Sakana no Sanaka

沖縄本島テキスト系ダイバーの一考察

鋭い…(シマキンチャクフグ)

2016-03-29 18:07:47 | フグ科

降水確率0パーセントで、陽光が鋭かった本日のやんばるです。

南寄りの風は乾いていて心地よかったり。

太陽がサンサンだったので、久しぶりにウエットスーツで潜ってみたり、久しぶりに日焼け止めをベッタリ塗ってみたり…。

風向よろしく海も凪。

水深数十センチからマッタリと楽しめました。

風は南東。晴天。

〈フグ科キタマクラ属シマキンチャクフグ Canthigaster valentini 16年2月25日 沖縄島湾奥〉

ノコギリハギが擬態するモデルとして有名な本種。ベーツ型擬態ですね。

ベーツ型擬態という言葉は、今までにこのブログで何度も出てきてますが、まずはおさらいを…。

ベーツ型擬態とは、有毒・有害な生物の外見に似せることで、捕食を回避するという擬態。

キンチャクフグとノコギリハギの場合なら、キンチャクフグは有毒ですが、ノコギリハギは無毒です。

キンチャクフグを食べようとした捕食者は、その毒で強烈なダメージを被ります。そして、以後キンチャクフグを食べようとしなくなる。

その捕食者は、同時にキンチャクフグに似たノコギリハギも食べなくなる…という感じの解説が、あちこちの海辺でされている(と思う)のですが…。

少し疑問が……。

捕食者は、死んではいけないわけです。死なないけれど、二度と食べようとは思わないほどのダメージは受けないといけないわけです。

キンチャクフグの毒って、そんなに都合がいい強さなのでしょうか。

あと、一匹の捕食者が学習しても、それが仲間に伝わっていくわけではないですよね。ましてや捕食者は一種ではないでしょうから、種をまたいで伝わることなんて、さらにありそうにないと思えるのですが。

すると相当な個体数の捕食者に食べられそうにならなければいけないのでは。そんな種をモデルに擬態することが本当に有効なのでしょうか。

ベーツ型擬態を否定したいわけではないのですが、何かもっと別の理由もあるように思えて…。

例えば、遺伝形質。

遺伝形質とは、教育や体験によらず、親から子へと自動的に伝わる性質。

仮に、キンチャクフグを食べようとした捕食者は、ほとんど死んでしまうとしましょう。でもあの形や色・模様、その他の雰囲気でも何でもいいのですが、好みに合わなくて食べない捕食者がいたりして…。

その個体の性質が、子に孫にと伝わっていったとしましょう。

すると結果として、キンチャクフグを食べる捕食者は淘汰され(死んじゃいますから)、食べない捕食者が増えていくことになりますよね。

それなら擬態は有効ではないでしょうか。

繰り返しますが、ベーツ型擬態を否定したいわけではありません。

というのも、食べようとして死にかけたという捕食者の恐怖=後天的記憶は、エピジェネティクスという現象により、子や孫に伝わるのだそうです。つまりそういう体験をした捕食者の子孫には有効ということになります。

また、キンチャクフグの毒は皮下に集中していて、表皮から毒を分泌することもあるそうですから、捕食者に学習させるときの危険度が、キンチャクフグにとってはそんなに高くないのかも…とか思ったりもするのです。

 

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花冷え…(キリンミノ)

