Sakana no Sanaka

沖縄本島テキスト系ダイバーの一考察

『    』(トウアカクマノミ)

2016-12-30 20:28:14 | スズメダイ科

風はまだ少々強いけど、寒さはやわらいできた本日のやんばるです。

後半は陽光もタップリでいい感じに。

明日以降も暖かい日が続きそう。

特に年明けすぐは夏日になるかも…な予報です。

気持ちのいい年末年始になりそうですね。

風は北東。曇のち晴れ。

〈スズメダイ科クマノミ亜科クマノミ属トウアカクマノミ Amphiprion polymnus 16年10月31日 沖縄島湾奥〉

画像は幼魚。

■■

さて…

今年はどんな年でした?

今年の過去記事を大雑把にチェックしてみると…

当地はまず1月に観測史上初の雪を記録しました。

強すぎる寒波で、多くの魚がビーチに打ち上げられた光景を目にすることに…。

そして夏には台風がなかなか発生・接近せず、当地の7月の平均気温と平均水温が観測史上最高の数値に。

つまり今年は冬はトコトン寒く、夏はトコトン暑かった…という感じでしょうか。

特に夏の高い海水温の影響で、沖縄島の珊瑚も例年以上に白化しました。

画像のトウアカクマノミの背後に写っているイソギンチャクも、白化しています。

そういう意味では、この画像は今年の沖縄島を象徴する一枚かも。

そしてスズメダイ科で、来年の干支を意識していたりも……。

■■

さてさて…

本種の学名種小名は『     』の意。

書き忘れてるわけではありません。

本種の学名種小名には、意味がないのです。

おそらく誤記されたものだとか。

名前があるのに、その名は意味のある言葉ではない。

何だか不可思議な感じがしますねぇ。

でもある意味特別な名前なのかも…と思えたりも…。

 

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水の青(クロメガネスズメダイ)

2016-12-27 18:36:53 | スズメダイ科

早朝は穏やかな天気だったのですが…

お昼までに急激に風が強まった本日のやんばるです。

空もドンヨリ、雨交じりで…、体感はかなり厳し~感じに。

明日はさらに冷え込むようで…。

でも寒さのピークは明日で、その後は寒さもやわらぎ、年末年始はいい感じの陽気になりそうです。

風は強い北~北西。曇、ときどき雨。

〈スズメダイ科ソラスズメダイ亜科ソラスズメダイ属クロメガネスズメダイ Pomacentrus vaiuli 16年11月14日 沖縄島安和〉

画像は幼魚。

ヒレにダメージがありますね…

■■

水の色は何色でしょう…

コップ一杯の水ならば、それは無色透明ですよね。

でももっと大きなスケールならば…、それは青ですよね。

水が可視光線の赤色を吸収してしまうから…なのだそう。

つまり水が赤色の波長を吸収してしまうから。それは水の分子が赤色の波長を吸収してしまうということ。

すなわちそれは、水分子の運動(移動運動・回転運動・振動運動・結合伸縮運動)に、赤色波長のエネルギーが吸収されてしまうから…ということだとか。

というわけで、水は本質的に青を纏っている、ということなのだそう。

しかしながら海が青いのには他の理由も。

一つは、空の青色を海面が反射しているから。

もう一つは、水中に入った光が水底に反射して。

水中に大きな浮遊物があれば白く濁ってしまいますが、それがなく、また水底が珊瑚砂のような底質で白ければ、そこで反射した光は青色になるのだそう。

さて…

本種のタイプ産地は、サモア独立国の首都アピア。南太平洋に浮かぶウボル島の北方の海岸に位置するサモア唯一の都市です。

その地で、本種は vaiuli と呼ばれていて、それがそのまま本種の学名種小名になったよう。

vaiuli はサモア諸島で『青い水』の意味なのだとか。

〈同種同一個体 同日 同ポイント〉

何故魚である本種が、『青い水』と呼ばれることになったのでしょう?

漠然と、ファンタジックなイメージが浮かんできたり…。

なんにしてもこのタイプ産地の海は、きっと珊瑚砂の真っ白な底質で、高い透明度の青々とした海なのだろうなぁ…と思えたり。

 

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南の守護神(スザクサラサエビ)

