マガジンひとり

オリンピック? 統一教会? ジャニーズ事務所?
巻き添え食ってたまるかよ

オルタモントの悲劇 -崩壊したウッドストック神話- ②

2021-06-30 18:01:26 | 音楽

午前4時、われわれジャーナリストやロック・ファンの数人は、眠れなくて、たき火のまわりに集まった。何か奇怪なことが起り始めていた。だがだれも、あえてそれを口に出そうとはしなかった。われわれをこの荒地に集めたものは何なのか?アントニオーニの映画か? 宗教儀式か? 説法か?

たぶん18歳ぐらいの、エレーンという可愛いブロンドの女の子が、たき火で手を暖めていた。ベイ・エリアでロック・ダンスが催されるたびに必ず現われ、いつもステージのまん前で、ふつうトップレスで、狂ったように踊っている子だ。そのとき彼女は、星うらないで今日はひどいことが起りそうだという結果が出たと、つぶやいていた。

午前7時、太陽が丘の頂上に顔をのぞかせたころ、谷のうしろ側では大きな叫び声が起った。入ロが開かれたのだ。数分のうちに、何千人もの子供たちが、後のほうと横のほうから、インディアンの声をあげ、少しでもステージに近いところを占領しようと、まだ人が眠っている寝袋を蹴とばしながら、走り、とびはねて、殺到してきた。それは、4万から5万人の、がんじょうそうな若者たちで、その日は夜までずっと、彼らがステージのすぐ前をギッシリと埋めたのだった。彼らは週末だけのインチキ・ヒッピーなどではなく、多くは労働者の子供たちで、すり切れた中古の軍服や仕事着を着ていた。

ウッドストックに集まったのがアメリカ中産階級のパートタイム・ドロップ・アウト〔都合のいいときだけヒッピーの真似をし、またすぐ平常の生活にもどって行くような連中〕によって特徴づけられていたとすれば、オルタモントの子供たちは、大部分が、声なき大衆の子女たちだったように思われる。ウッドストックに行った人たちは20ドルもの入場料を支払うつもりだったが、オルタモントは無料ということになっていたし、ベイ・エリアの工業地帯に近かった関係で、労働者階級の子供たちが多く集まった。つまり、われわれがふだん町角で見かける子供たち、ドライブ・インで会う子供たちであった。彼らは酒からマリファナに乗りかえつつあり、話に聞いていたウッドストックの自由と愛の生活を自分たちもいま初めて経験できるというわけだった。



その日の最初の悲劇的な体験は、バークレー・ラディカルたちが、群衆に政治的な態度で接触しようとしたときに起った。ラディカルの数人が、プラック・パンサーの裁判救援資金カンパを呼びかけてバケツをまわしたとき(ちょうどその前日にフレッド・ ハンプトンがシカゴ警察に殺された)、非政治的なロック・ファンたちは、冷淡な、むしろ反感をむき出しにした態度をとったのである。

政治革命と文化革命のあいだのギャップを埋めるためと称して自己満足的な活動を行なっているバークレーの政治団体、COPS(コミッティ・オン・パブリック・セイフティ)のメンバー14人にとっては、オルタモントはワーテルロー〔ナポレオンが敗北した戦場〕と化した。COPSがこのコンサートのことを耳にしたとき、最初彼らは、ウッドストックでホッグ・ファーム・コミューンがやったように、無料の食物スタンドを組織しようとした。彼らはコンサートの主催者たちの間をさんざん駆けずりまわったあげく、自分たちの計画を放棄せざるをえなくなり、結局オルタモントへは、ほかの人たちとまったく同じように、金を払う者として、やってきたのであった。

午前10時ごろ、食物、ピーナッツ、ソーダ水、コーヒーなどの売り子が、ばか高い値段でそれらを売るために、群衆の間をまわり始めた。COPSの連中は、ウッドストック・ネーションの精神をなおも発揮しようという望みを抱いて、このようなフリー・コンサートから商業主義は追い出すべきだと決意した。彼らの政治的信念を群衆に明らかにするために、売り子たちにむかって、出て行くようにいった。テーブルでローリング・ストーンズのブログラムを売っていたふたりの中年の男(ふつうの服装をした労働者で、あきらかに金をかせぐのに一生懸命になっていた)を、7~8人の政治人間たちがとり囲んだ。

ひとりがいった。「おい、おじさん。これはフリー・コンサートだぜ。何も売っちゃあいけないんだよ」

はじめのうちは、売り子たちは、これは自分の仕事なのだからと弁解していた。だが若者たちは耳を傾けず、プログラムをつかんで群衆に向ってほうり投げた。若者たちが手を出したので、売り子のひとりは恐怖にかられ、身を守るためにテーブルをつかんで振りあげた。とうとうおそろしい結果になった。ふたりの男たちは若者を追い払ったが、売り物のプログラムは群衆の背後にとり散らされ、誰も注意を払わなかった。

それはばかげた、無意味な出来ごとだった。のちに、COPSの連中の大部分は、小人数の不幸な売り子たちを責めてみても何もならないことに気づいた。彼らの中でもとくに感受性の強い、バークレーの政治運動にかかわってきた人たちは、オルタモントの出来ごとを苦にして、ほんとうに病気になってしまったそうだ。



お昼前ごろには、暴行の機はすっかり熟したように思われた。どちらを見ても制服姿はまったく目に入らなかった。もし、そこに何らかの秩序もしくは法律というものがあったとすれば、突然集められたマス・コミュニティから出てくるものでなくてはならなかった。太陽が高くなり、開演時間と定められた正午が近づくにつれて、緊張と期待は増大し、自然国家というような仮想の政治概念だけが当てはまるのではないかという気がした。日常的な抑制だの約東ごとはどこかへ行ってしまって、そこにあったのは、人びとと、麻薬と、やがて始まるはずの音楽と、すでに空っぽのステージから放射され始めている信じがたいほどのエネルギーの感覚と、それだけだった。

