Sakana no Sanaka

沖縄本島テキスト系ダイバーの一考察

風情と趣(オシャレカクレエビ)

2018-06-29 19:27:58 | エビ・カニ類

灼熱~、そしてスコール、また灼熱~、そしてまたスコール…。

という感じだった本日のやんばるです。

雨の直後だけは涼しかったです。

台風7号が発生しました。今の予報では、日曜日に沖縄島に最も近づくようです。

暴風域にも入りそうな…。

風は弱い南東。晴れ一時雨。

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「胸中洒落にして 光風清月の如し」

これは、中国の北宋末期の説話集『大宋宣和遺事(だいそうせんないじ)』のなかの一文です。

この『大宋宣和遺事』は、中国三大奇書の一つ『水滸伝』の素材となったものなのだそう。

で、冒頭の文章の意味は、「心に何のわだかまりもなく、何事にも執着しない様子」なんだとか。

「胸中洒落…」の『洒落』は『しゃらく』と読みますが、僕らはこの漢字を『しゃれ』と読みますよね。

実は『しゃれ』は、この『洒落』と意味や音が似ているため、江戸時代前期から『しゃれ』に『洒落』の漢字が当てられるようになったのだとか。

『しゃれ』の語源は、『晒れ(され)』あるいは『戯れ(され)』が転じたものなのだそう。

『晒れ』は、長い間日光や雨風に当たって色が落ちて白くなること。

これが『洒落』と意味が似ているということなのでしょうか。

『戯れ』は、ふざける、たわむれるという意味と、風情がある趣があるという意味があるのだそう。

『戯れること』は機転が利き気が利くことから、垢抜けていることでもあり、これを由来として『お洒落』という言葉へと繋がっていくようです。

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さて…

〈テナガエビ科ホンカクレエビ属オシャレカクレエビ Periclimenes platycheles 18年5月22日 沖縄島安和〉

お洒落とは、化粧や服装に気を配り、美しく装うこと。

だそうですが、ほとんど透明ですよね…。

因みに画像はお食事中です。

 

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官位の色(アカエリサンゴガニ)

2018-06-25 19:14:10 | エビ・カニ類

梅雨明けと共に灼熱~な感じになってますやんばるです。

昨日まで強く吹いていたカーチバイ(夏至南風)も、今日は段段と弱まってきました。

明日以降、風向も風速も真夏な感じ。

もちろん気温も真夏日続きの予報で、さらに灼熱~な日々が続きそうです。

水温もグングン上がってます。

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『赤襟』という言葉からどんなイメージが浮かびます?

例えば夏目漱石の『坊ちゃん』とか? 登場人物に『赤シャツ』がいるじゃないですか。シャツが赤いのだからその襟も赤いはず、とか思ってみたり…。

まあそんな遠回りなイメージじゃなくても、『赤襟』という言葉には赤い襟というそのままの意味の他に別の意味があるのだとか。

それは年の若い芸妓、半玉のこと。京都なら舞妓さんのこと。

舞妓さんは着物に赤い半襟をかけるからなのだそう。そして芸妓へのお披露目のときに白襟に変えるのだとか。これを襟替えと称するのだそうです。

またこの赤襟のルーツを追いかけたりすると、『赤裏襟返し』という言葉に繋がったりします。

これは京都島原の芸妓の最高位にあたる太夫が、長襦袢の襟の一部を返して、襟裏の赤が見えるようにした着付けのことです。

島原太夫は、かつて天皇への謁見も許されていた大名並みの高い官位で、宮中では高貴な身分の女性にしか許されていない緋袴の着用も許されていた『正五位』を賜っていたのだだとか。

しかし太夫は袴を履きませんので、襟の裏に緋色を使い、裏返して見せて公式の装いに代えていたのだそう。

一説によると、それによって御所の門を通るときに位が分かるようにしたのだそうです。

『赤襟』は花街に繋がる言葉だと知ると、何だか艶やかな言葉に思えたりもします。

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さて…

〈サンゴガニ科サンゴガニ属アカエリサンゴガニ Trapezia guttata 18年5月22日 沖縄島安和〉

学名種小名は『斑点のある』の意。

歩脚に散在する赤褐色の斑点のことでしょうか。

甲の前縁の赤(赤襟)だけでなく、はさみ脚や歩脚の模様も綺麗なカニです。

 

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ちょっと残念な進化?(パンダダルマハゼ)

2018-06-22 19:28:00 | ハゼ科

ここ何日か南寄りの強い風が吹き続けてますやんばるです。

カーチバイ(夏至南風)と呼ばれる風で、梅雨の終わりに吹く風なので梅雨明けが秒読み段階に入っているのでしょう。

といっても、ここ数日雨らしい雨に出会ってませんので、僕的にはもう明けているのではないかと思えたり…。

風は強めの南~南西。晴れ。

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つい先日某アイドルグループの総選挙の結果が発表されたのだとか。

