Sakana no Sanaka

沖縄本島テキスト系ダイバーの一考察

皇帝のエメラルド(メガネアゴアマダイ)

2021-10-26 18:53:45 | アゴアマダイ科

気持ちのいい青空、気持ちのいい日差し、気持ちのいい涼風…。

秋の深まりを感じる心地よい一日だった本日のやんばるです。

台風20号は沖縄島からは離れたコースを北上中で、影響はなさそう。

それよりその台風が向かっている小笠原からの軽石が問題になっているこの頃です。

この先一週間も気持ちのいい秋晴れになりそうな予報です。

風は北~北東。概ね晴れ。

■■

『お眼鏡にかなう』

目上の人に気に入られること、または実力を認められたりすること、を意味する慣用句。

でもなぜこのような慣用句に『眼鏡』が出てくるのでしょうか。

眼鏡とは…

近視・遠視・乱視などの視力を調整したり、強い光線から目を保護したりするために用いる凹レンズ・凸レンズ・着色ガラスなどを使った器具のこと。

野比のび太がかけているやつや、古代進が波動砲撃つときに装着するやつですね。

でもそれとは別の意味もあって、それは…

物の善悪・可否を見きわめること。またその能力。めきき。

『お眼鏡にかなう』の『お眼鏡』は『ものを見分ける目』という意味で、そもそもは『ものを見分ける目にかなう』という意味だったのだとか。

それが転じて今のような慣用句になったのだそうです。

『お眼鏡』じゃない方の眼鏡はというと、紀元前8世紀のヒエログリフにレンズを表す絵文字があるのだとか。

そしてレンズで拡大してみることについての具体的な記録としては、紀元1世紀にローマ皇帝ネロがエメラルドを矯正レンズ代わりにして剣闘士の戦いを観戦したのだそうです。

エメラルドの眼鏡ですか…。さすが皇帝という感じですね…。

■■

さて…

〈アゴアマダイ科アゴアマダイ属メガネアゴアマダイ Opistognathus sp. 21年9月19日 沖縄島安和〉

和名はついていますが、学名種小名はまだないようです。

この子は比較的浅い水深(ー15mくらい)にいるので、じっくり粘れたりします…。

 

 

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皇太子の島々(バブルコーラルシュリンプ)

2021-10-19 19:53:27 | エビ・カニ類

大陸からの高気圧の張り出しで、寒気の南下に伴い新北風(ミーニシ)が吹き始めたやんばるです。

今日は高気圧周辺部のぐずついた空模様。降る雨もヒンヤリとした感じで、季節が確実にワンステップ進んだのを感じられたり…。

このまま週末まですっきりしない空模様が続きそうな感じです。

風は概ね北。曇のち雨。

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『フィリピン』

東南アジアに位置する国の名前で、日本語表記の正式名称はフィリピン共和国。

国の公用語はタガログ語と英語だそうで、タガログ語の正式な国名は『Republika ng Pilipinas(レプブリカ ナン ピリピーナス)』で、英語だと『Republic of the Philippines(リパブリック オブ ザ フィリピーンズ)』になるのだとか。

この国名は17世紀の旧宗主国のスペイン皇太子フェリペ(後のフェリペ2世国王)の名前から命名され、『フェリペの島々』という意味なのだそう。

このような歴史背景から、国名変更論もあるのだとか。

例えば国民的英雄と見なされる独立運動家のアンドレス・ボニファシオは、『タガログ人の国家』を意味する『カタガルガン』を推していたのだとか。

あるいは第10代大統領のフェルディナンド・マルコスは、サンスクリット語に由来し『気高く誕生した』を意味するとされる『マハルリカ』に変更しようとしたのだそう。

これにはロドリゴ・ドゥテルテ現大統領も共感を表明しているのだそうです。

僕個人的にも『マハルリカ』の方が響きがいいのではと…とか思えたり…。

まあ、完全に部外者ですが…。

■■

フィリピン、名前と言えば…

〈テナガエビ科カクレエビ亜科イソカクレエビ属バブルコーラルシュリンプ Vir philippinesis 21年9月1日 沖縄島安和〉

画像は抱卵個体。

学名種小名は『フィリピンの』の意。

バブルコーラルシュリンプは通称で、和名はまだついていないよう。

ミズタマサンゴに暮らしているのが特徴ですからミズタマサンゴエビでいいのでは…とか以前は思っていたりしましたけど、『マハルリカエビ』なんて言うのもいいかも…と今は思えたりも。

気高い感じがしますし…。

ミズタマサンゴが出す粘液やそれにくっつく小さなものを食べて暮らしているそうで、サンゴは住処を提供し、エビはそのメンテナンスを担当しているのでしょうか。

つまり相利共生なのだろうと思えたり。

 

