マガジンひとり

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巻き添え食ってたまるかよ

マイナー・ポエット

2006-01-26 19:56:41 | マンガ
昨晩の『THE少女マンガ!』は、『摩利と新吾』『夢の碑』など木原敏江さんの特集であった。
木原さんが実際にGペン1本で変幻自在な線を生み出す様子を見て、マンガ家とは神聖な職業なのだと強く感じ入った。
必ずしもマンガ家志望ではなかった木原さんは、カワイイもの、わかりやすいものが求められる当時の少女マンガ界とは作風が折り合わず、1度はマンガを断念したが、彼女の織り成す言葉の世界に注目していた編集者と出会い、復帰を果たす。
詩、小説、絵画、演劇…様々な要素の影響を作品の形に結実させることは、ご本人の言うとおり、まさしく「マンガでしか出来ない」のである。
さらに、他の人が目を向けない日本の古い和歌、能、謡曲などから想を得て、誰のものでもない彼女独自の世界を創作する様子に、たいへん感銘を受けた。

『死んでしまったぼくの見た夢』西岡兄妹(パロル舎)
ずいぶんと幼い頃から、14歳で死のうと思っていました。
首吊り自殺したぼくを迎えに来たのは、旧式のボンネット・バスでした。
向かったのは、摩訶不思議な植物園、薄い記憶の中の天神川、そして最後に辿り着いたのは…

2月4日(土)までスパンアートギャラリー(中央区銀座2-2-18・西欧ビル1階)で、著者の個展が行われており、絵本の生原稿や色校正、イラスト作品が展示されているほか、この作品を含むサイン本の販売もしている。
著者は実の兄妹によるコンビで、兄が原作、妹が作画を担当している。
微熱を帯びたような不思議な世界は、言葉と絵のどちらが欠けても成り立たず、またその2つが組み合わさることによって心の奥が共鳴する説得力が生まれるのであった。

死んでしまったぼくの見た夢

パロル舎

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コメント
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