Sakana no Sanaka

沖縄本島テキスト系ダイバーの一考察

ダイヤモンドの美意識(バサラカクレエビ)

2021-01-05 18:52:46 | エビ・カニ類

大晦日から元日にかけての冷え込みのあとは比較的暖かい日が続いているやんばるです。

本日の気温も数字的には暖かい方なのですが、雨交じりで北寄りの風が強く、体感的にははっきりと冬…な感じでした。

まあ、本日は二十四節気の小寒。寒の入りですからね。

明日以降は数字的にも寒~い日が、週末にかけて続きそうです。

風は北~北東。雨、ときどき曇。

■■

『ばさら』

奢侈で派手な振る舞いや、粋で華美な服装を好む美意識を表す言葉。

室町時代初期に流行した表現で、いわゆる流行語なのだとか。『婆娑羅』という漢字が当てられたりするのだそう。

語源はサンスクリット語で金剛石、すなわちダイヤモンドを意味する『vajra(バジャラ)』からなのだとか。

一説によると、『ダイヤモンドのような硬さで常識を打ち破る』というイメージで、平安時代に雅楽・舞楽の分野で伝統にとらわれない自由な演奏に対して婆娑羅と称するようになったのだそう。その後鎌倉時代末期以降、体制に反逆する人々の奔放で人目を引く振る舞いや、派手な格好で好き勝手に振る舞う者たちを指す言葉として定着したのだとか。

そして室町時代に流行し、こういう言動や行動をする大名が『ばさら大名』と呼ばれたのだそうです。

しかし流行語だけに、安土桃山時代以降は『かぶき者』という同じ様な意味の言葉に吸収されてしまい、『ばさら』という表現は使われなくなったようです。

ところで同じ音の言葉に『バサラ』があります。

この『バサラ』は仏教の守護善神である『十二神将』の一体、『伐折羅大将』のこと。

十二神将はそれぞれ十二の方角を守っていて、その方角には十二支が当てられています。

伐折羅大将が守る方角は『丑』、つまり十二支の丑を象徴する武神なのです。

丑年の今年最初のコラムに相応しいモチーフに思えたり…。

■■

さて…

〈テナガエビ科カクレエビ亜科ホンカクレエビ属バサラカクレエビ Periclimenes amboinensis 20年11月27日 沖縄島安和〉

学名種小名は『アンボン島の』の意。

インドネシアのアンボン島がタイプ産地なのでしょう。

和名は本種の模様を『婆娑羅』に見立てているのだそうです。

宿主に合わせた派手な色や斑紋を纏います。

 

 

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中のそもそも(アナモリチュウコシオリエビ)

2020-11-10 20:06:17 | エビ・カニ類

週が明けてから北風が強まっているやんばるです。空模様が冬っぽかったり…。

でもまあ、明日からは晴れアイコンが並んでいる週間予報になっています。

気温も夏日続きになりそうです。

風は北東。曇。

■■

十代前半の頃から海外ドラマが好きで、よく見ていました。昔はテレビで見るしかなく、深夜枠の番組を夜更かしして見たり。その後ビデオで録画できるようになり、レンタルできるようになり、今やサブスクで見放題になり…。といっても僕が見てるのは無料配信のやつばかりですけど。

今、毎週欠かさず見てるのは『medium(ミディアム)』というアメリカのドラマ。ミディアムと言えばお肉の焼き加減や、ポテトやコーラのサイズ、または洋服のサイズなんかで使う言葉ですが、その『中間』や『中くらい』という意味の他にも別の意味があります。

それは『媒体・媒介物・媒質』という意味。つまり中間にあって何かを伝えるものって感じの意味で、だから『伝達手段』あるいは『霊媒・霊能者』という意味もあります。

前述のドラマも主人公が霊能者の話。といってもオカルトではなくクライムストーリーです。なかなかにストーリーがよく出来ていて面白いんです。

それはともかく日本でミディアムと言えばやっぱり『中』の意味で用いますよね。

中という漢字はもともと四角の枠を棒が貫く様子を表したものなのだとか。つまり真ん中を貫く、矢や槍で貫くという意味があり、そこから(的に)当たるという意味もあるのだそう。

確か鹿児島県には『中』一文字で『あたり』と読む姓があったと記憶してます。これも中の本来の意味から来ているのでしょうね。

また毒にあたることを『中毒』と言ったりしますけど、これなんかもまさにそうですね。

そういえば中という漢字から思い出す海外ドラマがありまして、それは確か80年代のアメリカのドラマで『アメリカン・ヒーロー』というドラマ。コメディータッチのスーパーマンパロディーみたいなドラマでしたが、衣装の胸のデザインが、『S』の代わりに『中』だったのを憶えています。