正午を少し過ぎるころまで、高さ1メートル20センチのグラグラするステージを、押しあいヘシあいしている群衆から守るものは、ストーンズのロード・マネージャー、サム・カトラーの、抑揚のある英国風の声だけだった。カトラーは、刃物屋という意味をもつ彼の名前にもかかわらず、背が高く、やせていて、まっすぐな黒髪を肩まで垂らし、長いカギ鼻、高いホホ骨、ガラス玉のような黒い目をした男。ピッチリした茶色のレザー・コートと白いタートルネックのセーターを着ていた。電気設備のすえつけが終り、カトラーがマイクの前に進み出て「レディース・アンド・ジェントルメン、これからサンターナの演奏をおとどけしましょう。1969年最高のパーティの、最初の出演者です」といったときには、すでに会場内の緊張感はほとんど耐えられないほどになっていた。

何時間もガマンしていた群衆は、1キロもの遠くまでひびき渡るようなワメキ声でそれにこたえた。


《アメリカにいま起っているこの本質を知るには、ロックンロールを、ポピュラー・ミュージックを聞かねばならぬ》──ラルフ・J・グリースン


少なくとも初めの5分のあいだは、それはほとんどまざり気のないエクスタシーだった。あたりを見まわすと、目に入るのは青くかすむ地平線まで埋めつくした人また人、それだけ。前には、毒をもっているが美しい、音楽。ステージの両側にならんだ、巨大な、完壁なスピーカー・システムから飛び出してくる、心をくだくようなサウンドは、防寒コートのように身体を包む。このエネルギーと騒乱のただ中にいるのは、台風の目に入り込んだのと同じだ。

そのあとの出演バンドのひどさを思えば、サンターナは、詩的完全さをもったやり方でプログラムをスタートした。サンターナのうるさい音楽は都市の暴力と共震する。ボーカルは少なくて、大部分が、ふたりのコンガ叩きによってバックアップされるラテン風のヴードゥーのリズムに深くのめり込んでいた。このバンドのメンバーたちは、スパニッシュ・ハーレム〔ニューヨークのラテン系貧民の居住区〕の街頭でナイフをふるってケン力している連中のひと束、という感じだった。彼らが最初の曲を演奏しだしたとき、私は、音楽のパワーがすべてのバランスをとり、あらゆることがうまく運ぶんじゃないかと思った。

ところが、そのとき、われわれは不意に絶望の底につき落された。醜悪と無意味が、一挙に、あたりを支配した。前の方から、たくさんのクスリが列の順に手渡された。それが何なのか誰も知らなかった。「おおかた、安物のLSDだろ」誰かが笑って言った。でも若者たちは、とにかくそれを口に入れた。ステージに向って右側、前から20列目ぐらいのところで、いやらしく太ったひとりの男が、おっちょこちょいの気まぐれから、すっぱだかで立ち上った。彼の巨大な腹は前の方に垂れ下って陰毛にかぶさり、小さなペニスはほとんど見えなかった。彼はステージを向いて、踊るような、よろけるような恰好をしながら、前のほうに進んで行ったので、踏んづけられた人たちがわめき声を上げた。

われわれの後のほうでも騒ぎが起った。ふたつになる赤ん坊が泣き始め、ラリっているその母親が、静かにするようにと叱りつけた。われわれの左手では、LSDに悪酔いした男が、恐怖におののいて叫び声を立てていた。あるものはギッシリつまった群衆の中から抜け出そうと絶望的な悪あがきを試みていた。ステージのすぐ前には、ティモシー・リアリーがいた。彼こそ、いま始まりつつあることに対して何か手をうつべきなのだが、LSDに悪酔いしている若者たちを助けるよりも、ステージ上の音楽に一生懸命耳を傾けるのに忙しい様子だった。



さきほどのグロテスクな裸のデブ男のまわりで、ケンカが始まった。恐慌状態に陥った何人かの人びとは、両手のVサインを高くかざした。もしかしたら警察の手が必要じゃないか、という奇妙な考えが、私の頭をよぎった。

そのときだった。3人のヘルス・エンジェルスが、1メートル半の玉ツキ棒をもって、ステージを左から右に横切り、乱闘の行なわれている場所を見定めると、まるでプールにとびこむように、足から先に、ステージの前の群衆の中にとびこんで行った。巨大な群衆はヘルス・エンジェルスたちのために道をあけた。女たちは金切り声をあげ、エンジェルスが例の男をつかまえると「平和、平和」という祈りのような言葉がほとばしり出た。ふたりのエンジェルスは倒れているデプ男をふみつけ、玉ツキ棒を激しく打ちおろした。まるで古いマットレスからホコリを叩き出すときのように、両手でキューをにぎって、狙いを定めて連打した。ひとりの男が、なぐられているデブを助け起こそうと駆け寄ったが、たちまちエンジェルスにつき倒され、蹴とばされた。この教訓は群衆をとらえ、英雄のまねをしようとするものは、二度と現われてこなかった。

エンジェルスこそ、警官だったのだ! 口には出せない、この思いつきが、私をゾッとさせた。自然国家は短命に終り、今やわれわれは一種の法律と命令のもとにあった。だがェンジェルスの警察国家は人びとを収容する刑務所も、人をさばく法廷ももたない。もし、誰かが法律をおかしたとエンジェルスが認めれば、彼らは彼らのやり方でベストを尽す──つまり、その人を、ふたたび法をおかそうとは決して思わなくなるまでプチのめすのである。

誰が彼らを権力者に選んだのか? われわれではない。ステージの上からは、エンジェルス警察官については、誰も何もいわなかった。あとになって、われわれは、エンジェルスが500ドル分のビールの報酬で、警備のために傭われたのだと知った。サム・カトラー、あのよきイギリス紳士サムが、話をつけたのだった。のちにカトラーは、エンジェルスはミック・ジャガーとストーンズの個人的世話役として傭ったのであって、ステージの警備をしてもらうつもりはなかったと弁明しなければならなかった。エンジェルスはこれを否定し、彼らの仕事はステージを守ることだとハッキリ言われていたと声明し、それはこのコンサートの数人の関係者たちの話でも裏づけられている。



