Sakana no Sanaka

沖縄本島テキスト系ダイバーの一考察

鉄鋼用語(ハクテンミノウミウシ)

2017-12-29 18:56:41 | ウミウシ

薄曇りの空からときどき陽光が…、という感じだった本日のやんばるです。

風はゆるやかで、海も穏やかな日が続いてます。

年末から年始にかけても、そんなに冷え込む日はなさそう。

空模様の大きな崩れもなさそうな感じです。

風は北東。曇ときどき晴れ。

■■

『白点』

この漢字、何と読みました? 『はくてん』ですか、それとも『しろてん』ですか。

どちらに読んでも正解です。

『白点』と書いて『はくてん』と読む方は知っていましたが、『しろてん』の方は今日まで知りませんでした。

『白点(しろてん)』とはテストで答案用紙に何も書き込めず、その結果の無回答0点のことなのだとか。

因みに、テストでの落第点は『赤点』、落第点をギリギリ免れた点数を『桃点』と言うのだそう。

『赤点』という言葉は学生時代によく使いましたけど、『桃点』や『白点』なんて言葉は使ったことがありません。

新しい若者言葉らしいのですが、最近の学生さんたちはテストの結果をこれらの言葉で表現しているのでしょうか。

一方『白点(はくてん)』と読む方の言葉は、胡粉などを用いて白色で加点した訓点のこと。

胡粉とは東洋画に用いる白色顔料。そして訓点とは、ヲコト点・返り点・送り仮名・振り仮名などの総称。

つまり、漢文を訓読するために、漢字の上や脇に小さく書き加えられた文字や記号のことです。

すると今どきの学生さんは、

「この前の漢文のテストで白点(はくてん)が解らなくて白点(しろてん)になっちゃったよ」

なんて会話をしているのでしょうか。

■■

さて…

〈Samlidae科Samla属ハクテンミノウミウシ Samla riwo 17年11月27日 沖縄島安和〉

和名の通り、褐色の背面に細かな白点が密に入っています。

■■

あと『白点(はくてん)』には、鋼材の破面に現れる白色の光沢をもった斑点という意味もあり、これは鉄鋼用語なのだとか。

『白点』

この二文字、結構広範な意味を持つ言葉だったのだと気づかされたり…。

 

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多機能アイテム(イバラカンザシ)

2017-12-25 18:11:33 | 水中生物

昨日は26年ぶりに夏日のイブだった沖縄島ですが、今日は一転、北風ビュービューな感じになりました。

まあ、寒い方がクリスマス感は増しますけど…。

風は強めの北。晴天。

■■

簪(かんざし)とは、女性が髪を結うときに使う伝統的な装身具。

日本髪には欠かせない装飾品ですね。

しかしながらその起源である縄文時代では、それは魔を払うアイテムだったよう。古代日本では、一本の細い棒に呪力が宿ると信じられていたため、それを髪に挿して効果を得ようということのよう。またこれが櫛の原型なのだとか。

平安時代から安土桃山時代へと進むにつれて、髪飾りとして用いられるようになったそう。

さらには江戸時代に入ると、本来の用途に加えて、緊急時の防御ため、すなわち護身用具としても用いられたと伝えられているのだそうです。

魔除けから武器まで、簪って意外と多機能なアイテムだったんですね。

■■

さて…

〈カンザシゴカイ科イバラカンザシ属イバラカンザシ Spirobranchus giganteus 17年9月25日 沖縄島安和〉

学名種小名は『巨大な』の意。

本属の中では大きいのでしょうね。

その属名は『螺旋状の鰓』の意味。

〈同種別個体 同日 同ポイント〉

本種の特徴である二本の傘のようなものは、頭部の一部分が鰓として発達した鰓冠(さいかん)と呼ばれる器官で、その属名の通り螺旋状になっています。

〈同種別個体 同日 同ポイント〉

その鰓冠が簪のように見えることが和名の由来。

色彩変異に富み、二色以上の体色を持つものも多いところも簪のようですね。

また鰓冠は呼吸に使われるだけではなく、これで浮遊生物を捕らえて口に運ぶ役割もあるようで、本家の簪同様多機能といえるかもしれません。

〈同種別個体 同日 同ポイント〉

刺激を受けると鰓冠を素早く引っ込めるのも本種の特徴。その際には殻蓋を閉じます。その蓋にイバラのような突起がついていることも和名の由来になっています。この画像の下の方がそれ。