テレビで放送とかもされたのでしょうか。テレビがないのでよく解りませんが…。

それより少し前、今年の子どもの日に、『こどもの本総選挙』というブックランキングが発表されました。

これは12万人以上の小学生が投票したランキング結果なのだそうです。

ある意味、本当に優れた児童図書ランキングという気もしますが。何せ対象の読者が直接選んでいるわけですから。

夏休みの読書感想文なんかも、このランキングの本を対象本にすればいいのに…とか思えたり。

あの感想文の宿題が、とても面倒臭かった記憶が色濃く残っていたりするのですよねぇ…。

まあそれはともかく、一位に選ばれた本は、『ざんねんないきもの事典』という本でした。

タイトルの通り動物のちょっと残念な進化、というかちょっとお間抜けなポイントが、イラストと文章で紹介されるという本です。

この本、僕は以前から知ってましたが、この本が紹介されるときに必ずといっていいくらい取り上げられる動物がパンダ。

それは、『パンダが一日中食べ続けているササの葉にはじつはほとんど栄養がない』という章。

パンダはクマの仲間ですから、そもそもは雑食性で肉や果物も食べられるのですが、生存競争に負けてササくらいしか生えない高山で暮らすことになったというもの。その結果、消化の悪いササを一日かけて大量に食べなければなくなったのだとか。

これはつまりパンダの生存戦略なのでしょうけど、このように言われると、確かに残念に思えてしまいますね。

動物たちの特徴がとても分かりやすくて、小学生じゃなくても面白い本です。

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さて…

〈ハゼ科ハゼ亜科ダルマハゼ属パンダダルマハゼ Paragobiodon lacunicolus 18年5月22日 沖縄島安和〉

ハナヤサイサンゴ属の狭い枝間を住処にする本種。

学名種小名も『隙間に住む』の意ですが、そうなったのも実はちょっと残念な進化の結果、とかだったりするのでしょうか。

〈同種同個体 同日 同ポイント〉

僕にはペアで居心地良さそうに見えますけど…。

 

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八人の英国人(オキナワベニハゼ)

2018-06-18 19:12:46 | ハゼ科

雨の予報だったはずなのですが、見事に外れて日差したっぷりだった本日のやんばるです。

まあ、こういう外れ方は大歓迎ですが。

週間予報によると、今週は曇ときどき雨の一週間だそうですが、今日みたいな日が続けばいいのになぁ…。

風は南。晴れときどき曇。

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沖縄がまだ琉球国の頃、島の南の海でイギリスの船が遭難しました。そして乗組員のうちの8人が海岸に流れ着きます。島に上陸した彼らは洞窟を見つけ、そこでしばらく過ごすことにしました。するとそこに島の人々がやってきて、彼らと仲良くなりました。そして結局その8人はイギリスに帰ることなく、島に住み着くとになりました。

八人のイギリス人男性が住み着いたその地区のことは、英語で『eight man (エイトメン)』と呼ばれるようになりました。そして後にそれが、『イトマン』に変化したのだそうです。

とまあこれは、沖縄島南部の『糸満市』の地名の由来です。

もちろん事実かどうかは不明ですが、糸満市にはこのイギリス人たちが住んでいたという『ドンドンガマ』という洞窟があるのだとか。

この『ドンドン』は、『ロンドン』が変化したものなのだそう。するとこのイギリス人たちはロンドン出身だったのでしょうか。

1967年発行の沖縄のガイドブックにはこのことが記載されていたそうです。きっと昔から伝えられている説なのでしょうね。

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さて…

〈ハゼ科ハゼ亜科ベニハゼ属オキナワベニハゼ Trimma okinawae 18年5月17日 沖縄島安和〉

まだ幼い個体。

学名種小名は『沖縄島の』の意。

タイプ産地が琉球列島沖縄島の糸満であることから。

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実は『イトマン』の由来はもう一つありまして…。

エジプト遠征中のナポレオン・ボナパルトが地中海でサバニに乗った漁師を発見し、「あれは何か?」と部下に問うたところ、「あれは East Man (イーストマン)でございます」と答えたのだとか。

それが変化して『イトマン』になったというもの。

つまりそのサバニの漁師は糸満から地中海に漁に行っていたという説。

こちらは何かスケールの大きさを感じる説ですね。

 

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tiger cub(トラノコイソハゼ)