サンターナの45分のステージのあいだに、エンジェルスは少なくとも半ダースくらいの回数、群衆の中に入って行った。そのたびに彼らは、人びとが遠巻きにして見まもる中で、何人かの聴衆を、玉ツキのキューで殴打するか、オートバイ・ブーツで蹴っとばすか、あるいはその両方のやり方を併用するかの方法で、血まみれにした。原因はいろいろだった。ラリッた若者がステージによじ昇ろうとしたため、あるいはエンジェルスに嫌われているカメラマン、たまたまエンジェルスの通り道に立っていた人、など。そのつど、5~6人のエンジェルスは、彼らを目撃する何千人もの群衆を深刻な恐怖に陥れた。

後日、そのバンドのリーダー、カルロス・サンターナは、あるロック・リポーターにこう語った。
「あっという間の出来ごとだったので、ぼくたちは何が起ったのかも、わかりませんでした。ラリってファックしている人も、たくさんいましたね。ぼくたちの演奏中に、ナイフを握って、誰かを刺そうとしている男がいるのを見ましたよ。ほんとにケンカしようとしてたんです。相手がケンカしたいかどうかはおかまいなしに、とにかく誰かをケン力に引きずり込もうとしてました。刺されたヤツや、頭を割られたヤツなど、しょっちゅう目に入りましたね。 ぼくたちは、演奏をやめて、彼らが平静になるまで待とうと、せいいっぱいやってみたんですけど、4曲めを演奏するころには、ますますケンカ沙汰はひどくなって、どうにもなりませんでした」

人垣が作られるたびに、そのまわりでは、ギッシリ詰まった群衆がいっそうきつく、身を寄せあわねばならなかった。そこでのケンカが終ると、ほかのところに空間をあけるために、ドヤドヤと移動し、またギュウギュウ押しあうのだった。あまりギッシリ詰まっていて、座ることもできない人もいた。ステージのまわり数百メートルの範囲では、ラッシュ・アワーのニューヨークの地下鉄のような混雑ぶりだった──ただし、それは、1万人の乗客がいて、けっしてドアの開くことのない地下鉄だった。


コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

1996 ─ 50 Best Songs

2021-06-28 17:43:04 | Year End Charts
50) 華原朋美 / I'm proud
49) Enya / Anywhere Is (1995)
48) ウルフルズ / ガッツだぜ!! (1995)
47) Primitive Radio Gods / Standing Outside a Broken Phone Booth with Money in My Hand
46) Sammy / Encyclopedi-Ite
45) PUFFY / これが私の生きる道
44) Thurman / Now I'm a Man (1995)
43) Nick Cave & the Bad Seeds / Henry Lee (feat. PJ Harvey)
42) Marc Almond / Child Star (1995)
41) Ocean Colour Scene / The Riverboat Song
40) Jimmie Dale Gilmore / Braver Newer World
39) 中谷美紀 / MIND CIRCUS


38) The Beautiful South / Rotterdam (or Anywhere)
37) Nas / If I Ruled the World (Imagine That) (feat. Lauryn Hill)
36) Aterciopelados / Bolero falaz (1995)
35) Bone Thugs-n-Harmony / The Crossroads (1995)
34) Mark Knopfler / Darling Pretty
33) The Chemical Brothers / Setting Sun
32) Loud Lucy / Down Baby (1995)
31) Skunk Anansie / Weak (1995)
30) The Prodigy / Firestarter
29) サザンオールスターズ / 愛の言霊(ことだま)~Spiritual Message~



28) Björk / Hyper-Ballad (1995)
27) CAKE / Frank Sinatra
26) Everything but the Girl / Missing (Todd Terry Club Mix) (1995)
25) Los del Río / Macarena (Bayside Boys Remix)
24) Sting / I'm so Happy I Can't Stop Crying
23) Stereolab / Cybele's Reverie
22) Jamiroquai / Virtual Insanity
21) Blackstreet / No Diggity
20) Joaquín Sabina / Contigo
19) Beck / Where It's at?
18) Khaled / Aïcha
17) Eels / Novocaine for the Soul
16) Quad City DJ's / C'mon n' Ride It (The Train)
15) Manic Street Preachers / A Design for Life
14) 2Pac / California Love (feat. Dr. Dre) (1995)
13) Broadcast / The Book Lovers


12) Fugees / Ready or Not
11) The Smashing Pumpkins / Tonight, Tonight (1995)
10) Kula Shaker / Tattva
9) Pulp / Something Changed (1995)
8) Eric Clapton / Change the World
7) Out of My Hair / Mr Jones (1995)
6) Spacehog / In the Meantime
5) Pulp / Disco 2000 (1995)
4) Elvis Costello & the Attractions / It's Time
3) Underworld / Born Slippy .NUXX
2) Gabrielle / Give Me a Little More Time
1) Garbage / Vow (1995)


コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

26-Jun-2021 Top 20 Hits

2021-06-26 19:15:05 | Weekly Top 15
1. ← 6. 4 Wesley Gonzalez & Rose Elinor Dougall / Greater Expectations (2021 - Single)
2. ← 8. 3 Klô Pelgag / À l'ombre des cyprès (2020 - Notre-Dame-des-Sept-Douleurs)
3. ← 15. 2 Deafheaven / Great Mass of Color (2021 - Infinite Granite)
4. ← 1. 6 Max Gazzè / Il farmacista (2021 - La matematica dei rami)
5. ← 9. 3 King Gizzard & the Lizard Wizard / Yours (2021 - Butterfly 3000)
6. ← 4. 5 Lord Huron / Long Lost (2021 - Long Lost)
7. ← 2. 6 Mdou Moctar / Afrique victime (2021 - Afrique victime)
8. ← 3. 5 Bachelor / Stay in the Car (2021 - Doomin' Sun)
9. ← 5. 4 Sharon Van Etten & Angel Olsen / Like I Used to (2021 - Single)
10. ← 17. 3 Teenage Sequence / All This Art (2021 - Single)
11. ← 16. 2 Jungle / Keep Moving (2021 - Loving in Stereo)
12. ← 14. 3 Bruno Pernadas / Theme Vision (2021 - Single)
13. ← 12. 8 Olivia Rodrigo / Drivers License (2021 - Sour)
14. ← 11. 7 Jessie Ware / Please (2021 - What's Your Pleasure?: Platinum Edition)