■■

ところで…

イバラカンザシの英名は「クリスマスツリー・ワーム」

本日はクリスマスですので、ツリーを並べてみました。

メリークリスマス…。

 

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Juvenile nudibranch

2017-12-22 18:17:13 | ウミウシ

I ate okinawan cuisine "jyusi" for lunch.

Because today was a winter solstice.

In Okinawa there is a habit of eating "jyusi" on the day of winter solstice.

Did you ate "jyusi" today?

Weather : Mix of sun and clouds.

Wind : NE , 6MPH

■■

The season has come.

Chromodoris willani , awa , Nago bay , Okinawa Island〉

〈Hypselodoris tryoni , awa , Nago bay , Okinawa Island〉

Goniobranchus coi , awa , Nago bay , Okinawa Island〉

Goniobranchus kuniei , awa , Nago bay , Okinawa Island〉

■■

A nudibranch is basically a snail with no shell, sometimes called sea slug.

Nudibranch means "naked-gill".

 

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…ing(アカメハゼ)

2017-12-18 18:21:57 | ハゼ科

ド~ンヨリな空模様だった本日のやんばるです。

風は弱まりましたので、昨日よりは過ごしやすかったですけど…。

エントリーすると海水がぬる~く感じたりするこの頃です。

風は北東。概ね曇。

■■

dive : 潜る。これは動詞。

diving : 潜水。これは名詞。

動詞ingで名詞にしたものを、動名詞といいます。

ではこれは…

The turtle is diving.

『そのカメは、潜水です』、ではもちろんなくて、『そのカメは、潜っている』の意。

be動詞+動詞ingですから、これは現在進行形。

このときの動詞ingは動名詞ではなく、現在分詞ですね。

動名詞は、動詞と名詞の働きを併せ持つものですが、現在分詞は動詞と形容詞の性質を分け持つものなのだそう。

例えば…

Look at the diving turtle.

あるいは…

Look at the turtle diving in the water.

二つとも『潜っているカメ』という形容詞として働いているわけです。

■■

さて…

〈ハゼ科ハゼ亜科ガラスハゼ属アカメハゼ Bryaninops natans 17年11月7日 沖縄島安和〉

学名種小名は『泳いでいる』の意。

そう、この学名は現在分詞なのです。

この画像もそうですが、確かにいつ見ても泳いでる印象。

ほとんどが着生して暮らすガラスハゼ属のなかで、本種はサンゴの周囲をいつもホバリングしてます。

もっとも、近づきすぎるとサンゴに着底しますけど。

 

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木春菊(シコクスズメダイ)

2017-12-15 18:16:57 | スズメダイ科

早朝にはパラパラ雨もありましたが、その後は陽光ありで過ごしやすかった本日のやんばるです。

日曜日に辺りに強い寒気がきそうですね…。

風は北東。晴れたり曇ったり。

■■

モクシュンギク(木春菊)という植物をご存じでしょうか。

キク科の多年草ですが、この和名はあまり使われていません。一般的に使われているのは英名の方で、それはマーガレット(marguerite)。

春から夏にかけ白い花を咲かすあのマーガレットです。

このマーガレットという名前、その由来は真珠なのだとか。

真珠ってパール(pearl)だと思ってましたし、実際に真珠は英語でパールですが、これはもともとムラサキ貝の一種の名前が由来なのだそう。紀元前の昔から真珠そのものを表す言葉は別にあって、それはマルガリータ(marguerite)。

