しばらく前に「帰ってきたサンプラー/各国の選曲」という記事で紹介した配信専門・編集盤専門の音楽レーベルX5 Music Groupは、当初はゲーム音楽とクラシック、やがてワーナー傘下に収まって大量の編集盤をリリースし、高い利益率でIT業界の称賛を集めているということで、上に述べたような演奏者には雀の涙ほどしか払わなくていい、音楽業界が歴史的に反社会勢力との結び付きが強く不透明な商慣行がまかり通っていることに乗じて成功したに違いないと気づく。その種の配信専用の編集盤に嫌悪感を覚えるようになり、iTunes内で元のスタジオアルバムから聞くような感じでない曲を編集盤にまとめる際も、選曲やジャケだけでなくフィジカルとしての完成度、愛着が持てる商品かどうかを厳密に問うようになりました。
True No. 1s (2006)
Manfred Mann / The Mighty Quinn (1968)
Captain Sensible / Happy Talk (1982)
True Rock (2006)
Joe Walsh / Rocky Mountain Way (1973)
Nils Lofgren / Shine Silently (1979)
John Miles / Music (1976)
True Sixties Love (2006)
Dusty Springfield / Goin' Back (1966)
True Chill Out (2007)
Lamb / Górecki (1996)
Free / Mouthful of Grass (1969)
Secret Garden / Nocturne (1996)
True Acoustic (2007)
Lynyrd Skynyrd / All I Can Do Is Write About It (1991)
True Funk (2007)
Yarbrough & Peoples / Don't Stop the Music (1980)
Bobby Byrd / I Know You Got Soul (1971)
Creative Source / Who Is He and What Is He to You (1973)
True Power Ballads (2007)
Styx / Babe (1979)
Nik Kershaw / Wouldn't It Be Good (1984)
True Soulful Love (2008)
Love Unlimited / Walkin' in the Rain With the One I Love (1972)
同国の文化省が2006年に「デンマーク文化キャノン」として建築・工芸・文学・映画など8つのカテゴリーから計108の作品を選定。音楽ではクラシックとポピュラーそれぞれ12作ずつ、ポピュラー音楽からはアルバム単位で選ばれている。中でセバスティアンという芸名のシンガーソングライターについてはSpotifyの再生回数、Rate Your Musicのレビュー件数などから推し量ってデンマーク国外では知名度が低くほとんど聞かれていない様子。国内では英雄的、国外ではさっぱりというとすぐにわが国の悲惨な状況を連想しますが、彼の音楽はとても優れていて、もっと聞かれて不思議はない。先日イスラエルでも同様の存在を見つけたばかりだ。