 

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赤と黒のメラ(クロダルマハゼ)

2021-10-12 19:21:38 | ハゼ科

台風18号の影響は、まああるといえばあるかな…って感じのやんばるです。

南部の方はもっと明確な影響が出ているのかもしれませんが。

空模様がすっきりしない感じは続いています。明日も雨交じりになりそうな予報です。

風は東。雨のち曇。

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『メラメラ 火を噴いて 私は夜の狼♪』

最近の僕のヘビロテ…。

火が燃え上がる様子を『メラメラと燃える』なんて言いますけど、このメラメラはもともとはインドネシア由来の言葉なのだとか。

インドネシア語でメラは『赤』。つまりメラメラと燃えるは、火が赤赤と燃え上がる様だということのよう。

一方、同じ音でもギリシャ語由来のメラは『黒』なのだとか。

例えば黒色色素の『メラミン』のメラ、憂うつ症の『メランコリック』のメラ、あるいは『メラネシア』群島のメラ。

メラネシア群島は黒く見えるからメラが付いているのだそうですが、何がどう黒く見えるのでしょう。空から見たときでしょうか。それとも海から見たときでしょうか。

大和言葉の『あか』と『くろ』は、それぞれ『あかるい』と『くらい』と同源と言われ、昼と夜の関係にも通じているのだそう。

中国の五行においても夏と昼は火で『赤』、冬と夜は水で『黒』となっているのだとか。

経済でも『赤字』『黒字』って言いますし、バッテリーだって赤がプラスで黒がマイナスですね。

というように『赤』と『黒』とは正反対の色。それが異なる言語で同じ音を持つというのは、なかなかに面白く思えたり…。

■■

この子はギリシャ語由来の方で…

〈ハゼ科ハゼ亜科ダルマハゼ属クロダルマハゼ Paragobiodon melanosomus 21年9月1日 沖縄島安和〉

学名種小名は『黒い体の』の意。

種小名の mela- は火の赤ではなく、水の黒のほう。

まあ、魚ですからね…。

 

 

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ワークワーク(コマチガニ)

2021-10-05 20:06:56 | エビ・カニ類

相変わらず真夏日が続いているやんばるです。

沖縄周辺海域における今年9月の平均海面温度が統計開始以降、9月として最も高くなったのだそう。今月1日に沖縄気象台が発表してました。

どうりで水温が下がらないはずだわ…。太平洋高気圧に覆われて晴れた日が多く、また平年と比べて風が弱かったことが要因なのだとか。

気象台によると向こう1ヶ月の海面水温も東シナ海南部と沖縄の南で平年よりかなり高くなる見通しなのだそうです。

本日も気持ちの良い青空でした。

風は東。晴れ。

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『JAPAN(ジャパン)』

もちろん英語で日本を意味する言葉。

マルコ・ポーロの『東方見聞録』に登場する『黄金の国ジパング』がその語源とされているのだとか。マルコ・ポーロの辿り着いた元で日本のことをそう呼んでいたのだそう。

複数の国語辞典でもこの『ジパング』から転じて『ジャパン』となった、としているそうですが、その根拠は明確ではないのだとか。

当然異説もあるわけで、例えば東アジアに来航したポルトガル人が『日本』の中国音(広東音)を聞いて記録したものであり、『ジパング』とは関係がないという意見もあるのだそう。

因みに現代中国語の標準語(いわゆる北京語)では、『日本』と書いて『ジ(ー)パン』のような発音になるのだとか。

国際的には日本はやっぱりジャパンと認識されているのでしょうね。一部ではニッポン(NIPPON)の表記を広めようという意見もあるようですが、すでにジャパン(JAPAN)が広く受け入れられていますから難しいかも…。

個人的には『ワークワーク』もいいと思うのですが…。

これ、イスラーム世界において古代日本を表していたとされる言葉。日本の旧称『倭国』に由来するのだとか。まあ、一説ですけど…。

濁音がなくやわらかい響きで良いなぁ…とか思えたり。

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日本を表す言葉と言えば…

〈ゴカクガニ科コマチガニ属コマチガニ Harrovia japonica 21年8月27日 沖縄島安和〉

学名種小名は『日本の』の意。

ラテン語の名詞には男性名詞、女性名詞、中性名詞があります。本種の属名を表す名詞は女性名詞。

それに付く形容詞、つまりは種小名も属名に合わせて変化します。

japoncaは女性名詞に付く形容詞。

和名の小町と親和しているように思えたり…。

 

 

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