2018-06-15 16:49:38 | ハゼ科

雨が降り続いてますやんばるです。

梅雨の後半特有の、断続的な激しい雨。

そして本日台風6号が発生しました。

予報によると、暴風域は伴わないようですが、明日の日中に沖縄島の西側海上を通過していきそうです。

風は南東のち南西。雨、ときに激しく。

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『スーパーカブ』と聞いて、「何それ?」という方はたぶんいないでしょう。

もちろんホンダのモーターサイクル、すなわちオートバイのことです。

1958年に生産が開始され、シリーズ累計生産台数が1億台を越えるという、イタリアの『ベスパ』と並ぶ世界的ロングセラーのバイクです。

僕もかなり以前に乗ってました。

その名前の『カブ』は、熊や虎などの猛獣の子供を意味する英語の『cub』に由来しているのだとか。

熊の子ならば "a bear cub" 、虎の子ならば "a tiger cub" というのだそう。

ところで『虎の子』という言葉には、『大切に持ち続けて手放さないもの。秘蔵の金品』という意味もあります。

『虎の子のへそくり』とか、『虎の子の財布』なんて使い方をするのだそう。

虎は自分の子を大事に守り、非常にかわいがって育てるといわれていることから、このような言葉が生まれたのだとか。

虎は雌のみで子育てをしますが、子供は生まれて2週間は目が見えず、その間母親は子供から離れないのだそう。

それからも1年半は母親と共に生活し、獲物の狩り方や食べ方を教わるのだとか。

そしてさらに、二才半までは母親の行動圏で共に暮らし、それから自分の行動圏を確保するために旅立つのだそう。

確かに、手厚く育てられているように思えますね。

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さて…

〈ハゼ科ハゼ亜科イソハゼ属トラノコイソハゼ Eviota fasciola 18年5月17日 沖縄島安和〉

画像は幼魚。

学名種小名は『小さな帯』の意。

頭部から尾丙部まで並ぶたくさんの赤褐色横帯のことでしょうか。

 

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たわわに実る(アカヘビギンポ)

2018-06-11 18:40:54 | ヘビギンポ科

後半雨交じりになった本日のやんばるです。

台風五号は存在感のないまま、あっという間に過ぎ去っていったという感でした。

強風域に入ってたのかどうかも、何かよく解らなかったなぁ…。

風は西のち北西。曇のち雨。

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黒、白、青、赤。この四色の共通点って解りますか。

この四つは、古代からある色を表す大和言葉なのだそう。その特徴は、ひらがなの『い』を語尾に直接つけられること。

つまり、黒い、白い、青い、赤い、という感じ。例えば黄ならば『黄色い』とは言っても『黄い』とは言わないでしょう。

大和言葉では、たわわに実り熟した状態の色を『あか』と表現してのだとか。

『明るい』の『あか』も同一の語源で、漢字をあてるときに色を表すときは『赤』と、光の状態を表すときは『明』としたよう。

また『明』の字からも分かるように『赤』も、『明確な』や『全くの』といった意味を持つ言葉なのだそう。

例えば『真っ赤な嘘』や『赤の他人』や『赤裸々』なんていう言葉に赤という色が使われているのは、こういう意味からなのだとか。

単純な言葉もあらためて考えると結構奥深かったり…。

他の三色についてはまた別の機会にということで。

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さて…

〈ヘビギンポ科ヘビギンポ属アカヘビギンポ Enneapterygius phoenicosoma 18年5月8日 沖縄島崎山〉

画像は幼魚。

だから『あか』ですが、まだ熟してはいませんね…。

 

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美しき赤色巨星(ワモンクモヒトデ)

2018-06-08 19:55:19 | 水中生物

陽光たっぷり、真夏日ですが心地よい風が吹いていた本日のやんばるです。

台風五号が接近するようです。

今のところ大東島の東側を北上していきそうな予報です。

明日中には強風域に入りそうな感じですが、今日のところは気持ちのいい凪でした。

風は東。晴天。

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北斗七星と共に春の夜空の頭上高くに見える星座に『りょうけん座』があります。

この星座、元々おおくま座の一部だったのですが、1687年頃に新しく設定されたのだとか。

星座って分割されることがあるんだ…ということに驚き、さらに1687年が新しいという天文学的感覚にも驚いたり。

アステリオンとカーラという二匹の猟犬を表す星座なのだそうですが、新しい星座なので神話を持たないのだとか。そういう星座もあるのですね。

この星座を構成する主な天体の中に、『りょうけん座Y星』という恒星があります。

半規則型変光星で、つまり周期的に光度が変化する恒星で、160日周期で変光しているのだそう。

この星は全天で最も赤く見える星の一つでもあります。

それはこの星が、寿命が近づいている赤色巨星だからなのだとか。

この星は『ラ・スパーバ(La Superba)』という固有名を持っています。

19世紀イタリアの天文学者が、この星の美しさに感激し、『壮麗なもの』を意味するこの名前をつけたのだそうです。

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さて…

〈Ophiolepidinae科Ophiolepis属ワモンクモヒトデ Ophiolepis superba 18年4月23日 沖縄島安和〉

美しい赤色巨星と同じ名前を持つクモヒトデです。

壮麗さを感じるかといわれれば……。

どうでしょう。感じます?