もっとも、あれはハサミを図形化したもので、漢字からではなかったようですが。

あのドラマもかなり面白かったなぁ…。

■■

さて…

〈コシオリエビ科チュウコシオリエビ属アナモリチュウコシオリエビ Munida olivarae 20年9月25日 沖縄島安和〉

この子のチュウは『中くらい』のチュウ。

何かを媒介しているわけでも、持っているハサミからでもありません…。

 

 

 

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ふりふられ(フリソデエビ)

2020-08-25 10:49:56 | エビ・カニ類

台風8号は非常に足が遅く、沖縄島に最接近してから24時間くらい経過してるはずなのですがまだ強風域に入っています。

当然ですが風は強く、波も高い状態。

まあ、ゆっくりですが遠ざかっていることに間違いはないので、天候も海況もこれ以上悪くなることはないのですが。

回復には時間がかかりそうな気もしますけど…。

風は強い南~南西。曇。

■■

好きな子に告白して振られる。

告白されたけど振った。

恋愛において好きだと告げたり告げられたりしたときに、断ること、断られることを『振る、振られる』と表現しますよね。

何を振ったり振られたりするのでしょうか。これ、実は振袖なのだとか。

江戸時代前期の踊り子たちは着物の袖で、『振って愛情を示す』、『すがって哀れみを請う』ということを表現していたのだそう。

これを当時の未婚女性たちが真似をして流行し、振袖は未婚女性の着物という習慣が定着していったよう。そして男性からのアプローチに対して、『イエスの場合は袖を左右に振る』、『ノーの場合は袖を前後に振る』という感じで意思表示をしていたのだとか。

つまりその昔は、告白に対してイエスでもノーでも振っていたわけですね。

振袖の原型は飛鳥時代には存在していて、若い女性だけではなく子供や元服前の男性も着用していたのだそう。

現代は未婚女性の第一礼装として、卒業式や結婚式、そして成人式の定番衣装になっていますよね。

また振袖を振るという行為には、呪術的な意味、つまり厄払いの意味もあるのだとか。

これは『魂振り(たまふり)』と呼ばれるもので、空気を揺らすことによって神様を呼び起こしたり、魂を奮い立たせたり、厄を払ったりするという考えなのだそう。この空気を揺らすという行為は、例えば神社で柏手を打ったり、鈴を鳴らしたりすることも同じ意味を持っているのだとか。

そしてこの行為、僕らの日常でも行っているのだそう。それは誰かを送り出すときに、『いってらっしゃい』と手を振りますよね。これは手を振ることで、厄払いや神様のご加護で安寧を祈願するという意味が込められているのだそうです。

手を振って見送るって、大事なんですね。

■■

さて…

〈フリソデエビ科フリソデエビ属フリソデエビ Hymenocera picta 20年7月13日 沖縄島安和〉

学名種小名は『彩色された、色鮮やかな』の意。

和名の通り、第2胸脚はまさに振袖。

フォトジェニックな振袖です。

〈同種別個体 同日 同ポイント〉

大抵ペアで出会います。

 

 

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frying noise(サンゴテッポウエビ)

2020-08-04 20:35:22 | エビ・カニ類

台風4号は沖縄島を大きく迂回するように進んでくれまして、ほとんど影響なしな感じです。

空模様の大きな崩れもなく、陽光サンサン気温は真夏日…な日が続いてます。

この先も当分の間こんな感じの日が続きそうです。

風は南東。晴れ。

■■

『沈黙の世界』という映画をご存じでしょうか。

1950年代のフランスとイタリア合作のドキュメンタリー映画で、ジャック=イブ・クストーの潜水調査活動を記録したものです。

ジャック=イブ・クストーはご存じですよね。フランスの海洋学者で、『自給気式水中呼吸装置』つまりは『スクーバ』の発明者の一人です。

『沈黙の世界』とは水面下の世界のことですが、ダイバーなら誰もが知っているとおり、水中は決して静寂に満ちた世界ではありませんよね。

環境が生み出す音も聞こえますし、人工的なものの音だって聞こえます。それに生物の発する音も盛大に聞こえたりもしますよね。

沿岸域で最もメジャーな生物音は『テンプラノズ』なのだとか。天ぷら調理をしたときのような「パチパチ」という音です。英語でも『frying noise』と同じような発想で呼ばれているのだそう。