15. NEW 1 doppelfinger / Knowingly (2021 - Single)
16. ← 10. 8 Bruno Pernadas / Step Out of the Light (2021 - Private Reasons)
17. ← 18. 2 John Grant / Billy (2021 - Boy from Michigan)



18. NEW 1 Yola / Stand for Myself (2021 - Stand for Myself)
19. ← 13. 6 Okkervil River / In a Light (2021 - Single)



20. NEW 1 Zahara / Merichane (2021 - Puta)


コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

オルタモントの悲劇 -崩壊したウッドストック神話- ①

2021-06-25 19:47:30 | 音楽
1969年12月、サンフランシスコ郊外のオルタモントで開かれたローリング・ストーンズのコンサートは、まさにウッドストックの裏返しだった。ウッドストック・ネーションのとなえる《愛と平和》の裏側にかくされている諸矛盾が一挙に吹き出したオルタモント。なぜか、あまり報道されていないオルタモントの真実を、このリポート『オルタモントの悲劇』は見事にえぐり出している。筆者ソル・スターンは『ランパーツ』誌編集陣のひとりで、多くの新聞・雑誌に寄稿しているルボ・ライター。このリポートはScanlan’s Monthly誌1970年3月創刊号に掲載され、中村とうようによる日本語訳がミュージック・マガジン(当時ニュー・ミュージック・マガジン)1970年7・8月号に掲載されたもの。 なお文中の〔〕内は中村による訳注。フィートやマイルはメートル法に換算。当ブログで全文を4回にわたり分載します。


《このフェスティパルは、史上最大のハプニングとなった。1960年代のアメリカの若者のもつ特別な文化が、その力と訴えと強さとを発揮した瞬間であることからみて、これは、現代を代表する大きな政治的社会的出来ごとのひとつに数えることも充分可能であろう》(ウッドストックについての『タイム』誌1969年8月号の記事から) 


変革の10年間にとって、バークレーとサンフランシスコは、象徴的にも実態的にも中心点であった。フリー・スピーチ・ムーヴメント、ハイト・アシュベリー、ロック・バンドたち、ビー・イン、トリップ、フェスティバル、ピープルズ・パーク──ある意味で、1960年代というものは、パークレーとサンフランシスコで起った出来ごとによってあらわすことができる。そしてその10年間の最後のひと月のあいだに、それはひとつの円環を完成したようにみえる。約東されたカウンター・コミュニティ〔体制と対立する共同体〕がより強固に、より緊密になるのではなくて、それは、急速に分断され、粉砕され、みずからに向けられた暴力を阻止するにさえ無力で、その文化改革そのものが商業主義に強姦されるがままにゆだねざるをえなかった。そのようなあわれな形で、1960年代という円環は結ばれたのである。

もともとベイ・エリア〔サンフランシスコ地区〕で生まれ、育ったものである、かの有名な1960年代の《カウンター・コミュニティ》なるものは、1969年の夏に、おくればせながら、ウッドストックまでやってきた。『ライフ』『タイム』『ニューズウィーク』『ニューヨーク・タイムズ』などに率いられた、プレ・マクルーハン的ギリシャ合唱団〔Greekには"ペテン師"の意味もある〕は、とつぜん、若者のカウンター・コミュニティの存在に気づいた。それは、自由で、麻薬を吸い、協力的で、非暴力的で、非政治的で──しかし潜在的には文化革命的であるようなカウンター・コミュニティであって、ロック・ミュージックと固く結ばれており、その反面、最終的には中産階級のよきマナーによって充分に保障されていた。このような、《ウッドストック・ネーション》についての、むしろ楽観的な見方は、また別のものである。そのようなネーションならば、30歳以上の旧世代たちとも共存することができる。だが、大衆紙を読んでウッドストックを知っている多くの人たちは、オルタモントについては何も読ませてもらっていない。



 1969年12月6日の土曜日、真珠湾攻撃記念日の前夜〔真珠湾攻撃は日本では12月8 日になっているが米国では時差の関係で7日〕、バークレーの東方30マイル、なかば打ち棄てられたドラッグ・ストリップ〔ホット・ロッドのレースなどをやるため、デコボコのままにしてあるレース場〕の不毛の土地で、 ウッドストックの有名な神話が死んだ。それは、タイミングの悪い死であり、報道されない死であった。その最後のひと時、ウッドストック・ネーションの仮想の市民たち50万人以上が、その場にいたのだが、彼らの誕生を熱狂的に報道したマスコミは、こんどは、その死亡記事を載せざるをえなかったのである。

その出来事というのは、主催者たちによって“ウッドストック・ウェスト“と宣伝されていた、オルタモント・レース場におけるローリング・ストーンズのフリー・コンサートである。それが終ったあとに集計された不完全な被害者のリストは、次のようなものであった。
──死者4名。その内訳は、水たまりに落ちて溺死したもの1名、何者かの車によってひき逃げされたもの2名、そして、ヘルス・エンジェルスに殺されたもの1名。それは18歳の黒人の若者で、ミック・ジャガーが「悪魔を憐れむ歌」〔『ベガーズ・バンケット』に入っている曲〕を歌っているときに、ステージから7メートルのところで、数人の年か さのヘルス・エンジェルスの血祭りにあげられた。
──負傷者100名、彼らはヘルス・エンジェルスに頭を割られたり、肋骨をへし折られるなど、殴打され、暴行された。
──記録では700名、しかし推定では数千名が、麻薬による不快な悪酔いのため会場内で治療をうけた。
──ジェファスン・エアプレインのマーティ・バリンは、ステージで演奏中、殴打されて出血し、意識を失った。また、エイス・オブ・カップスのデニーズ・ジェークスは、妊娠6か月だったが、ステージの端に立って演奏を聞いていて、客席から投げつけられたビールのあきビンが頭に当たり、頭蓋骨骨折で入院した。


