mr.インクレディブル(ブラッド・バード)
Ray/レイ(テイラー・ハックフォード)
エターナル・サンシャイン(ミシェル・ゴンドリー)
コーラス(クリストフ・バラティエ)
砂の器(野村芳太郎)旧作
Mr.BOO!/ミスター・ブー!(マイケル・ホイ)旧作・試写会
インファナル・アフェア無間序曲(アンドリュー・ラウ&アラン・マック)
インファナル・アフェアIII終極無間(アンドリュー・ラウ&アラン・マック)
運命じゃない人(内田けんじ)
シン・シティ(ロバート・ロドリゲス&フランク・ミラー)
キッズ・リターン(北野武)旧作
イン・ハー・シューズ(カーティス・ハンソン)
チャーリーとチョコレート工場(ティム・バートン)
キング・コング(ピーター・ジャクソン)

★★★★
赤いアモーレ(セルジオ・カステリット)
大統領の理髪師(イム・チャンサン)
ビヨンドtheシー ~夢見るように歌えば~(ケヴィン・スペイシー)
海を飛ぶ夢(アレハンドロ・アメナーバル)
ライフ・アクアティック(ウェス・アンダーソン)
ミリオンダラー・ベイビー(クリント・イーストウッド)
妖怪大戦争(三池崇史)試写会
リンダリンダリンダ(山下敦弘)
僕の村は戦場だった(アンドレイ・タルコフスキー)旧作
シンデレラマン(ロン・ハワード)
儀式(大島渚)旧作
亀も空を飛ぶ(バフマン・ゴバディ)
不滅の男・エンケン対日本武道館(遠藤賢司)
ブラザーズ・グリム(テリー・ギリアム)
ロッテ・ライニガーの世界(ロッテ・ライニガー)
狼少女(深川栄洋)
風の前奏曲(イッティスントーン・ウィチャイラック)
DEAR WENDY(トマス・ヴィンターベア)

★★★
スーパーサイズ・ミー(モーガン・スパーロック)
揮発性の女(熊切和嘉)
THE JUON/呪怨(清水崇)試写会
レオポルド・ブルームへの手紙(メビディ・ノロウジアン)試写会
カナリア(塩田明彦)試写会
ハウルの動く城(宮崎駿)
ZOO(オムニバス)
老人Z(北久保弘之)旧作
バッド・エデュケーション(ペドロ・アルモドバル)
サーティーン あの頃欲しかった愛のこと(キャサリン・ハードウィック)
最後の恋のはじめ方(アンディー・テナント)
クローサー(マイク・ニコルズ)試写会
Dearフランキー(ショーナ・オーバック)
マリといた夏(イ・ソンガン)試写会
ヴェラ・ドレイク(マイク・リー)
ザ・コーポレーション(マーク・アクバー)試写会
NOTHING(ヴィンチェンゾ・ナタリ)
少年(大島渚)旧作
ドミノ(トニー・スコット)
イツカ波ノ彼方ニ(丹野雅仁)
世界(賈樟柯)
ヴェニスの商人(マイケル・ラドフォード)
七人のマッハ!!!!!!!(パンナー・リットグライ)試写会
あの夏、いちばん静かな海。(北野武)旧作
親切なクムジャさん(パク・チャヌク)
ブレイキング・ニュース(ジョニー・トー)

★★
ネオ・ファンタジア(ブルーノ・ボツェット)
UTAKATA~女王☆中村うさぎ「愛のショック療法」(中田文)
ロング・エンゲージメント(ジャン=ピエール・ジュネ)
DEMONLOVER(オリヴィエ・アサイヤス)
炎のメモリアル(ジェイ・ラッセル)試写会
ノミ・ソング(アンドリュー・ホーン)
アルフィー(チャールズ・シャイア)
ジャマイカ・楽園の真実(ステファニー・ブラック)
OBSESSION(入江悠)
NANA(大谷健太郎)
ロード・オブ・ウォー(アンドリュー・ニコル)試写会


インストール(片岡K)
ドッジボール(ローソン・マーシャル・サーバー)試写会
キングダム・オブ・ヘブン(リドリー・スコット)試写会
female(オムニバス)試写会
アイランド(マイケル・ベイ)試写会
ドア・イン・ザ・フロア(トッド・ウィリアムズ)試写会
スクラップ・ヘブン(李相日)
エイリアンVSヴァネッサ・パラディ(ディディエ&ティエリー・ポアロー)
グロヅカ(西山洋市)試写会
バッシュメント(布川敏和)試写会
プライドと偏見(ジョー・ライト)試写会


9 Songs(マイケル・ウインターボトム)

『映画と文庫とMDと』というタイトルから推察されるとおり、メディアの形態に強い関心を抱いている。
映画はたいへん多くの人に開かれたメディアであり、観客は2時間ほどの時間を赤の他人と共有することになる。
そのことは下手をすると、映画監督の独善を人に押し付けることにもつながりかねない。
そういう意味で『9 Songs』は、マイケル・ウインターボトムという男の人間性を心底から嫌悪したくなる毒作であった。
まったく「私の乳首を返して!」