このテンプラノズはテッポウエビ類が発している音です。テッポウエビ類は第1はさみ脚が左右不同で、大きい方のはさみ脚の可動指と不動指の内側にプランカーとソケットと呼ばれる突起と受け口を持っています。

このプランカーをソケットに激しく打ち付けることで、強烈な衝撃音を発生させるのだとか。つまり鉄砲と言っても空砲ですね。もっと厳密に言えば指パッチンですね。テッポウエビは英語で『Pistol shrimp』と呼ばれますが、『Snapping shrimp』とも呼ばれています。指パッチンの英語『finger snapping』からです。

でも空砲と言っても、近くにいる動物を気絶させたり、試験管に入れるとそれを割るほどの強さがあると言われているのだとか。空砲でもあなどれない威力のある鉄砲ですね…。

テンプラノイズは、なわばり侵入者に対する威嚇・追い払いのために発せられているのだそうです。

■■

さて…

〈テッポウエビ科テッポウエビ属サンゴテッポウエビ Alpheus lottini 20年7月3日 沖縄島エンプラ〉

ハナヤサイサンゴやトゲサンゴなどの枝間に共生する本種も、強力な鉄砲を持っています。

 

 

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花の色は…(トゲコマチガニ・ハクセンコマチテッポウエビ)

2020-03-24 19:19:43 | エビ・カニ類

陽光たっぷりで、心地良い日が続いているやんばるです。

風は北寄りですが、エキジット直後でも寒さを感じることもなく…。

めっきり春…なこの頃です。

週の後半には夏日になりそうな予報も…。

風は北東。晴れ。

■■

『花の色はうつりにけりないたずらにわが身世にふるながめせしまに』

桜の季節ですねぇ…。

例年のようなお花見が出来る雰囲気ではないですけど…。

冒頭の和歌は小野小町が詠んだ歌で、『花の色は』の花とは桜の花のことなのだとか。そして同時に女性の美しさ(美貌)のことでもあるのだそう。

『桜の花の色はむなしく色あせてしまった、春の長雨が降っている間に。恋に思い悩んでいる間に私の美貌が衰えてしまったように』という感じの意味なのだとか。

さすが世界三大美人の一人。自分で自分のことを美貌だったと言い切ってしまってますね。しかしながら、当時の小野小町像とされる絵や彫像は現存せず、後世に描かれた絵でも後ろ姿が大半で、顔がよく分からないものが多いのだそう。

では何故小野小町は美人だというイメージが定着したのでしょうか。実はそれには紀貫之が関わっているのだとか。「男もすなる…」で始まる『土佐日記』を書いたあの紀貫之です。

彼が小野小町のことを「いにしえの衣通姫(そとおりひめ)のようだ」と感想を述べたのだとか。『衣通姫』とは、記紀に登場する絶世の美女で和歌の名手であったとされる人物です。でも実は彼は小野小町の容姿が衣通姫のようだと述べたのではなく、小野小町の詠む和歌が衣通姫のそれのようだと評価したのだそう。それがどこかの段階で、容姿も衣通姫のようだとなり、小野小町は衣通姫のように美しい、となっていったようです。

本当のところはどうだったのでしょうね。

本人は美貌だと言っていますけど…。

■■

それはともかく…

〈ケブカガニ科ムラサキゴカクガニ亜科トゲコマチガニ属トゲコマチガニ Tiaramedon spinosum 20年1月14日 沖縄島安和〉

〈テッポウエビ科ツノテッポウエビ属ハクセンコマチテッポウエビ Synalpbeus simpsoni 20年2月4日 沖縄島安和〉

どちらも和名の中に『コマチ』を持つ2種ですが、このコマチはウミシダのこと。

ウミシダの属名(学名)であるComaster(コマステル)またはComatula(コマトゥラ)が、その由来なのだそう。

画像の個体の住処になっているリュウキュウウミシダ属の学名にもOxycomanthusで『コマチ』に繋がる響きが入ってたりします。

『コマチ(ウミシダ類)』に住むエビ・カニということですね。

 

 

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食卓を共有する(ウミシダヤドリエビ)

2020-03-10 17:13:12 | エビ・カニ類

早朝は気持ちの良い陽光を浴びられたりもしたのですが、時間と共に雨交じりの空模様になった本日のやんばるです。

北寄りの風は強めに吹いてましたけど、そんなに寒くはない感じでした。

明日は一時的に冷え込みそうですが、それ以後はまた暖かな日が続きそうです。

風は北西。曇り時々晴れ、のち雨交じり。

■■

複数種の生物が相互関係を保ちながら同所的に生活する現象は『共生』と呼ばれています。

共生には、『相利共生』、『片利共生』、『片害共生』、『寄生』があるのだとか。

これらの違いは、共生関係にある生物間の利益・不利益の関係性によるのだそう。つまり互いに利益を得ているのであれば『相利共生』。一方が利益を得、もう一方は利害が発生しないのであれば『片利共生』。一方には不利益があり、もう一方には利害が発生していないのであれば『片害共生』。そして一方だけが一方的に収奪する場合を『寄生』と呼ぶのだとか。