 
オルタモントがまき起こした強い衝撃の中で、ジェファスン・エアプレインやクロスビー・スティルス・ナッシュ&ヤングのような有名バンドは、ウッドストック・タイプの大規模なフェスティ・ハルでは二度と演奏しないと言明した。オルタモントの開催に協力したグレートフル・デッドは、何週間ものあいだ外部の人とは一切面会謝絶をしたほど、ひどく動揺した。ウッドストック神話を信じていた何千人もの人たちが、感覚的、いやむしろ肉体的に、この10年間のどの事件よりも大きなショックをうけた。ベイ・エリアのヒッピー、アンダーグラウンド、ラディカルのコミュニティ全体が、未曾有の試練にあい、しばらくはこの事件以外の話題を口にすることもできなかった。私の知っている何人かは、あの日のことをふと思い出すたびごとに、深刻な不安感におそわれつづけたといっている。バークレーを卒業したひとりの女性は、ステージでの暴行を目撃したのだが、その後、人が大勢集まっているところに近づくのをこわがるようになってしまった。

「ストーンズのコンサート、とどめを刺す──アメリカは今や略奪の時代に」……ベイ・エリアでもっとも広く読まれているアンダーグラウンド新聞『ザ・バークレー・トライブ』は、このような見出しを掲げた。ベイ・エリアのヒッビーたちにとって、オルタモントは終末の象徴だった。それは、ロックの反体制文化に基盤を置くラヴ・コミュニティの神話が、終末を迎えたことを意味する。

ウッドストックについてあれだけ夢中になって書き立てた『タイム』や『ニューズウィーク』は、ともにオルタモントについては何も書かなかった。ウッドストックのことを2号にわたって連載で大きく報道した『ニューズウィーク』は、オルタモントについては、3週間もあとになって、やっと触れた。それはヘルス・エンジェルスに関しては間違いだらけで、コンサートそのもののことはほとんど何も言ってなかった。ウッドストックの記事をマフィアの全国大会なみの重要な扱いにした『ニューョーク・タイムズ』は、オルタモントのことを日曜日のタ刊の短信の形で片づけた。これらの新聞・雑誌の編集者たちはオルタモントで起った殺人や暴行や惨劇の全貌を、当然聞いているものと推定されてしかるべきだろう。しかしながら、彼らがあおり立てたばかりのウッドストック神話が、あまりにも早く暴落することは、あきらかにマスコミの権威にかかわるものであり、彼らの歓迎しないところであったに違いない。


《魔法を信じろよ、そうすりゃ自由になれるぜ》
──ラヴィン・スプーンフル〔彼らのヒット曲「魔法を信じるかい?」から〕


バークレーからオルタモントまで、約50キロをいっしょに旅した、われわれ一行18名は、バークレー・ラディカルやロック狂などゴチャマゼ になっていたが、多かれ少なかれ友人であり同志であり、ピープルズ・パークの戦いをともに戦ったり、実体のないカウンター・コミュニティへの信頼をわかちあったりした仲間たちだった。

われわれがいっしょに旅したのは、ひとつには、食糧や交通の確保にそのほうが便利だからでもあったが、もうひとつの理由は、集合本能によるといえるだろう。というのは、何か予期せぬ出来ごとが起ったとき、友人がいたほうが心強いからだ。ロック・ラジォ局はこのフリー・コンサートを“ウツドストック・ウェスト”と呼んでいたが、すでに何かウッドストックとは違うという感じがしていた。ストーンズがアメリカ公演の最後に、サンフランシスコでフリー・コンサートをやりたがっているというウワサが流れはじめたとき、そのウワサの出どころの曖昧さが、すでにその出来ごとに混沌を持ちこんでいたといえるだろう。

しかし、やがてそのコンサートについて、話のくいちがいや混乱が起り始めた。あるロック・ラジォ局は、ストーンズからの確実な情報だとして、コンサートは12月6日、サンフランシスコで行なわれることに「確定」したと報じた。だがその翌日、あるサンフランシスコ市当局の人が、市当局に関する限りそのようなコンサートの開催の許可申請はまったく受けていないので、いかなるコンサートも行なわれないはずだ、と言明した。

予定日12月6日の3日前になって、ストーンズは、サンフランシスコ市の外にある、ソノマ郡のシアーズ・ポイント・レースウェイ(金門橋から北へ約80キロ)を確保したと発表、ラジオ局たちはレースウェイまでの道順案内を放送し始め、会場には人夫たちが入ってステージの作りつけにかかった。

ところが、そこで再び混乱が起った。レースウェイのオーナーであるロサンゼルスのフィルムウェイズ・コーポレーションが、ストーンズとの折衝は全然まとまっておらず、コンサートは中止になると声明。それをうけてストーンズ側は、準備は順調に進んでおりコンサートは開催される、と言い張った。ラジォ局によって言うことがくい違い始めた。なにしろ、時間が切迫しており、新聞記事では事態の急変を追い切れないので、ラジオが唯一の伝達源であった。

12月5日の正午、つまり、予定された開演時間のちょうど24時間前になって、コンサートはオルタモントで開かれることに変更したという公式の発表が出た。オルタモントはバークレーのずっと東、アラメダ郡の丘陵地にある、なかば放棄されて、あまり人の知らないレーシング・ストリップである。そうこうしているあいだ、シアーズ・ポイントでは、三日三晩もステージや化学便所やそのほかの諸設備の建設を急いで進めてきた何百人もの作業員たちが、あわてて取り壊し始め、すべてのものを100キロ南方のオルタモントに運んで組み立てなおすトッカン工事に、徹夜でとりかかった。