 

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将門を倒した男(ヒャクメウミウシ)

2018-06-04 19:59:49 | ウミウシ

週末の雨を引きずる感じで、前半とくに雨交じりだった本日のやんばるです。

まあ明日からは心地よい晴れ空が戻りそうですが。

そして南からの風で暑くなりそうです。

風は南東~南。雨のち曇。

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時は平安時代中期の関東。第五十代桓武天皇の五世子孫にあたる豪族がおりました。

平氏一門の抗争から関東諸国を巻き込む争いへと進む中で、その豪族はなんだかんだで『新皇』を自称することになり、東国独立を標榜し、時の朝廷と朱雀天皇に対して内乱を起こすことになりました。

結果として、即位二ヶ月で敢えなく討伐されることになるこの豪族の名は平将門。この内乱は世にいう『将門の乱』でございます。

で、以後将門は『ザ・怨霊』みたいなキャラクターとして、伝奇小説や映画などでラスボスとして君臨し続けることになるわけです。まあ、これは僕の勝手なイメージですけど。

ともかく将門をこんなキャラにした切っ掛けを作ったのが、平貞盛と共に将門を討伐した藤原藤太秀郷、別名俵藤太という人物。

奥州藤原氏の祖先である彼は、龍神の助けで将門の弱点を見破り、討ち取ることが出来たのだそう。

なぜ彼が龍神の助けを借りられたのかといいますと、以前に彼が琵琶湖に住む龍神一族の娘に頼まれて、大百足を退治したからなのだとか。まあ、もちろん伝説ですが。

また栃木県宇都宮市には、藤原藤太秀郷が『百目鬼』と呼ばれる鬼を退治したとする伝承もあるのだとか。

あちらこちらで怪物を退治していた人だったのでしょうか。

しかも、『百』がつく怪物に縁がある人だったようですね。

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さて…

〈イロウミウシ科Goniobranchus属ヒャクメウミウシ Goniobranchus sp. 18年4月23日 沖縄島安和〉

『百目海牛』と漢字で書くと、俵藤太に退治されてしまいそうに思えたり…。

 

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丸い星(クロホシハゼ)

2018-06-01 18:09:25 | ハゼ科

一日中雨交じりだった本日のやんばるです。

やっと梅雨を感じられました。

数日は、沖縄近辺に梅雨前線が停滞しそうです。

風は北東。雨が降ったり止んだり。

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大相撲の対戦成績表のことを、『星取表』というのだとか。

勝敗と対戦相手を一覧にしたもので、本場所終了後に作成・発行され、翌場所の番付編成の基準にされるのだそう。

現存する最古の『星取表』は1761年のものだとかで、すると少なくとも257年前から使われていたということですね。

『星取表』というくらいですから、そこには星が書き込まれています。

つまり、勝ちを白丸で、負けを黒丸で表し、それぞれ白星・黒星と呼んだわけです。

何故勝ちが白で負けが黒なのかは、一説によると土俵上で負けると汚れるからだとか。つまり土がついて。

まあ、他にも諸説あるようですが。

星といわれてイメージするのは星型多角形ですよね。所謂五芒星というやつ。

星型多角形は定義的には、多角形の各辺を延長して得られた交点を結んだ図形のことをいうのだそうですが、五芒星はざっくりいうと五角形に三角形が五つくっついたやつですね。

でも『星取表』の白星・黒星は丸型。これはどうも星を表す星型記号は西洋から伝来したもので、それ以前は日本では星の形は丸と考えられていたのだそう。

まあ、実際に夜空の星は丸、というか点にしか見えませんから、感覚的には丸型のほうがしっくりくると思えたりもします。

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さて…

〈ハゼ科ハゼ亜科イトヒキハゼ属クロホシハゼ Cryptocentrus nigrocellatus 18年4月19日 沖縄島安和〉

クマドリテッポウエビと共生中。

鰓蓋に大きな1黒色円形斑があり、これが和名の由来でしょうか。

日本風の丸型の星ですね。

学名種小名は、『黒い小さな目のある』の意。

するとこちらは鰓蓋の黒色斑ではないのでしょうか。

体側あるいは背面に並ぶ黒色斑点のことでしょうか。

どちらにしても黒星が並んでますから、負け越してるなぁ…とか思えたり。

 

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