Sakana no Sanaka

沖縄本島テキスト系ダイバーの一考察

meeting season(threadpipefish)

2020-11-24 20:12:06 | ヨウジウオ科

大陸から張り出した高気圧の周辺部だった沖縄島の本日は、ドンヨリな空模様でした。

当然寒気の影響で、肌寒~い一日に。

週の中頃は少し暖かくなりそうですが、週末にはまた寒気の影響が出そうな予報…。

クリスマスイブまでちょうど一ヶ月ですもんねぇ…。

■■

さて前回の続き…

日付が進んで9月の後半に入ると…。

〈ヨウジウオ科ヨウジウオ亜科Kyonemichthys属Kyonemichthys rumengani  20年9月24日 沖縄島安和〉

完全にペアだと確信できる距離に接近している個体の割合が急上昇し、さらには…

〈同種別個体 同日 同ポイント〉

卵保護をしている個体にも出会うようになりました。

〈同種別個体 同日 同ポイント〉

もちろん出会える総個体数も20個体前後の数字を維持したままです。

〈同種別個体 同日 同ポイント〉

おそらくこの時期に、求愛期から交尾期に移行したのではないでしょうか。

というのも9月の前半には3個体が接近していることもあったのですが、この時期にはそういう光景に出会わなくなった印象がするのです。

〈同種別個体 20年10月5日 同ポイント〉

10月に入っても多くの卵保護個体に出会うことが出来ました。出会える総個体数も多いまま。

〈同種別個体 20年10月16日 同ポイント〉

10月の後半に入ると、またペアは距離を取り始めたような印象。

あるいは卵保護個体には出会うけれど、そのペア個体は見当たらないとう感じに。

〈同種別個体 20年10月22日 同ポイント〉

そして徐々に出会える個体数が減っていきました。

ピークは9月の後半から10月の前半だったようです。

少なくとも今年については、9月・10月が本種の繁殖期だったのではないかな、という印象です。

ちなみに11月に入っても…

〈ヨウジウオ科ヨウジウオ亜科Kyonemichthys属Kyonemichthys rumengani  20年11月16日 沖縄島安和〉

卵保護個体には出会います。

 

 

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distance(Kyonemichthys rumengani)

2020-11-17 18:50:50 | ヨウジウオ科

週が明けて鋭い日差しの日が続いてるやんばるです。

風はやや強めですが、風向は悪くなく、コンディションもグッド。

気温は夏日で、涼風が心地良い一日でした。

明日からは南寄りの風になるそうで、週の後半も晴れ空の夏日予想になってます。

風は東。晴れ。

■■

『ディスタンス』という言葉があちらこちらで聞かれるようになって、半年以上が経ちますが…。

今年の新語・流行語大賞のノミネート30語にも確か含まれてましたよね、『ソーシャルディスタンス』が。

僕もここ最近、水中で気になるディスタンスを観察してました。

気になり始めたのは9月に入ってすぐくらいですが、最初に記録したのは9月10日のこと…。

〈ヨウジウオ科ヨウジウオ亜科Kyonemichthys属Kyonemichthys rumengani  20年9月10日 沖縄島安和〉

通称『ピグミーシードラゴン』とか『スレッドパイプフィッシュ』とか呼ばれている本種ですが、僕の記録では第1ペアAとなってます。

〈同種別個体 同日 同ポイント〉

そしてこちらは第1ペアB。

本種はペアに出会うことはそんなに難しくありません。

〈同種別個体 同日 同ポイント〉

記録によるとこの子は第2ペアA。

〈同種別個体 同日 同ポイント〉

この子は第2ペアB。第1ペアも第2ペアも今一つ成熟度が低いような気がして、しかもAとBの距離が30~50cmくらい離れていたので、少し違和感を感じたり。

この日はさらにもう1ペアとペアを確認できなかった1個体にも出会ったのですが、その1ペアも何か微妙な距離感。

〈同種別個体 20年9月14日 同ポイント〉

日が変わってペア個体のA。

〈同種別個体 同日 同ポイント〉

ペア個体B。

日付が進んでも、やっぱり距離感は詰まらない感じ。でもペアとしか思えない距離。この距離は彼らにはどんな感じなのかな…。どちらかがどちらかに求愛しようとしているのかな…とか考えてみたり。それにしては30~50cmくらいの距離感を保ったままだったり。

〈同種別個体 20年9月17日 同ポイント〉

しかしさらに日付が進むと…。

〈同種別個体 同日 同ポイント〉

距離感はまあ相変わらずなのですが、出会う個体数が爆発的に増え、1日で20個体に出会うことに。

〈同種別個体 同日 同ポイント〉

しかもそのほとんどがペアと思われる距離感。微妙な距離感ではありますが…。

〈同種別個体 同日 同ポイント〉

これはやっぱり何かが始まってるような…、と考えたわけです。

そしてさらに日付が進むと…。

この先は次回に。

 

 

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中のそもそも(アナモリチュウコシオリエビ)