 
まったく気違い沙汰だった。われわれは金曜日〔5日〕の夜、バークレーに集まって、明日に備えてサンドウィッチを作ったり寝袋を巻いたりしながら、われわれ全員が、ラディカルだろうと単なるロック・ファンであろうとすべて、この気違い沙汰のギセイ者になりつつあることを知った。ラディカルのうちの何人かは、このコンサートがフリー(無料)ではなくて、ひとり7ドルずつの入場料をとられることを聞いて、ストーンズを「キャピタリスト・ピッグス」(資本家のブタ野郎)と罵倒した。ある女の子は、テレグラフ通りのレストランでコーヒーを飲みながら、「あんチキショウどもはこんどの 巡業で200万ドルも稼ぎやがったのよ。ミック・ジャガーったら、アビー・ホフマンがシカゴ・エイトのためにカンパしてくれって頼んだら、アビーの顔にツバを吐いたんだってサ」と、ののしった。でも、われわれはミックが歌う「ストリート・ファイティング・マン」を聞いて夢をみ、この歌の文旬のどうしようもない曖昧さもおかまいなしに、街頭での革命に想いをはせたものだった。

実際、われわれはいつもギセイ者だった。というのは、われわれの、“カウンター・コミュニティ” の中で、だんだんあとになるほど物事がうまく行かなくなったからだ。ビープルズ・パークの盛りあがりのあと、バークレーには、敗北と挫折の感覚がみなぎった。カリフォルニア大学のキャンパスでは、政治的ラディカルたちは、スプロール広場で歌ったり踊ったりしているハレ・クリシュナ教の信者たちにも対抗できなくなっていた。

文化戦線においても、事態はまったく同じだった。ワイルド・ウェスト・フュスティバ=ヒッピーの世界大会とロック・フェスティバルの結合を意図したもの=は、党派間の激しい内部抗争がロックの世界にまでひろがって行くなかでポシャってしまった。古くからの仲間たちは、たがいに汚い言葉でののしりあい、分裂のムードが重く淀んだ。新アメリカ革命の発祥の地・ハークレーは、1969年の秋~初冬には、国じゅうでももっとも平穏な場所となり、来たるべき変化を待っている形だった。

ストーンズは、何千何万の人たちを集め、たとえわずか1日にすぎないにしても、インスタントなコミュニティへと結びつけることによって、すべてを生き返らせ、かつてのバークレーをとりもどさせてくれるエネルギー源を与え、若返りの妙薬となるはずだった。金曜の夜、バークレーの大きな家に集まったとき、ある富豪がイギリスのパイド・パイパー〔笛の音で人びとを寄せ集めたという伝説上の人物〕と呼んだこの現実の出来ごとに、われわれ全員が奇妙な希望と幻想を賭けていた。

われわれのグルーブのひとりが、オルタモントがサンタ・リタとわずか数キロの距離であることを発見し、驚喜した。サンタ・リタには監獄があって、バークレーのピープルズ・パークの戦闘のときアラメダ郡警察の代理シェリフたちに逮捕され暴行された数百人の人たちが投獄されているのだ。少々おっちょこちょいなバークレーの活動家のひとりが、「コンサートが終ったら全員でサンタ・リタまで行進して、投獄者をみんな釈放するように要求しようじゃないか」といった。そして何分かのあいだ、われわれは、何十万人ものロック狂が監獄をとり囲んで「逮捕者を釈放せよ!」とシュプレヒコールしているありさまを幻想した。



午前1時、われわれは、サンドウィッチを包み、寝袋を巻き、幻想を胸にたたんで、大きな白いライトバンのレンタカーに乗り込んだ。そしてオルタモントに向って出発した。誰も道を知らなかったが、地図はいらなかった。ただ高速道路に出て、交通の流れにしたがえばよかった。

午前3時、会場に着き、ロック・ジャーナリスト、マィケル・ライドンのものであるローリング・ストーン・コンサート・ツアーのバッジのおかげで、それほど厳重でもない警備を通りぬけ、ステージ裏にもぐり込んで、寝袋をひっぱり出し、ねぼけまなこをこすりこすり、そこへもぐり込んだ。

あたりの風景は、不気味なまでに美しかった。頭の上には暗い空に薄い銀色の三日月が浮かび、光といったら、ふたつの高いやぐらの頂上からレース場の外にむけて投げかけられている強力なスポット・ライトだけ。スリバチ型の谷がステージのうしろになだらかなスロープを広びろと展開しているのが、ボンヤリと見えた。反対側には、捨てられた車の残骸が、よじれ、つぶれて、何百となく積み上げられていた。スリバチの底は、荒あらしく醜い様相を呈し、車の跡だらけのレース・トラックが、無秩序に走りまわっていた。黄色い光の中で、それは砂漠の中の軍隊駐屯地のようにみえた。谷底の一番低くなったところに、もうステージは完成しており、最後の仕上げがガムシャラに遂行されていた。ステージをまるく取り巻いて、骸骨のような形をした高さ20、30メートルのヤグラ5基が、組み立て中だった。ステージの前方には、約2000人の人たちが、寝袋や毛布をギッシリと敷きつめるようにして、ひろがっていた。

ねむれない人、ねむりたくない人たちは、数人ずつかたまってステージの傍に立ったり、熱いコーヒーを飲みに売店に行ったり、彼らのまわりに生まれつつある一見自然に生じたかのような建造物を驚嘆の目で眺めたりしていた。作業員たちは、ジャングル・ジムで遊ぶ猿、といった様子で、ヤグラをよじのぼっていた。丘を800メートルほど上ったところでは、何百という移動式化学便所がトラックからおろされていた。