共に生きる、と書くと一緒に協力して生きるような印象を抱いたりするのですが、まあそうはいかないようで…。

共生の一形態、『片利共生』にはさらに三つの種類があるのだそう。

一つ目は単に移動するためだけに、ある種が別の種にくっつく関係で『便乗』と呼ばれるのだとか。二つ目は別の種を住処として生活するタイプで『着生』と呼ばれるのだそう。三つ目はある種の死骸などを別の種が利用する関係で『変態共生』と呼ばれるのだそうです。

一つ目と二つ目はまあイメージしやすいですが、三つ目の『変態共生』はイメージできますでしょうか。死骸を利用する関係って…。

これはヤドカリのことです。巻き貝の死骸(殻)を利用してますから…。

片利共生は英語で『Commensalism』。これは『食事仲間、食物の共有』を意味する『Commensal』という英単語に由来するのだとか。

さらに『Commensal』という語は、ラテン語の『com mensa』に由来するのだそう。これは『食卓を共有する』という意味なのだそうです。

■■

さて…

〈テナガエビ科カクレエビ亜科ホンカクレエビ属ウミシダヤドリエビ Periclimenes commensalis 20年1月14日 沖縄島安和〉

学名種小名は『食卓を共有する』の意。

共有相手はウミシダなのでしょうね。

様々な体色変異を持つ本種、それは宿主に合わせた体色を纏うためです。

実験によると、あるウミシダから別の色の違うウミシダに移したとき、約2週間で新しい宿主と同じ色になったのだそうです。

 

 

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中風のお守り(アミメサンゴガニ)

2019-11-05 20:19:11 | エビ・カニ類

北寄りの風は少し強めでしたけど、たっぷりの陽光が心地よかった本日のやんばるです。

南の海上には台風があったり、熱低があったりしてますが、沖縄島には近づく気配なし。

台風のシーズンも終わったようで、季節が一つ進んだ感じのこの頃です。

週末にかけては少し冷え込みそうな予報になってたりしますし…。

風は北東。晴れ。

■■

『一網打尽』

悪党の一味を一挙に一人残らず捕まえること。

これは中国の二十四書の正史の一つ、『宋史』の故事が意味の由来なのだとか。当時の検察官が政府の公金不正流用疑惑を調査し、その現場をおさえて一斉逮捕したときに、「吾、一網打尽せり」と叫んだことからこんな意味で使われるようになったのだそう。

とはいえ、もともとの意味は単に『網を打って一度に多くの魚をとらえる』というものだったよう。もちろんこの場合の『網』とは、『漁網』のことですね。

漁網は漁具のなかでも大量の水生生物を採捕でき、高い漁獲収益を期待できる漁具ですが、そもそも網ってどのくらい昔から存在していたのでしょうか。

古代ローマにはレティアリウスという剣闘士がいたのだそう。これは日本語では『網闘士』あるいは『投網闘士』または『投網剣闘士』などと訳され、投網を使って敵を絡め取り銛で戦う闘士なのだとか。

だから少なくとも古代ローマでは、網は道具として確立されていたということなのでしょう。

日本にも夏の季語として『投網』はありますし、相撲の決まり手の一つに『網打ち』なんていうのがあるのだとか。

また古くから網目模様は、着物や食器に用いられていますね。なんでも縄文土器にもみられるのだそう。

『一網打尽』の言葉のように、敵を一度に捕らえつくして勝利を得るとして、網目模様は武将の紋章にも喜ばれたのだとか。

あるいは『一網打尽』のもともとの意味から、『たくさんの幸せをとらえる』という意味で縁起の良い模様だとされているのだそう。

この模様の食器を使っていると、『中風(いわゆる脳梗塞)』にならないためのお守りになると言われているのだそうですよ。

■■

さて…

〈サンゴガニ科サンゴガニ属アミメサンゴガニ Trapezia septata 19年9月27日 沖縄島安和〉

とても縁起の良い模様を纏ったサンゴガニ。

この画像、中風のお守りになるかな…。

 

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神の使いの子(カノコイセエビ)

2019-05-21 19:29:07 | エビ・カニ類

強い日差しと涼風のコラボが絶妙で心地よかった本日のやんばるです。

今日から梅雨は中休みだそうで、週間予報でも来週開けまでズラリと晴れアイコンが並んでました。

しかもこの週末金・土・日の降水確率が0パーセント。

今週は気持ちの良い1週間になりそうです。

風は北。晴天。

■■

 『大仏に、鹿の巻き筆、あられ酒、春日灯籠、町の早起き』

これは落語の『鹿政談』の冒頭で語られる奈良の名物のことです。

最後の『町の早起き』というのが、何それ? って感じですよね。何故、早起きが名物になるのでしょう?