…じゃなかった「私のお金と時間を返して!」と叫びたいくらいである。
また、『ミリオンダラー・ベイビー』と『海を飛ぶ夢』は共に尊厳死について先鋭的なメッセージを送っているが、多くのブッシュ批判やコイズミ批判があまり功を奏さないことを考えると、世界が分裂しつつある中で攻撃的な主張が映画としてどれほど有効かと疑問を感じたことも事実である。
ベスト3は『イン・ハー・シューズ』『Ray/レイ』『シン・シティ』。
最も印象的な演技は画像で紹介した『赤いアモーレ』のペネロペ・クルス。
DVDで見た作品では『アメリカン・ビューティー』と『リトル・ヴォイス』が良かった。
来年公開の作品では『力道山』『ミュンヘン』『ウォーク・ザ・ライン』を楽しみにしている。
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読書家の小さな世界

2005-12-28 22:08:44 | 読書
容疑者Xの献身

文藝春秋

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『容疑者Xの献身』 東野圭吾(文藝春秋)
元ホステスの花岡靖子は中学生の娘・美里とともに、金をたかるためにしつこくやってくる前夫の富樫を殺してしまった。
ところが、靖子の勤める弁当屋の常連客で靖子に想いを寄せる隣室の住人・石神が、死体の処理やアリバイ作りなど事件の後始末を買って出る。
石神はさえない風貌の中年男で、今でこそ高校の数学教師に甘んじているが、天才的な数学センスの持ち主だった。
しかし警視庁で捜査を担当する草薙刑事の旧友の大学助教授・湯川は石神と同窓で、かつて彼の天才ぶりを目の当たりにしたことがあった。
そこから石神と湯川の頭脳戦・心理戦が始まる…

「このミス」と週刊文春の両方で1位、しかも「このミス」では2位の3倍ほどの得点を獲得している。
「このミス」の記事によると、もはや年末のミステリーのベスト10にはカンフル剤程度の効果しかなく、1位の作品しか売れ行きは伸びないという。
さもありなん。
宮部みゆきさんの『火車』『模倣犯』、高村薫さんの『マークスの山』『レディ・ジョーカー』といった作品が、ミステリーというジャンルを超えて何事かを訴えかけてくる力に満ちていたのに比べ、この作品には何かが足りないのである。
帯には麗々しく「運命の数式。命がけの純愛が生んだ犯罪。これほど深い愛情に、これまで出会ったことがなかった。いやそもそも、この世に存在することさえ知らなかった」と謳ってある。
ここから『博士の愛した数式』を思い出し、出版社の「売らんかな」の姿勢を感じ取る人もいるであろう。
設定やトリックには、純愛どころか邪悪なものすら感じる。
東野圭吾さんは当代最高のミステリー作家だとは思うが、ここが男性作家の限界であろうか。

大江健三郎さんが町田康さんとの対談で「パンク」という言葉を使って文章を賞賛していた。
おそらく大江さんはパティ・スミスもジョー・ストラマーも、その存在すら知るまい。
万一知っていたとしても、音楽として楽しむことも言葉として感じることもできないであろう。
無知というのは恐ろしいことである。
爆笑問題・太田光の読書量は尊敬すべきものだが、「今の洋楽ってエミネムとかだろ?」と決め付けて、耳を傾けない姿勢には非常に問題がある。
確かにエミネムの音楽性は一本調子だが、その歌詞は「同時代の言葉」としてノーベル賞作家の作品よりも重要なものを含んでいる。
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アンフェアなロックノベル

2005-12-17 15:28:01 | 読書
『完全演技者(トータル・パフォーマー)』山之口洋(角川書店)
1980年代、化学を学びながらバンド活動をしていた井野修はメンバーと意見が衝突して脱退するが、オペラのような衣装で非現実的なファルセット・ヴォイスを駆使して前衛的なパフォーマンスを行うクラウス・ネモに出会い、衝撃を受ける。
ネモの2ndアルバムのプロデューサーは、何と大物デビッド・ボウイが務めることになった。
やがてネモのバンドに引き込まれた修は、ネモと愛人兼バンドの一員のジェニファーの呪われた運命を知ることになる…

現実の音楽・映像・演劇から得られる陶酔に比べれば、本書で味わえる幻想作家としての技巧は特筆すべきものではない。
青春小説としての側面もあるので、主人公の青年の語る「ロックはタナトスの音楽」などといった皮相的な音楽観に鼻白むのは仕方ないとしても、許せないのは本書の着想の大部分は今年ドキュメンタリー映画も公開された実在のアーティスト、クラウス・ノミの人生に負っているにもかかわらず、巻末も含め一切そのことに触れていない点である。
このことは洋楽からの「アイデアの剽窃」を平気で行うJ-POPの関係者のモラルの低さとも無関係ではない。
本書を朝日書評で絶賛した巽孝之氏はこれまで立派な仕事をしてきたが、評論家・批評家としての姿勢に問題があると言わざるを得ない。
現実のロック音楽から幻想をふくらませた小説ならば、今となっては古さもあるが、ルイス・シャイナー著『グリンプス』(創元SF文庫)のほうを強く推奨したい。

グリンプス

東京創元社

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