2016-03-25 18:40:19 | フサカサゴ科

全国的に花冷えになっているようですが、やんばるもムドゥイビーサ(寒の戻り)になってます。

このまま終末も寒~い日が続きそう…。

これがワカリビーサ(最後の寒さ)になればいいのですが…。

風は北東。雨のち曇。

〈フサカサゴ科ヒメヤマノカミ属キリンミノ Dendorochirus zebra 16年3月1日 沖縄島安和〉

動物園では、キリンとシマウマを同じエリアで飼育しているところが多いのだそうです。

アフリカのサバンナではありがちな光景だからだとか。

生態を再現しているということでしょうか。

あるいは、キリンは遠目がきくので、シマウマのほうは近くにいると安心するのだという話も…。

その真偽はよくわかりませんが、キリンとシマウマは近しい関係なのでしょう。

で、本種。和名にはキリン、学名にはシマウマ(zebra)。

学名がシマウマなのですから、和名もシマウマミノではだめだったのでしょうか。

まあそもそもキリンっぽくもシマウマっぽくもないような感じもしますが…。

あとキリンなのにシマウマってところから、シマウマの仲間みたいなのに実はキリンの仲間というオカピが浮かんだりして。逆パターンですけど。

どんどん離れていく…。

オカピの分布域は、コンゴ民主共和国。

ゼブラは、もともとシマウマのコンゴでの名称だったり。

あ、少し戻ってきた…。

ところで、画像の横顔だけを見ているとネッタイミノカサゴにも見えたり。

と、撮りながら思ったので、両種の違いがはっきりわかる尾丙部も撮ってみたり。

〈同一個体 同日 同ポイント〉

デジタルな機器って、ホント観察記録に適してますよね。

フィルムカメラの頃なら、こんな写真は撮らなかっただろうなぁ…。

 

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バランス良好…(ダンゴイカ属未同定種)

2016-03-22 18:24:46 | イカ・タコ類

風はややヒンヤリしてますが、日差しタップリで気持ちいい…。

風と陽光のバランスがちょうどいい感じ。

連休からそんな感じの日が続いてますやんばるです。

このあと南寄りの風が、次の雨を運んできそうですが…。

風は東~南東。曇のち晴れ。

〈ミミイカ科ダンゴイカ属未同定種 Sepiola sp. 16年2月15日 安和グスク〉

捕らえる…。

〈同一個体 同日 同ポイント〉

食べる…。

〈同一個体 同日 同ポイント〉

満足……したかな?

 

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湿潤…(センテンイロウミウシ)

2016-03-18 18:14:11 | ウミウシ

日照は乏しかったですが、湿った南寄りの風が温~く心地よかった本日のやんばるです。

明日の早朝には前線が通過し、風は北寄りに変化しそうですが、気温は高いまま推移する予報です。

風は南。曇ときどき晴れ間。

〈イロウミウシ科アオウミウシ属センテンイロウミウシ Hypselodoris maculosa 16年2月15日 沖縄島安和グスク〉

出会う…。

〈同一個体 同日 同ポイント〉

寄り添う…。

〈同一個体 同日 同ポイント〉

繋がる…。

〈同一個体 同日 同ポイント〉

受け取り、受け渡す……。

交接する風景。

同時的雌雄同体で、交接時に互いに雄でも雌でもあるウミウシ。

配偶子に載せたDNAという自身の情報を相手に受け渡しながら、相手からも受け取っています。

情報に対応する英語は、information

その語源はラテン語の informationem

それは、『心・精神に形を与える』という意味。

遣り取りされている情報には、心も記述されているのかもしれません。

 

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短寒青天…(トウアカミドリガイ)

2016-03-15 18:59:24 | ウミウシ

本日は少々ヒンヤリなやんばるです。

でも寒暖のリズムは確実に寒が短くなっていて、季節が進んでる感じが増してます。

寒より暖の方がもちろんいいのですが、寒い日の青空もまた気持ちよかったり。

この時期の暖かい日は、曇ったり雨交じりだったりですから…。

ちなみ短寒青天という四字熟語はありませんから…念のため……。

風は北東。晴れのち曇。

〈チドリミドリガイ科アデヤカミドリガイ属トウアカミドリガイ Thuridilla kathae 16年2月9日 沖縄島安和グスク〉

トウ(頭)が赤いので、トウアカミドリガイ。

どこまでか頭か、あるいは白い部分も多いのでは…、とかいうことはまあ置いておくとして…。

頭(トウ)には赤がつきものなのか、トウアカ以外を目にしたことがなかったり。

例えはトウグロとかトウアオとかトウシロとか…。

あっても良さそうなのに、そういう名前の魚っていませんよね。

頭を表す言葉には、他に『ズ』というのもありますね。

頭痛の『ズ』

ズの方はズグロ以外は見たことがなかったり。

この辺りには、日本語的な何かの親和性があるのでしょうか。

色との親和性が高い身体の部位でパッと思い浮かぶのが『セ』

背中のことです。

セアカ、セグロ、セジロ、セナキ……ん?