それは…

奈良と言えば『鹿』ですよね。奈良公園の鹿は外国人観光客にも人気があるのだとか。

奈良公園内には春日大社があります。西暦768年に創建された神社で、タケミカヅチ(建雷命)という神様を祀るために建てられた神社です。

そのタケミカヅチが白い鹿にのって奈良の地にやってこられたのだそうで、鹿は奈良では神鹿(しんろく)と呼ばれて保護され、現在に到るまで人と鹿が共生しているのだそう。

鹿は『古事記』にも登場し、古くから神の使いとされているのだとか。

その昔、神鹿を死なせてしまえば子供でも死罪になったのだそう。もし朝起きて、家の前に鹿が死んでいたらもう大変。そのままにはしておけず、こっそりと隣の家の前に移動しておく。それに気づいた隣の人は、慌てて向かいの家の前に移動しておく。それに気づいた向かいの人も大急ぎで…。という感じで、奈良の町では朝ゆっくり寝ているなんて出来なかったそうで…。

そんなわけで町の早起きが名物になったと、鹿政談では語られます。

神の使いと共に暮らすのは大変なんですねぇ…。

因みに、三代目桂米朝の鹿政談はおすすめです。

■■

さて…

〈イセエビ科イセエビ属カノコイセエビ Panulirus longipes bispinosus 19年4月5日 沖縄島崎山〉

画像はまだ幼い個体。

カノコは鹿の子。神の使いの子です。

もっとも本種の鹿の子は、鹿の子斑模様のこと。白色小紋が散在する、子鹿の背のような模様のことです。

 

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玉虫色と陰陽五行(ゴシキエビ)

2019-04-09 18:25:19 | エビ・カニ類

夏日続きのやんばるです。日差しもタップリで汗ばむ陽気です。

今これを書いている部屋でも普通にエアコンかけてますし…。

明日は雨交じりの空模様のようですが、ムシムシと暑くなりそうな予報になっています。

風は南。概ね晴れ。

■■

来月から始まる新しい元号『令和』は、万葉集に由来するのだそうで。

万葉集は日本に現存する最古の歌集で、その体裁が整った成立は奈良時代のことだとか。天平宝字3年までの130年間の歌が収録されているのだそう。『天平宝字』って元号ですよ。4文字の元号もあったわけです。

最初の元号は『大化』、大化の改新の大化ですね。つまり奈良時代の一つ前の飛鳥時代から元号が始まったわけですね。飛鳥時代には日本の基礎となるインフラがつくられたそうですから、元号もその一つだったのでしょうか。聖徳太子や天智天皇などの功績ということでしょうか。

聖徳太子といえば法隆寺。そして法隆寺といえば『玉虫厨子』。法隆寺に所蔵されている飛鳥時代の仏教工芸品です。『厨子』というのは仏像などの礼拝対象を納めて屋内に安置する屋根つきの工作物のこと。『玉虫厨子』は国宝に指定されています。

もともとは推古天皇の愛用品であったそうで、その名の通りタマムシ(ヤマトタマムシ)の美しい羽で装飾されています。もっとも現在では羽はほとんどなくなっているそうですが。でもレプリカの画像を見る限り、そうとう美しかったのだろうとは想像できます。

タマムシの上翅(鞘翅)はシャボン玉と同じでそれ自体に色がついているわけではありません。その微細な構造によって光が干渉するために色づいて見える、いわゆる構造色です。それによって金属光沢を発しているため、死後も色あせないのだそうですよ。

■■

さて…

〈イセエビ科イセエビ属ゴシキエビ Panulirus versicolor 19年4月12日 沖縄島安和〉

画像は幼体。

〈同種別個体 19年2月18日 沖縄島安和〉

こちらは成体。

学名種小名は『色の変わる、玉虫色の』の意。

学名的には、五色以上の色を纏っているようです。

僕だけでしょうけど、このエビを見ると浮世絵をイメージしてしまいます…。

五色といえば『五色の短冊』。

あれが何故五色かというと、それは陰陽五行説の影響なのだとか。中国から伝来した考え方で、世界の現象を陰と陽に分け、世界の自然は木・火・土・金・水の5つの元素から成り立っているという考え方です。