花びらの白を真珠に見立てて、マーガレットと名づけられたようです。だから両者はスペルが同じですね。

マーガレットは女性の名前にも多く使われています。

イギリス初の女性首相、鉄の女の異名を持つサッチャーさんも、ファーストネームはマーガレット。

ハリウッド女優のメグ・ライアンのメグもマーガレットが変形した名前だそう。

ハリウッドと言えば、伝説的スターであるグレタ・ガルボのグレタも、マーガレットの短縮形からきた名前なのだそうですよ。

日本では、花以外のマーガレットですぐに思い浮かぶのは、やっぱり漫画雑誌のマーガレットでしょうか…。

■■

さて…

〈スズメダイ科スズメダイ亜科スズメダイ属シコクスズメダイ Chromis margaritifer 17年10月30日 沖縄島安和グスク〉

画像は幼魚。

学名種小名は『真珠を持っている』の意。

背鰭基底周辺部から尾部にかけての白色のことでしょうか。

それともどこかに真珠を隠し持っているのでしょうか…。

 

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貪食の怪物(サラサハゼ)

2017-12-11 19:23:37 | ハゼ科

風はヒンヤリ…ですが陽光タップリでなかなかに心地よかった本日のやんばるです。

風は北。晴れ。

■■

クジラとイルカの違いは大きさだけ。

ということをご存じの方は少なくないと思います。

生物分類上の違いはなく、クジラ目ハクジラ亜目の小型のものをイルカと呼んでいるのだとか。

その小型の基準も3m~6mと境界に幅があり、明確なラインはないのだそう。

同じようなことは、ガとチョウにもいえます。

どちらも鱗翅目(いわゆるチョウ目)で、生物分類上の区別はないのだとか。

しかもチョウ目といいながら、ガの種類数はチョウの20~30倍で、どちらかというとガの種の一部がチョウと呼ばれているという感じ。

というわけで、構造的に鯨類と蛾類は似ているように思えたわけですが…。

クジラもイルカも共に人に好かれていますけど、チョウが好かれるのに対してガは圧倒的に嫌われてます。

この部分は決定的に違いますね。

綺麗なガも、たくさんいるのですけどねぇ…。

■■

さて…

〈ハゼ科ハゼ亜科サラサハゼ属サラサハゼ Amblygobius phalaena 17年10月30日 沖縄島安和グスク〉

画像は幼魚。

学名種小名は『鯨、または蛾』の意。

一つの言葉の意味として、クジラとガではあまりにも違いすぎるように思えますが…。

この言葉、元々は『輝く・白い』という意味のギリシャ語が由来のよう。

水面に浮上したクジラが水しぶきを白く輝かせる姿から、クジラを表す言葉になったのだとか。

同時に貪食の怪物を意味する言葉にもなったのだそう。これもクジラからでしょうか。

そしてその貪食の怪物という言葉から、食害の能力を持つガにも用いられるようになったようです。

本種はどうでしょう。

怪物ではないのはもちろんですが、成魚の体色・模様から鑑みると『蛾』の方なのでしょうね。

 

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花言葉は平和(キツネフエフキ)