責任者なんて、いるように見えなかった。

でもわれわれは知っていた。ありえないことのようではあるが、この混沌の中から、すべてが生まれてくるということを。その日の朝、われわれが目撃したように、歌わない、顔のないロック・シーンの神々──ステージ・マネージャーや電気技術者たちが、たった数人の演奏するロックを、音楽から巨大な大衆の祭儀にまで転換するという奇蹟を行なうであろうことを──。


コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

19-Jun-2021 Top 20 Hits

2021-06-19 17:27:22 | Weekly Top 15
1. ← 2. 5 Max Gazzè / Il farmacista (2021 - La matematica dei rami)
2. ← 1. 5 Mdou Moctar / Afrique victime (2021 - Afrique victime)
3. ← 4. 4 Bachelor / Stay in the Car (2021 - Doomin' Sun)
4. ← 3. 4 Lord Huron / Long Lost (2021 - Long Lost)
5. ← 9. 3 Sharon Van Etten & Angel Olsen / Like I Used to (2021 - Single)
6. ← 11. 3 Wesley Gonzalez & Rose Elinor Dougall / Greater Expectations (2021 - Single)
7. ← 6. 9 Kirin J Callinan / Dumb Enough (2021 - Single)
8. ← 16. 2 Klô Pelgag / À l'ombre des cyprès (2020 - Notre-Dame-des-Sept-Douleurs)
9. ← 14. 2 King Gizzard & the Lizard Wizard / Yours (2021 - Butterfly 3000)
10. ← 5. 7 Bruno Pernadas / Step Out of the Light (2021 - Private Reasons)
11. ← 10. 6 Jessie Ware / Please (2021 - What's Your Pleasure?: Platinum Edition)
12. ← 7. 7 Olivia Rodrigo / Drivers License (2021 - Sour)
13. ← 8. 5 Okkervil River / In a Light (2021 - Single)
14. ← 19. 2 Bruno Pernadas / Theme Vision (2021 - Single)



15. NEW 1 Deafheaven / Great Mass of Color (2021 - Infinite Granite)



16. NEW 1 Jungle / Keep Moving (2021 - Loving in Stereo)
17. ← 20. 2 Teenage Sequence / All This Art (2021 - Single)



18. NEW 1 John Grant / Billy (2021 - Boy from Michigan)
19. ← 13. 6 Aly & AJ / Symptom of Your Touch (2021 - A Touch of the Beat Gets You Up on Your Feet Gets You Out and Then Into the Sun)
20. ← 17. 3 Bill Laurance / Cables Rewired (feat. the Untold Orchestra) (2021 - EP)


コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

2012 ─ 75 Best Songs

2021-06-16 17:21:38 | Year End Charts
75) Ice Choir / I Want You Now and Always
74) Spoek Mathambo / Let Them Talk (feat. Yolanda)
73) Todd Terje / Swing Star, Pt. 1
72) Spiritualized / Little Girl
71) Twin Shadow / Five Seconds
70) The Avett Brothers / The Once and Future Carpenter
69) Grizzly Bear / Sleeping Ute
68) Beach House / Lazuli
67) Metric / Speed the Collapse
66) Pop. 1280 / Bodies in the Dunes
65) Stars / Hold On When You Get Love and Let Go When You Give It
64) Miguel / Do You...
63) Calexico / Para


62) Death Grips / @deathgripz
61) Niki & the Dove / Tomorrow
60) Dr. John / Revolution
59) Bobby Womack / Please Forgive My Heart
58) Bruce Springsteen / Jack of All Trades
57) Halls / White Chalk
56) Bonnie Raitt / Right Down the Line
55) Dirty Projectors / Gun Has No Trigger
54) MS/MR / Hurricane
53) Cat Power / Ruin
52) Hot Chip / Let Me Be Him
51) Charli XCX / You're the One
50) Elite Gymnastics / Andreja 4-Ever
49) Sky Ferreira / Everything Is Embarrassing
48) Roxy Music / Love Is the Drug (Todd Terje Disco Dub)
47) Frank Ocean / Sweet Life
46) Georgia Anne Muldrow & Madlib / Seeds
45) Bob Mould / The Descent
44) Daughn Gibson / Tiffany Lou
43) Jessie Ware / Wildest Moments


42) Bat for Lashes / Marilyn
41) Metronomy / The Look (2011)
40) Alice Smith / Cabaret
39) Ty Segall Band / I Bought My Eyes
38) Rudi Zygadlo / Melpomene
37) TEEN / Better
36) Jack White / Sixteen Saltines
35) Liz & László / Rien à Paris
34) First Aid Kit / Emmylou


33) Jai Paul / jasmine (demo)
32) Raphael Saadiq / Good Man (2011)
31) The Babies / Moonlight Mile
30) Ariel Pink's Haunted Graffiti / Only in My Dreams
29) Dawes / That Western Skyline (2009)
28) Breakbot / Baby I'm Yours (feat. Irfane)
27) Bon Iver / Holocene (2011)
26) Lambchop / Buttons
25) Tame Impala / Elephant
24) Lykke Li / Silver Springs
23) Fucked Up / Year of the Tiger
22) The Men / Open Your Heart
21) Mavis Staples / You Are Not Alone (2010)
20) Burial / Loner
19) Ryan Bingham / Heart of Rhythm
18) Electric Guest / Amber
17) Fitz & the Tantrums / MoneyGrabber (2010)
16) Tilly and the Wall / Youth
15) The Belle Brigade / Losers (2011)
14) Delicate Steve / Wally Wilder
13) iamamiwhoami / Goods
12) Sharon Jones & the Dap-Kings / The Game Gets Old (2010)
11) Panda Bear / Last Night at the Jetty (2011)
10) Hot Chip / Motion Sickness


9) Die Antwoord / Enter the Ninja (2010)
8) Grizzly Bear / Yet Again
7) Sandro Perri / Changes (2011)
6) Simone Felice / New York Times
5) Frank Ocean / Pyramids
4) Disappears / Replicate
3) Bat for Lashes / Laura
2) Tame Impala / Apocalypse Dreams
1) Hammers of Misfortune / The Grain (2011)


コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

12-Jun-2021 Top 20 Hits

2021-06-12 18:12:25 | Weekly Top 15
1. ← 1. 4 Mdou Moctar / Afrique victime (2021 - Afrique victime)
2. ← 2. 4 Max Gazzè / Il farmacista (2021 - La matematica dei rami)
3. ← 7. 3 Lord Huron / Long Lost (2021 - Long Lost)
4. ← 12. 3 Bachelor / Stay in the Car (2021 - Doomin' Sun)
5. ← 3. 6 Bruno Pernadas / Step Out of the Light (2021 - Private Reasons)
6. ← 6. 8 Kirin J Callinan / Dumb Enough (2021 - Single)
7. ← 9. 6 Olivia Rodrigo / Drivers License (2021 - Sour)
8. ← 5. 4 Okkervil River / In a Light (2021 - Single)
9. ← 15. 2 Sharon Van Etten & Angel Olsen / Like I Used to (2021 - Single)
10. ← 13. 5 Jessie Ware / Please (2021 - What's Your Pleasure?: Platinum Edition)
11. ← 18. 2 Wesley Gonzalez & Rose Elinor Dougall / Greater Expectations (2021 - Single)
12. ← 4. 8 C. Tangana / Tú me dejaste de querer (feat. La Húngara & Niño de Elche) (2021 - El madrileño)
13. ← 10. 5 Aly & AJ / Symptom of Your Touch (2021 - A Touch of the Beat Gets You Up on Your Feet Gets You Out and Then Into the Sun)



14. NEW 1 King Gizzard & the Lizard Wizard / Yours (2021 - Butterfly 3000)
15. ← 8. 10 Benjamin Biolay / Comment est ta peine ? (2020 - Grand Prix)



16. NEW 1 Klô Pelgag / À l'ombre des cyprès (2020 - Notre-Dame-des-Sept-Douleurs)
17. ← 19. 2 Bill Laurance / Cables Rewired (feat. the Untold Orchestra) (2021 - EP)
18. ← 11. 8 Bitter Ruin / Brother (2021 - Single)



19. NEW 1 Bruno Pernadas / Theme Vision (2021 - Single)



20. NEW 1 Teenage Sequence / All This Art (2021 - Single)


コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

5-Jun-2021 Top 20 Hits

2021-06-05 19:08:10 | Weekly Top 15
1. ← 1. 3 Mdou Moctar / Afrique victime (2021 - Afrique victime)
2. ← 3. 3 Max Gazzè / Il farmacista (2021 - La matematica dei rami)
3. ← 2. 5 Bruno Pernadas / Step Out of the Light (2021 - Private Reasons)
4. ← 4. 7 C. Tangana / Tú me dejaste de querer (feat. La Húngara & Niño de Elche) (2021 - El madrileño)
5. ← 7. 3 Okkervil River / In a Light (2021 - Single)
6. ← 6. 7 Kirin J Callinan / Dumb Enough (2021 - Single)
7. ← 14. 2 Lord Huron / Long Lost (2021 - Long Lost)
8. ← 5. 9 Benjamin Biolay / Comment est ta peine ? (2020 - Grand Prix)
9. ← 10. 5 Olivia Rodrigo / Drivers License (2021 - Sour)
10. ← 12. 4 Aly & AJ / Symptom of Your Touch (2021 - A Touch of the Beat Gets You Up on Your Feet Gets You Out and Then Into the Sun)
11. ← 9. 7 Bitter Ruin / Brother (2021 - Single)
12. ← 15. 2 Bachelor / Stay in the Car (2021 - Doomin' Sun)
13. ← 11. 4 Jessie Ware / Please (2021 - What's Your Pleasure?: Platinum Edition)
14. ← 8. 9 AFI / Far Too Near (2021 - Bodies)



15. NEW 1 Sharon Van Etten & Angel Olsen / Like I Used to (2021 - Single)
16. ← 16. 5 serpentwithfeet / Fellowship (2021 - Deacon)
17. ← 13. 11 Genesis Owusu / The Other Black Dog (2021 - Sminling with No Teeth)



18. NEW 1 Wesley Gonzalez & Rose Elinor Dougall / Greater Expectations (2021 - Single)



19. NEW 1 Bill Laurance / Cables Rewired (feat. the Untold Orchestra) (2021 - EP)
20. ← 20. 2 Chelsea Wolfe / Diana (2021 - Dark Nights: Death Metal Soundtrack)


コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

えろしー / 柘榴(ざくろ)

2021-06-03 19:12:31 | 書肆(しょし)マガジンひとり
2年前に恋人と別れてから職場と自宅アパートを往復するだけの自暴自棄な日々を送っていた一平のもとに転がり込んできた謎めいた女ユキ。天真爛漫な性格と美貌・性的魅力のため、ユキと関係を持った男は彼女を手元に置こうとするのだが、ある理由から長続きせず、男から男へとあてなく渡り歩いているのだという…。



人物造形の確かさとフェミニンな性描写で独特な創作世界を切り拓くえろしーさんの待望の4作目。A5判60ページ・本文白黒・書店900円+税・イベント800円。紙本発行:2021年6月(COMITIA136)。コミティアの配置【せ01b・書肆マガジンひとり】となり、もう一つの新刊ふとしSLIMさん『マッサージ』と合せ伸長に関する考察さんの【さ06b・GIRLS RESIDENCE】にも委託します。なおえろしーさん・ふとしSLIMさんは遠方のため来場されません。本作の電子書籍は6月6日からFANZA・DLsite・BOOTHで販売予定です。

🚚アマゾン https://www.amazon.co.jp/gp/product/4910097066/
📚BOOTH https://magazine-hitori.booth.pm/items/3015038
🐯とらのあな https://ec.toranoana.jp/joshi_r/ec/item/040030912040/


コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする