Sakana no Sanaka

沖縄本島テキスト系ダイバーの一考察

八犬伝の舞台(タテヤマベラ)

2022-02-22 19:17:05 | ベラ科

ドンヨリ曇り空に冷たい風。先週末から寒い日が続いているやんばるです。

まだ数日は雨交じりの寒~い日が続きそう…。

でも週末から来週にかけては陽光ありの暖かな日になりそうです。

ところで今日は2月22日で『ニャンニャンニャン』の猫の日ですね。

しかも今年は2022年ですから、『ニャンニャンニャン、ニャンニャンニャン』のスーパー猫の日なのだそう。

前回のスーパー猫の日は1222年の2月22日ですから実に800年ぶりです。

因みに1222年は承久の乱の翌年。つまり鎌倉時代です。今大河でやってる北条義時の時代ですね。

まあ、その頃はまだ猫の日は制定されてませんでしたけどね…。

風は北東。曇。

■■

『南総里見八犬伝』

江戸時代に曲亭馬琴によって著された伝奇小説。日本文学史上最大の長編小説なのだとか。

室町時代後期の南房総安房国を舞台に、その地を治めた大名里見氏と、そこに集結する因縁によって結ばれた八人の若者(八犬士)の物語です。

何度も映画化されたりドラマ化されたり舞台化されたり…。また本作を基にした小説やマンガも数知れずあります。

僕的には角川映画の里見八犬伝が一番印象に残っています。薬師丸ひろ子と真田広之が主人公でした。『星よ、導きたまえ』のキャッチフレーズを今でも憶えています。

里見氏は実在する大名家で、中世には安房国を治めていました。湾を見下ろす独立丘に城を築き、後にその城に藩の本拠を移しました。

藩とは館山藩、城とは館山城、そして湾とは館山湾のことです。

館山城は南総里見八犬伝の舞台にもなっています。発端に登場し、さらに大団円で八犬士の一人に与えられる城としても登場するのだとか。

でも1614年に里見氏の館山藩は取り潰しとなり、そのときに実際の館山城は廃城となり破却されたのだそう。

現在は館山市館山に模擬天守があり、館山市立博物館分館となっているのだとか。浮世絵などの八犬伝関連の資料が収集されているのだそうです。

■■

さて、この子の分布域は千葉県館山湾以南なのだそうで…

〈ベラ科カンムリベラ亜科タテヤマベラ属タテヤマベラ Cymolutes torquatus 21年12月30日 沖縄島崎本部〉

画像は幼魚。

学名種小名は『鎖首飾りをつけた』の意。

成魚が鰓の後ろに纏う一筋模様のことでしょうか。

ところで和名が館山湾に因んでいるのかどうかは、実はよく知りません…。

 

 

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星の集合(ホシハゼ)

2022-02-15 20:16:21 | ハゼ科

昨日の雨まじりから一転、陽光サンサンな空模様になった本日のやんばるです。

汗ばむほどの気温というわけではありませんが、体感はとても気持ち良かった一日でした。

小春日和…というか小夏日和とでも言ってもいいんじゃないかと思えるくらい…。

週の半ばはドンヨリでヒンヤリな感じのようですが、後半は比較的暖かな感じになりそうです。

まあ、すっきりしない空模様は続きそうですが…。

風は北東。晴天。

■■

『星』

空に点状に輝く天体のこと。広義には『恒星』、『惑星』、『衛星』、『彗星』、『流星』なども含み、狭義には、星座を作る恒星をさすのだそう。

古代から星々は超越神として尊敬され、人間の運命を支配する超自然的な存在として畏怖されていたのだとか。

現在でも占星術や十二星座占いを気にする人は多いのでは。僕も毎朝テレビで星座ランキングをついつい見てしまったり…。まあ、それによって行動が変わることはないですけど。

天体の運動が人間社会に大きな影響を与えると信じられていた紀元前数千年のバビロニア王国では、金星の観測や黄道の観察が行われていたのだそう。

それらから得られた知識が、誕生時の天象から人の運命を占断するホロスコープ天文学の根源なのだとか。

バビロニアの知識はギリシャに移植され、そこでギリシャ神話の人物、動物、器物の名を冠した星座が制定されたのだそう。

そして1609年にガリレオ・ガリレイが手製の望遠鏡で天体観測を始め、天文学は一気に科学へと傾いていくわけです。

去年のクリスマスには『ジェームズ・ウェッブ宇宙望遠鏡』が打ち上げられ、観測を始めています。本格稼働はまだですが、数日前に撮影画像が公開されていましたね。

いろいろな天体イベントがニュースになると注目してしまうのは僕だけではないはず。

日食や月食、流星群等の話題がテレビやネットで流れるとにわかに観察したくなったり…。

直近の天体イベントとしては、3月から5月にかけて、明け方の東の空に肉眼でも明るく輝く惑星が集合するのだとか。

3月24日の明け方には、土星、金星、火星、加えて月が見え、4月26日にはさらに木星が加わり、4惑星、1衛星が見えるのだそうです。

早起きが苦手じゃない方は、観察してみては…。

■■

さて、星といえば…

〈ハゼ科ハゼ亜科ホシハゼ属ホシハゼ Asterropteryx semipunctata 21年12月2日 沖縄島崎本部〉

学名種小名は『半分(やや)斑点のある』の意。

体側に星を纏ったハゼです。

小さいですが鰭にも纏っています…。

 

 

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yg.(リュウキュウウツボ)

2022-02-08 20:15:12 | ウツボ科

早朝の雨の後は陽光たっぷりになった本日のやんばるです。

ただ時間と共に冷たい風が強まり…。

どちらかというと陽光より風の冷たさの方が勝っていたかな…って感じの一日でした。

明日は曇ベースですが、風は弱まるみたい。

週末にかけては過ごしやすい暖かさになりそうな雰囲気です。

風は南西のち北西。雨のち晴れ。

■■

『yg.』

前回に続きピリオドがついてますから略語ですね。『young』の略なのだとか。

魚類図鑑に登場するときは『幼魚』の意味として使われます。

でも幼魚は学術的な専門用語ではありません。

魚類は『仔魚』、『稚魚』、『若魚』、『未成魚』、『成魚』という発育段階を表す専門用語が、学術論文では用いられているのだそう。

ふ化後、鰭を支える鰭条数が成魚と同じ数に達するまでの段階を仔魚。

その後、鱗が形成され遊泳能力もつき、着底するまでの段階を稚魚。着底した段階を若魚。

さらにその後形態的には成魚と大差なく、ただ性的に未成熟な段階を未成魚。

そして性的に成熟し、繁殖が可能な段階を成魚。

とまあ、こういう感じなのだとか。

図鑑やダイバーの会話のなかで幼魚といえば、仔魚、稚魚、場合によっては若魚までの範囲でしょうか。

ところで、『yg. =幼魚』は世界的に通用するのでしょうか?

手持ちの海外の魚類図鑑では幼魚には『juv.』が使用されているのですが…。

『juv.』は『Juvenile』の略です。

まあ、海外の図鑑は一冊しか手元にないので、この図鑑だけかもしれませんが…。

■■

ところで幼魚って、どんな子でもかわいいですよね…

〈ウツボ科ウツボ亜科ウツボ属リュウキュウウツボ Gymnothorax ryukyuensis 21年11月17日 沖縄島安和〉

画像は幼魚。

成魚はかなり大サイズになり、迫力満点で、見ようによってはグロテスクな印象も…。

でも幼魚はやっぱりかわいい感じです。

体色の黄色も鮮やかですし…。

 

 

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sp.(ダルマハゼ属未記載種)

2022-02-01 20:37:45 | ハゼ科

朝からたっぷりの日差しを浴びられた本日のやんばるです。

風もゆるやかで、気持ち良~く過ごせた一日でした。

インターバルには陽光が心地良くてうとうとしたり…。

沖縄気象台が、本日ヒカンザクラの満開を観測したと発表しました。

平年値より三日早く、去年とは同じ日の満開となりました。

でも明日からは数日ぐずついた空模様になりそう…。

風は北東。晴れ。

■■

『sp.』

『エスピーピリオド』

今日、生物の学名は属名と種名(種小名)の二語を並べる方法で表記されています。

この方法は二名法、または複名法と呼ばれています。

例えばダルマハゼならば、Paragobiodon echinocephalus と表記され、Paragobiodon が属名、echinocephalus が種小名になります。学名は斜体で表記するのが普通な感じ。

因みにダルマハゼという日本語の名前は標準和名と呼ばれています。図鑑の日本語名は標準和名ですね。対して学名の方はラテン語です。

前述のsp. は種名の特定できない場合に属名の後、種小名の位置に表記されます。つまり属は分かるけど種はまだ分からないということ。

sp. のピリオドは省略していることを表し、『sp.』は『species』のことです。

これを日本語で表すときは、三つの表し方があるよう。

僕の勝手な印象ですが、図鑑でよく見かけるのは〇〇属の1種。ネットニュースなんかでよく見かけるのが〇〇属の新種。

そして論文系の文章等で見かけるのが、〇〇属未記載種…って感じかな…。

あとsp. は斜体にはしません。これは種小名ではありませんから。

■■

さて、この子も未記載種のようです…

〈ハゼ科ハゼ亜科ダルマハゼ属未記載種 Paragobiodon sp. 21年11月17日 沖縄島安和〉

小さなサイズで成熟するダルマハゼ属の未記載種である可能性が高い個体です。

標本に基ずく検討が行われていませんから、はっきりと言い切れませんが…。

体側の白い斑点が特徴です。

 

 

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