何故黄色との組み合わせだけ間に『ナ』が入るの? Why……?

日本語って難しい…。

 

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冷たい雨…(ヒブサミノウミウシ)

2016-03-11 19:05:21 | ウミウシ

冬型の気圧配置で、雨交じりだった本日のやんばるです。

寒い…、そして弱いけれど冷たい雨が…。

そんな一日でした。

明日もまだ寒そうですが、陽光がサンサンな予報でホッとしてたり…。

風は北。雨のち曇。

〈ヨツスジミノウミウシ科ヒブサミノウミウシ属ヒブサミノウミウシ Caloria indica 16年2月9日 沖縄島安和グスク〉

FIFAってご存じですよね。

国際サッカー連盟。

この前、FIFAって何の略だろうという話になりまして、調べてみたら…

Fédération Internationale de Football Association

でした。フランス語です。それぞれの単語を日本語にすると…

Fédération = 連盟

Internationale = 国際

Football = サッカー

Association = 連合

あれ、するとこれはサッカー連合の国際連盟って意味になりませんか。

なんか重複してるような…。

さて…

ヒブサって、緋総(緋房)のことでしょうか。

つまり緋色の総(房)を持つウミウシということ。

総(房)とは、糸を束ねて、先端を散らし垂らしたもの。あるいは花や実が群がり生じて垂れているもの。

確かに、背側突起の形状が総(房)っぽいと思えたり。

あれ、でもこの背面突起はミノウミウシ小目というより上位のタクソンですでに蓑に例えられているのでは…。

なんか重複してるような……。

 

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ギリギリかな…(モンダルマガレイ)

2016-03-08 18:26:43 | ダルマガレイ科

夏日まではいきませんでしたが、暖かな一日だったやんばるです。

今年は暖冬だったのか…というデータを目にしました。

沖縄地方の平均気温の平年値との差は…

12月は+1.5℃ 1月は+0.7℃ 2月は-0.6℃

12月は確かに暖冬、1月は微妙に暖冬、2月は普通に寒い冬、って感じかな。

明日から天気が下りだし、また少し寒さが戻る予報。

まだ衣替えはできないなぁ…。

ところで、明日は部分日食。

沖縄島はじつに微妙な空模様で、今のところギリギリ見られそうな雰囲気。

久しぶりに日食グラスを引っ張り出したのですが、使用できるかなぁ…。

風は南東。晴れのち曇。

〈ダルマガレイ科ホシダルマガレイ属モンダルマガレイ Bothus mancus 16年2月3日 沖縄島安和〉

ティラノサウルスを含む獣脚類というタクソンにはデイノニクス類も含まれています。

デイノニクス類とは鳥類へと進化したタクソンです。

二足歩行の羽毛恐竜が、どうして翼を持つことになったのでしょう。

あるいは人は二本の腕を持ち、それぞれの腕に五本の指を有しています。

三本や四本の腕ではなく、六本や三本の指でもなく、今の数になったのはどうしてでしょう。

もちろん理由などなく、たまたま翼を持ったり、二本の腕を持ったりした個体(あるいは個体群)の形質が受け継がれ、その他は淘汰されたのかも。

それでもそういう形質を獲得しやすい性質を、その生命は有していたのかもしれないなぁ…とか思ったりもします。

つまり五本指が有利だからとかじゃなく、指を造ろうとすると五本になりやすい性質って感じのこと。

そういう性質って、カンブリア爆発の頃から持ってる因子なのじゃないかなとか思えたり…。

さて、本種を含むカレイ目の魚たちも、とても個性的な形質を受け継いできたのでしょうね。

まあ、受け継ぐ段階でどんどん個性的になったのかもしれませんが。

左右非対称の体になるメカニズムは、解明されているようですが(Pitx2という遺伝子の働きだとか)、なぜその形態をチョイスすることになったのかは、解りようがないのでしょうね。