この五元素は色に対応していて、木は青、火は赤、土は黄、金は白、水は黒なのだとか。

つまり五色の短冊は、青・赤・黄・白・黒の五色なのだとか。

画像の成体を見る限り、五元素の五色を纏っているようです。

和名の方が似合ってると思えたり…。

 

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贈り物の数え方(クビナガアケウス)

2018-12-21 18:58:24 | エビ・カニ類

早朝は雨でしたが、時間と共に陽光タップリな空模様になった本日のやんばるです。

風は弱く、気温も湿度も高くて、過ごしやすい一日に。

明日は冬至ですが、当地の次の冷え込みは28日以降なのだそうです。

それまでは今日と似たような日が続くようです。

風は南西のち北西のち北東。雨のち晴れ。

■■

想像してみて下さい。あなたは今どこかの道場にいます。あなたはそこで武道を習っているようです。外から師匠の声が聞こえた来ました。

「そこに薙刀(なぎなた)は、いくつあったかな?」

道場の壁際を見ると、薙刀が三つ立ててありました。あなたは師匠に何と返事しますか?

もう一つ、想像してみて下さい。あなたは友人三人にクリスマスの贈り物をしようと思い立ちました。そこでデパートに出かけ商品を選びます。三人に同じ物を贈ろうと思い、選んだ商品が三つあるか店員さんに尋ねようとしています。何と尋ねますか?

つまりこれらは数え方の話です。

最初の薙刀については、こう答えるのが正解なのだとか。

「師匠、三枝です」

次の贈り物については、こう尋ねるのが正解なのだそう。

「同じ物を三枝贈りたいのですが、ありますか」

薙刀と贈り物は同じ数え方をするのか、と思ったらそれは間違い。というのも薙刀の方は『三枝(さんし)』と読み、贈り物の方は『三枝(さんえだ)』と読むのだそう。

『枝(し)』の方は、細長い物を数えるのに用いる助数詞なのだとか。

そして『枝(えだ)』の方は、その昔贈り物をするときにその品物だけを渡すのは味気ないので、花を添えたのだそう。花の咲いた枝を手折って添えたということなのでしょうね。

そうやって、送り手の気持ちを込めたのかもしれませんね。

■■

さて…

〈ヒシガニ科クビナガアケウス属クビナガアケウス Lambrachaeus ramifer 18年11月15日 沖縄島安和〉

学名種小名は『枝有する』の意。

甲長の1.5倍にもなる長い額やはさみ脚には、いばら状のとげが枝分かれするように並んでいますが、そのことでしょうか。

 

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筋肉美(トウゾクテッポウエビ)

2018-11-16 19:39:48 | エビ・カニ類

南寄りの風でしたがそれっぽさを今一つ感じられなかった本日のやんばるです。

まあでも空模様は尻上がりに気持ち良い感じになりました。

空を見上げて、雲が描く模様を見てると、ああもう夏じゃないなぁ…と思えたり。

もっとも気温は夏日まで上がりましたけど。

風は南東のち南西。雨のち晴れ。

■■

『筋隈』、『一本隈』、『むきみ』、『公家隈』、『般若隈』に『鬼女隈』、さらには『亡霊隈』や『土蜘蛛』などなど…

これらの言葉にピンとくる方は、きっと歌舞伎好きなのでしょう。

これらは歌舞伎独特の化粧である『隈取』の種類です。

役柄に合わせていろいろな隈取があるのだそう。

隈取は、初代市川團十郎が坂田金時の息子である英雄坂田金平役の初舞台の時にしたのが始まりなのだとか。

人形浄瑠璃の人形のかしらにヒントを得て創作したのだそうで、顔の血管や筋肉を誇張するために描かれたものなのだそう。

何だが特殊メイクのようにも感じたり。

最初の隈取は派手で荒っぽいものであったようですが、その後仁王像などに代表される仏像の誇張された筋肉美や、能面の洗練された表情の表現などを参考にして発展していったのだとか。

そして前述のようないろいろな隈取の型が出来上がっていったのでしょう。

ただ大体の型はあるものの、隈取は役者一人一人が書き入れるものなので、一人一人出来上がりが違うのだそう。

楽屋に絹本を持ち込んで、役者に隈取を写し取ってもらったものを蒐集する歌舞伎の贔屓もいるのだそうですよ。

■■

さて…

〈テナガエビ科テッポウエビ属クマドリテッポウエビ Alpheus sp. 18年9月19日 沖縄島安和〉

この横縞模様が隈取ということなのでしょうね。

〈同種同個体 同日 同ポイント〉

誇張された筋肉美を感じたりします?

