九段下・九段会館にて、塩田明彦監督。
無差別テロを行った宗教団体から保護された光一(石田法嗣)は妹と離れ離れにされてしまう。
祖父が、教団の教えを信じる光一の引き取りを拒んだのだ。
施設を脱走した光一は、変質者に誘拐されそうになっていた少女・ゆき(谷村美月)をひょんなことから助けてしまい、二人で妹のいる東京へ向かう…
「黄泉がえり」「月光の囁き」などの監督。
知人が「黄泉がえり」をボロクソにけなしており、自分も「月光の囁き」にあまり感心しなかったので、期待度は低かった。
寡黙な少年と饒舌な少女の対照がいい。
重い題材を印象的なシーンの数々でつないでいく。
特に、家族で出家する際に幼い少女が言われるままに拇印を押すシーンは、すべてをむしり取る宗教団体の非道を象徴している。
主演の谷村美月をはじめ、狂信的な母親を演じる甲田益也子、旅の道連れになるレズ・カップルのりょうとつぐみなど女優陣の選択が確か。
しかし、苦しまぎれとしか思えないエンディングがマイナス。
さらにそこへかぶる、稚拙な歌詞をわめくだけの最悪なエンディング・テーマ。
そう言えば、主演の少年の面立ちがかぶる「誰も知らない」もエンディング・テーマはよくなかった。
帰宅してテレビをつけたらちょうど「この男の子どもは産みたくない」格付けでIZAMが1位に選ばれるところであった。
化けの皮がはがれたのね。
元々決してきれいじゃないしね。
オレ、完全女装したら絶対こいつよりきれいになるもん。
みうらじゅんの笑える女装と違って、笑えない域に達する自信あるから。
なーんて大口を叩いてしまったが、大口と言えば、先達のピーターも妖怪っぽいよね。
世間のみなさん、ピーターと同じ顔の女性がいるとしたら、あなたは憧れますか?
追記:谷村美月はその後、海賊版撲滅キャンペーン・ガールとして劇場予告篇の最中、黒い涙を流す女の子として映画ファンにはお馴染みの存在となっている。
あの広告はともかく、この『カナリア』ではガッツのある印象的な演技を見せている。