2020-11-10 20:06:17 | エビ・カニ類

週が明けてから北風が強まっているやんばるです。空模様が冬っぽかったり…。

でもまあ、明日からは晴れアイコンが並んでいる週間予報になっています。

気温も夏日続きになりそうです。

風は北東。曇。

■■

十代前半の頃から海外ドラマが好きで、よく見ていました。昔はテレビで見るしかなく、深夜枠の番組を夜更かしして見たり。その後ビデオで録画できるようになり、レンタルできるようになり、今やサブスクで見放題になり…。といっても僕が見てるのは無料配信のやつばかりですけど。

今、毎週欠かさず見てるのは『medium(ミディアム)』というアメリカのドラマ。ミディアムと言えばお肉の焼き加減や、ポテトやコーラのサイズ、または洋服のサイズなんかで使う言葉ですが、その『中間』や『中くらい』という意味の他にも別の意味があります。

それは『媒体・媒介物・媒質』という意味。つまり中間にあって何かを伝えるものって感じの意味で、だから『伝達手段』あるいは『霊媒・霊能者』という意味もあります。

前述のドラマも主人公が霊能者の話。といってもオカルトではなくクライムストーリーです。なかなかにストーリーがよく出来ていて面白いんです。

それはともかく日本でミディアムと言えばやっぱり『中』の意味で用いますよね。

中という漢字はもともと四角の枠を棒が貫く様子を表したものなのだとか。つまり真ん中を貫く、矢や槍で貫くという意味があり、そこから(的に)当たるという意味もあるのだそう。

確か鹿児島県には『中』一文字で『あたり』と読む姓があったと記憶してます。これも中の本来の意味から来ているのでしょうね。

また毒にあたることを『中毒』と言ったりしますけど、これなんかもまさにそうですね。

そういえば中という漢字から思い出す海外ドラマがありまして、それは確か80年代のアメリカのドラマで『アメリカン・ヒーロー』というドラマ。コメディータッチのスーパーマンパロディーみたいなドラマでしたが、衣装の胸のデザインが、『S』の代わりに『中』だったのを憶えています。

もっとも、あれはハサミを図形化したもので、漢字からではなかったようですが。

あのドラマもかなり面白かったなぁ…。

■■

さて…

〈コシオリエビ科チュウコシオリエビ属アナモリチュウコシオリエビ Munida olivarae 20年9月25日 沖縄島安和〉

この子のチュウは『中くらい』のチュウ。

何かを媒介しているわけでも、持っているハサミからでもありません…。

 

 

 

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海の蜂(ウデナガウンバチ近縁種)

2020-11-03 19:47:59 | 水中生物

陽光はたっぷりでしたけど北風が強く吹いた本日のやんばるです。

気温は夏日を僅かに下回るくらいでしたが、体感的にはもう少し肌寒い感じでした。

明日はさらに少し気温が下がるよう。

その後は週末にかけてまた夏日から真夏日近くまで上昇しそうな予想ですが、陽光の乏しい日が続きそうです。

冬の足音を感じる空模様だな…とか思えたり。

風は強めの北東。曇のち晴れ。

■■

蜂という昆虫をイメージするとき、一般的には二つの特徴が思い浮かぶのではないでしょうか。

一つは社会性昆虫であるということ。

すなわち、家族で集団を作り、その中に女王や働き蜂などの階層がある生活をしているなどの社会構造を備える昆虫であること。もっとも全部の蜂が社会性を持つわけではではないようですけど。

そしてもう一つは『毒』ですよね。

といってもこちらも蜂の全てが毒針で刺すわけではなく、実際に刺す蜂はほんの一握りなのだとか。しかしながらハチ毒はアナフィラキシーショックを起こすこともあるそうで、十分な注意が必要です。

とくに社会性昆虫であるアシナガバチ、スズメバチ、ミツバチは一匹が他の何かの生物に対して毒針を刺すと、そこから蜂が攻撃的になるフェロモンを発するため、他の蜂もつられて集団で襲いかかるという習性があるのだとか。

蜂の巣に遭遇してしまったときは、決して近づかず、姿勢を低くして速やかに巣から離れるようにするのがいいのだそうです。

水中にも毒を持つ生物は少なくありませんね。その一つがイソギンチャク類。

毒が強く人を刺すイソギンチャクとしては、カザリイソギンチャク、スナイソギンチャク、フトウデイソギンチャク、ハナブサイソギンチャク、そしてウデナガウンバチとウンバチイソギンチャクが知られています。

最後の2種、ウデナガウンバチとウンバチイソギンチャクの『ウンバチ』は『海の蜂』の意味なのだとか。

蜂と同じように十分な注意が必要です。

■■

さて…

〈ハナブサイソギンチャク科Megalactis属ウデナガウンバチ近縁種 Megalactis sp. 20年9月14日 沖縄島安和〉

画像のイソギンチャクがウデナガウンバチと同じように強力な刺胞毒を持つのかは知りません。

触って確かめてみようとは、もちろん思いません。

でもまあ、同じくらいに『海の蜂』だと考えるのが自然ですよね。

幼いイソギンチャクモエビにとっては、強力な守護者なのではないでしょうか。

 

 

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