2017-12-08 18:46:11 | フエフキダイ科

冷たい雨で始まり、雨が上がった後は冷たい風が強まった本日のやんばるです。

最高気温が20℃を下回ると寒いですねぇ…。

明日まではこの寒さが続きそうです。

風は強い北~北西。概ね曇。

■■

遠い昔の物語によると、神様が500歳オーバーの男に

「大洪水を起こすから船を作りなさい」

と告げたのだとか。

そこで男は船を作り始め、600歳の時に完成させたそうな。

やがて洪水になりそれが40日40夜続いて、地上の生物は全て滅んだのだそう。

47日後に男が鳩を飛ばすと、鳩はオリーブの枝をくわえて戻ってきたのだとか。

さらに7日後に飛ばすともう戻ってこなかったので、男は洪水が治まったことを知ったのだそう。

その後、なんだかんだで男は950歳まで生きたのだそうな。

男の名前は〈ノア〉、船とは〈方舟〉のこと。

〈ノアの方舟〉の主人公ってめちゃくちゃ長生きな人だったのですね…。

この物語にちなんで、鳩とオリーブは〈平和の象徴〉となっているのだそう。

国連の旗にオリーブが使われているのも、〈平和の象徴〉だからなんですね。

さらにこの物語にちなんで、オリーブの花言葉は『平和』・『安らぎ』なのだとか。

オリーブといわれて何が思い浮かびます?

オリーブオイル、あるいはカクテルのマティーニですか。

僕は、ポパイの彼女かなぁ…。

■■

さて…

〈フエフキダイ科フエダイ属キツネフエフキ Lethrinus olivaceus 17年10月30日 沖縄島安和グスク〉

画像は幼魚。

学名種小名は『オリーブ色の』の意。

オリーブ色は、未熟なオリーブの実のような暗い黄色。

成魚は、まあそんな感じですか。

するとこの子は、〈纏う前系〉の幼魚というところでしょうか。

 

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龍とドラゴンと管楽器(キオネミクティス・ルメンガニィ)

2017-12-04 18:47:12 | ヨウジウオ科

前半は雨交じり、後半は風が強まった本日のやんばるです。

陽光の乏しい日が続いてる印象です。

まあ、予報を信じるなら、明日はタップリと日差しを浴びられるはずですが…。

風は北のち強め。雨のち曇。

■■

『龍』を英語にするとドラゴン(dragon)ですが、ドラゴンを日本語にすると『竜』と表記することが多いのだとか。

この二つの表し方は、僕にはしっくりきますがどうでしょう。

どちらも伝説上の巨大生物ですが、姿形は大きく違いますよね。

『龍』は、九つの動物と似た部分を持つとされているのだとか。

角は鹿、頭は駱駝、眼は鬼(幽霊)あるいは兎、体は大蛇、腹は蜃(蛟)、背中の鱗は鯉、爪は鷹、掌は虎、耳は牛、なのだそう。

複雑すぎて、納得できるようなできないようなよく解らない感じもしたり。

『ドラゴン』の方は、その言葉が古代ギリシア語の〈大蛇・ワニ・巨大魚〉に由来しているのだそうで、トカゲ系の姿をしていて、悪魔の使いとされていますので、悪魔っぽい羽が生えていることが多いのだとか。

『龍』は古来から神秘的な存在、あるいは尊い存在とされていて、人間に対して友好的な場合が多いといわれているのだそう。

一方『ドラゴン』は、邪悪なもの、倒すべきもの、悪の象徴というイメージなのだとか。

言葉としての繋がりは強い『龍』と『ドラゴン』ですが、形態も性質もまったく異なるようですね。

■■

さて…

〈ヨウジウオ科ヨウジウオ亜科Kyonemichthys属Kyonemichthys rumengani (通称ピグミーシードラゴン) 17年10月17日 沖縄島安和〉

ドラゴンですけど、どちらかと言えばまだ『龍』の方に近いかな…。

■■

ところで…

〈同種別個体 17年10月19日 沖縄島安和〉

日本では通称〈ピグミーシードラゴン〉と呼ばれていますが、海外では〈ピグミーパイプドラゴン(pygmy pipedragon)〉あるいは〈ピグミーパイプホース(pygmy pipehorse)〉とも呼ばれているようです。

pipefish(ヨウジウオ)の一種ですから、これらの方がしっくりくるように思えたりもしますが。

pipeは水道やガスなどの『管』のことですが、〈キセル〉や〈管楽器〉の意味も。

〈管楽器〉の中でもクラリネットやオーボエなどの〈単管楽器〉を指す言葉のようで、『龍』や『ドラゴン』よりも姿形が近いように思えますね。

 

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