![]() | ちあきなおみ VIRTUAL CONCERT 2003 朝日のあたる家ちあきなおみ, 水谷啓二, 倉田信雄, ちあき哲也, 小椋佳, 服部隆之, 飛鳥涼, 瀬尾一三, 友川かずき, スクランブルテイチクエンタテインメントこのアイテムの詳細を見る |
『歌伝説・ちあきなおみの世界』(NHK-BS2)
豊かな歌唱力で幅広いジャンルの歌を聴かせたが、1992年以来芸能活動を休止して沈黙を守っているちあきなおみの歌の世界を貴重な映像とともに振り返る…
スティーヴン・キング原作の映画『アトランティスのこころ』を観ようとNHKにチャンネルを合わせたが、映画はNHK-HVで、間違えてBS2で待っていたらこの番組が始まって、いきなり72年の紅白歌合戦での「喝采」が流れた。
私の小っちゃい頃もっとも影響力のあった曲である。
もう映画はどうでもよくなって90分間伝説のシンガーの歌を堪能した。
少女時代から米軍基地で歌って実力を磨き、レコード会社のオーディションに受かってアイドル路線でデビュー、「四つのお願い」がヒット。
現在の宇多田ヒカルが「藤圭子さんの血筋か、声に湿度がある」と評されるが、ちあきなおみはそれどころでなく、声に人生すべてが凝縮されていた。
若くして亡くなった水原弘と双璧の、ドラマ性をもった歌手だったであろう。
芸能活動休止後にネスカフェのCMで話題となった「黄昏のビギン」は奇しくも水原弘のオリジナル曲であった。
私の小っちゃい頃の話に戻ると、幼稚園から小2くらいまでは平日は夜8時、土曜日のみ夜9時まで起きていられたのだが、初めてその時間を越えて深夜まで起きて見ることを許されたのが1973年の紅白歌合戦で、その時の「夜間飛行」も今日の番組でフル・コーラス放映された。
驚いたのは77年の「夜へ急ぐ人」(友川かずきさんの作詞作曲だという)で「おいでおいで~おいでを~する人あんた、だーれー」と髪を振り乱して手を差し伸べる姿で、幼児が見たらトラウマになりそうに激しい。
83年に細川たかしによって大ヒットした「矢切の渡し」は彼女がオリジナルだったが、テレビで歌うことは滅多になかったという。
その貴重な映像を見ると、細川たかしのバージョンは無価値なパチモンだとわかる。
その他、アニマルズで有名な「朝日のあたる家」や、シャンソン、ファドなどポピュラー音楽の成り立ちを一人で体現するかのよう。
彼女の最大の理解者でプロデューサーも務めた夫の病死以降、一切の芸能活動をやめたとのこと。
もう歌う姿は2度と見られないのだろうか。
合掌・本田美奈子さん。