 

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仕切り壁(アミメサンゴガニ)

2018-10-18 18:59:51 | エビ・カニ類

前半はドンヨリぎみ、後半は陽光サンサンだった本日のやんばるです。

気温は後半にギリ夏日まで上昇したようです。

ただ今週は平年よりやや低めで推移しているのだとか。

それでも日差しがあると心地良い感じでした。

風は北東。曇のち晴れ間。

■■

1912年4月14日23時40分、ホワイト・スター・ラインが保有する3隻のオリンピック級客船の2番船が、北太平洋で氷山に衝突しました。

当時世界最大級の客船であったこの船は、衝突時には2,224人を乗せていました。衝突から2時間40分後の4月15日2時20分にこの船は沈没。1,500人以上が亡くなったといわれています。これは1912年当時の海難事故の最大死者数なのだそうです。

この船の名は『タイタニック』

タイタニック号沈没事件は、数々の映画や小説のモデルとなっていますので、たぶんご存じない方はいないのではないでしょうか。

タイタニック号には、当時としては高度な安全対策が施されていたのだとか。

船底は二重になっていて、船体は防水隔壁で16区画に区分され、そのうち2区画(船首部では4区画)浸水しても沈没しない構造になっていたのだそう。

21世紀の技術水準から見てもタイタニック号は極めて安全な船と言われているのだとか。

しかし氷山に衝突したタイタニック号は、船首部の5区画に浸水し、防水隔壁の限界を超えてしまったのだそう。

設計上の想定外の出来事だったのですね…。

この事故を教訓に、主要な隔壁は浸水を一つの区画に局限するという明確な目的の下に設けられるようになったのだそうです。

■■

さて…

〈サンゴガニ科サンゴガニ属アミメサンゴガニ Trapezia septata 18年8月28日 沖縄島崎山〉

学名種小名は『隔壁』の意。

甲やはさみ脚の赤褐色の網目模様からでしょうか。

この網目模様は成熟度によって変化がみられ、若い個体では大きくて粗く、成体では細かいのだそう。

〈同種別個体 同日 同ポイント〉

同じ珊瑚にもう1個体。ペアで暮らしてました。

 

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小さな心蔵…小さな波(ヒメキモガニ)

2018-10-05 19:04:14 | エビ・カニ類

台風25号は遠ざかりつつありますが、まだ沖縄島は強風域の中にすっぽり入っています。

海もまだもちろん大荒れ状態です。

まあ、今回は長時間の停電がなかったので良かったですけど…。

風は強い南東のち強い南西。雨のち曇。

■■

『肝に銘ずる』

『肝を潰す』

『肝が太い』

『肝を据える』

等々、肝という言葉の出てくる慣用句はたくさんありますね。

『肝』という字は『かん』あるいは『きも』と読みますが、『かん』と読めば臓器の一つである肝臓を指すのだとか。

『きも』と読めば、それは肝臓だけではなく、心臓や内臓全体を指すこともあるのだそう。

さらには心や精神が宿るところという意味で使われたり、『心=体の大切な部分』という意味から転じて、『物事の重要な点・急所』という意味も持つのだとか。

『肝心要』なんて言葉もありますね。

■■

さて…

〈オウギガニ科キモガニ属ヒメキモガニ Cymo andreossyi 18年8月28日 沖縄島崎山〉

画像の右上の方に、もう1個体います。

それがこちら↓

〈同種別個体 同日 同ポイント〉

たぶんペアなのでしょう。

和名に含まれる『ヒメ』は小さいことを表す接頭辞。

つまり小さなきも、小さな臓器、あるいは小さな心臓。でも毛が生えているから、きっと肝が据わっているはず…。

とまあ、ここまで和名の『キモ』を『肝』のように扱ってきましたが、実は全然違います。

本当は本種学名の属名『Cymo(キモ)』がその由来。

これはギリシャ語の『波』を意味します。

つまり『小さな波』という名を持つカニです。

 

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最初の死者(エンマカクレエビ)