5億4千万年くらい前にタイムマシンで行ければ、何か手がかりがつかめるかもしれませんが…。

おっと忘れるところだった…

本種の学名種小名は『奇形』

奇形とは、主に生物が先天的に肉眼形態上の異常を持っていること。

う~~ん、先天的異常ですか…。なんか違和感あり…。

ただし奇形の原義は、めずらしい形。

芸術作品などにおいて、標準から大きく外れた形態を持つ作品を表現する言葉だそう。

これなら、しっくりきます。

 

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気持ちいい陽気(ヤマシロベラ)

2016-03-04 18:44:12 | ベラ科

日差したっぷりで、気持ちのいい陽気になった本日のやんばるです。

暖かい風は南寄りで、夏っぽかったり…。

朝一で雨に降られましたが、ごく短時間に強く降る雨で、それも夏っぽかったり…。

なんにしても、春爛漫な感じの一日でした。

風は東~南東。晴れ、一瞬だけ雨。

〈ベラ科カンムリベラ亜科シラタキベラダマシ属ヤマシロベラ Pseudcoris yamashiroi 16年2月3日 沖縄島安和〉

画像は幼魚。

山城とは、険阻な山を利用して築かれた城。

本種も険しい地形に造られた城のような形態……な訳はなく、名字の山城が和名の由来。

学名種小名も、〈 yamashiro + i 〉 つまりは山城さんへの献名ですね。

山城は沖縄県に多い名字で、沖縄の名字ランキング第10位だったり。

電話帳の掲載件数によると山城さんの数は2382人だそうで、那覇市が最も多く372人なのだそう。

というわけで、件の山城さん、那覇市で英語の先生をしていた方なのだとか。

本種は当地に縁の深い魚だったり。

ちなみに…

その昔、京都府の南部は山城国と呼ばれていました。日本の地方行政区分が令制国だった頃の話。

で、この地は僕の出身地。

そういう意味で、僕的にも縁を感じたり感じなかったり…。

まあ、どちらにしてもごくごく薄い縁でしょうが…。

 

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弥生(オビシノビハゼ)

2016-03-01 18:24:23 | ハゼ科

三月の初日は寒気に包み込まれたやんばるです。

まあ一時的なもので、明日はポカポカ陽気になるそうですが。

今朝のニュースで見たのですが、昨日の東京では昼間は暖かかったのに、夜になって冷え込みアラレが降ったそう。

そのニュースで、驚いたことが一つ。

日中の気温が16.5℃まで上がったので、コートや上着を脱いでいる人が多く見られた……とかいう内容。

16.5℃は、僕的にはがっつりコートを着る気温なのですが。

場合によっては貼るカイロ貼っちゃうかも…な気温なのですが…。

もう冬には沖縄を出られないなぁ…。

風は北。晴れときどき曇。

〈ハゼ科ハゼ亜科シノビハゼ属オビシノビハゼ Ctenogobiops aurocingulus 16年1月15日 沖縄島安和湾奥〉

襲装束という衣装があります。

雅楽の一種の舞楽で舞人が着用する装束で、舞楽の大半はこの襲装束で舞うのだとか。

この衣装はいろいろなパーツから構成されているのですが、その一つに金帯というパーツがあります。

帯というより、ベルトのようなパーツ。

さて…

某手延べそうめんには、金帯というそうめんがあったり。

職人技の伝承を目的に誕生した、国家資格である「手延製麺技能士」有資格者謹製の手延べそうめんがあって、そのそうめんの名前が、『熟成麺 金帯』なのだそう。

名前の通り、金色の帯でそうめんが束ねられていたり…。

もう一つ…

金帯という客車もあったり…。

主に24系25型の二段式寝台車をベースに、「北斗星」や「あさかぜ」、「出雲1号・4号」に使用していたグレードの高い車両は、その外装に金色の3本ラインの装飾が施され、金帯と呼ばれているのだそう。

ところで……

本種の学名種小名は『金色の帯のある』

次に水中で本種に出会ったら、雅を感じたりするかな。

それとも、職人の伝承技を感じたりするかな。

あるいは、オタク心をくすぐられたりしますか。

 

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