2018-09-10 20:02:49 | エビ・カニ類

雨の予報でしたが結局降られることはなかった本日のやんばるです。

まあ、いつ降ってもおかしくないような空模様ではありましたが。

台風22号は今のところ沖縄島には接近しない進路のようですが、要注意といったところでしょうか。

また猛烈な勢力になりそうですので。

そしてもう一つ、近海の熱帯低気圧が台風になりそうな予報も。

といっても、こちらはもう遠ざかっていくだけですけど。

風は弱い南。曇。

■■

インドの聖典『リグ・ヴェーダ』には、ヤマという神様が登場します。

この神様は妹のヤミーと結婚して最初の人類を生み出したとされているのだとか。

日本神話でいうところのイザナギノミコトとイザナミノミコトみたいな感じですね。

ヤマは人間の祖でもあり、最初の死者でもあるのだそう。

そして死者が進む道を見いだし、死者の国の王になったのだとか。

最初、ヤマの国は死者の楽園であり、生前に良い行いをした者がその国に行くとされていたそうですが、後代になってヤマの国は地下で、死者を裁き生前に悪行をなした者を罰する恐るべき神と考えられるようになったそう。

何だか閻魔大王みたいだなぁ…と思った方は大正解。

このヤマが中国を経て日本に伝わり、閻魔大王になったのだとか。

「嘘をつくと閻魔様に舌を抜かれるよ」

と、幼少の頃によく言われたりしたのですが、今の子供たちはどうなのでしょう。

言われてないですかねぇ…。

僕が持っていたような閻魔様に対してのものすごく怖いイメージも、持っていないのでしょうか。

というか、閻魔大王という存在を知ってるかなぁ…。

僕の幼少の頃は、閻魔大王の甥が妖怪と戦うアニメがありました。

なんでも今は閻魔大王の第一補佐官の鬼神が主人公のマンガがあるそうですが。

■■

さて…

〈テナガエビ科エンマカクレエビ属エンマカクレエビ Periclimenella spinifera 18年7月30日 沖縄島安和〉

学名種小名は『トゲをふくむ・トゲを持つ』の意、かな。

因みに閻魔大王の大好物はコンニャクなのだそうです。

 

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供物のための器(ヒメイソギンチャクエビ)

2018-07-13 19:32:37 | エビ・カニ類

風は非常にゆる~く、強烈な日差しだった本日のやんばるです。

半島北側のポイントに行くと、インリーフはもうベタベタの凪。

青空と水面と砂浜の取り合わせが、旅行会社の南国ツアーのポスターそのままな感じで、楽園感が半端なかったり…。

暑さが気持ちいい毎日が続いてます。

風は東。晴れ一時雨。

■■

明日からは海の日の連休ですね。

『海の日』とは、『海の恩恵に感謝すると共に、海洋国日本の繁栄を願う日』なのだとか。

当地で海といえば、それはサンゴ礁。

サンゴ礁は海底の0.1パーセントを覆っているにすぎませんが、海洋生物種の約25パーセントの住処になっているのだそう。

また、波のエネルギーを最大97パーセント、波の高さを最大84パーセント減少させるのだとか。

つまり天然の防波堤となって、海沿いの社会を守る役割も果たしているのです。

もちろん、食料を提供してくれる漁場でもありますし。

一方これからの真夏の季節に話題になるのがサンゴの白化現象。これまでに3度世界的な大規模白化現象が起こっています。

直近のものは2014年から2017年の白化現象。期間が長く規模も最大で、世界全体のサンゴ礁の70パーセント以上に被害がでているのだそう。

沖縄でも石西礁湖のサンゴの97パーセントが白化し、5割超が死滅したという調査結果が出ています。

過去30年で世界全体のサンゴの約50パーセントが失われたのだとか。そして2050年を越せるサンゴは10パーセントしかないと推定する研究者もいるのだとか。

サンゴは漢字で『珊瑚』と書きます。

『珊』という字には『海に棲む虫の骨格がたくさん集まってできた玉』という意味があるのだそう。

つまり『珊』という一文字で、サンゴの形態を表しているのだとか。

『瑚』という字には『祭祀のとき、つまり神様や祖先を祀るときに、穀物を盛る器』という意味があるのだそう。

実際に神様やご先祖様に供物を捧げるときに、珊瑚を器として使っていたのでしょうか。その真偽はよく分かりませんが、儀式に使用されていたというのであれば、珊瑚は昔から神聖なもの、あるいは宝物として扱われていたのかもしれません。

失いたくはないですね…。

■■

さて…

〈テナガエビ科ヒメイソギンチャクエビ属ヒメイソギンチャクエビ Hamopontonia corallicola 18年6月1日 沖縄島安和グスク〉

学名種小名は『サンゴ礁に住んでいる』の意。

画像の個体もサンゴに住んでいました。

 

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