2016-12-23 19:36:57 | エビ・カニ類

北風がビュービュー…な本日のやんばるです。

日差しはタップリだったのですが、それでも寒い~。

明日はもう少し寒くなるのだそう…。

まあ、クリスマスっぽくっていいのかもしれませんけど。

風は北西。晴れ。

〈サラサエビ科サラサエビ属スザクサラサエビ Rhynchocinetes durbanensis 16年11月11日 沖縄島安和グスク〉

西暦794年から1869年まで、日本の首都は平安京でした。

泣くよ(794)ウグイス平安京…、なんてつぶやいて覚えましたよね。

現在の京都府京都市であるこの都市は、〈四神相応〉の都市でした。

〈四神相応〉とは、大地の四方の方角を司る「四神」の存在に最もふさわしいと、伝統的に信じられてきた地勢や地相のことだそう。

つまり平安京は四つの方角のそれぞれを、伝説上の神獣に守られている場所に建設された計画都市なのです。

その神獣とは…

東を司る青龍、西を司る白虎、北を司る玄武、そして南を司る朱雀。

そう、本種の和名にくっついている朱雀(すざく)。

朱雀は鳥の形で表される神獣。

でもまあ、本種は鳥のような形にはまったく見えませんから、形からの名前ではないでしょう。

朱雀の朱は赤。五行説での南方を表す色で、朱雀のパーソナルカラー。

本種の赤い模様を朱雀に見立てたのでしょうか。

『シュイロサラサエビ』や『アカサラサエビ』とかじゃないところが、格好いいなぁ…とか思えたり。

一方…

本種の学名種小名はダーバンという都市。タイプ産地ですね。

ダーバンがある国は、南アフリカ共和国。

あっ、南だ……。

微妙~に朱雀と繋がってるなぁ…とか思えたりも…。

 

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おもむき…(ウメイロモドキ)

2016-12-20 20:22:32 | タカサゴ科

クリスマスが間近だというのに、沖縄島はドップリ暖気に覆われてます。

風は南寄りで湿度も高く、夏日になりました。

水温は緩やかに下降していますが、エキジット後は日差しもタップリで、風に吹かれても心地いい本日のやんばるでした。

明日も暖かな日になりそうで、気持ちよく海辺で過ごせそうです。

風は南東~南。晴れ。

〈タカサゴ科タカサゴ属ウメイロモドキ Caesio teres 16年11月11日 沖縄島安和グスク〉

画像は幼魚。

鼻をつまんで食べると、味が分からなくなるのだそうです。

正確には、何を食べているのか判別できなくなるのだそう。

味は、舌や軟口蓋の味蕾という器官で感じているのですが、その情報だけでは判別には不十分なのだとか。

その判別おいて、臭覚の能力は味覚とは比べものにならないほど高いのだそうです。

風味という言葉がありますね。

風味とは、飲食物の香や味わい。あるいはおもむきのある味わい。

こういうものを感じるためにも、食事のときに臭覚のはたす役割って、重要なのだろうなぁ…とか思えたり。

さて…

本種の学名種小名は『丸みのある・肉の多い・風味のよい』の意。

この名前は……

食べた結果でしょうか…。味わった結果として命名したのでしょうか…。

〈同種別個体 同日 同ポイント〉

画像はこちらも幼魚。

和名の『モドキ』は、『似せて作ること・似せて作ったもの・まがいもの』の意。

前回に引き続き…、〈ソックリウメイロ〉とかではだめなのでしょうか、と提案してみたり…。

しかしながらモドキ(擬き・抵牾)には、『日本の芸能で、主役にからんだり、前に演じたものを滑稽にまねしたりすること。またはその役・演目』の意味も。

何というか、この言葉にはおもむきがあるように感じられて、こちらはこのままでもいいように思えたりも…。

 

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偽と光輝…(ニセクロホシフエダイ)

2016-12-16 06:22:52 | フエフキダイ科

寒さ厳し~感じになってますやんばるです。

まあ、全国的に冷え込んでるようですが…。

風も強く、空はドンヨリ。

で、体感の寒さがさらに増したり…。

気温より水温の方が10℃くらい高いので、海水が温~く感じたり…。

風は、強めの北西。曇。

〈フエダイ科フエダイ属ニセクロホシフエダイ Lutjanus fulviflamma 16年11月7日 沖縄島湾奥〉

画像は幼魚。

〈アイコクハヤブサ〉という種名からどんな印象を受けますか。

〈コロシヤハヤブサ〉という種名ならどんな印象ですか。

あるいは、〈ウブゲカワウソ〉と〈カギヅメカワウソ〉の2種なら、それぞれどんなイメージが浮かびますか。

これはアメリカの大学の研究チームが、生物の名前の影響について調査したもの。

愛国的な名前や可愛らしい名前の方が、そうじゃない名前より保護意識が刺激されるという結果を見いだしたのだそう。

つまり、〈コロシヤハヤブサ〉より〈アイコクハヤブサ〉のほうが保護意識が高まり、〈カギヅメカワウソ〉より〈ウブゲカワウソ〉のほうが保護意識が高まるということ。

因みに4種の種名は、調査のために作った架空の種名です。

名前って、結構重要なんだなぁ…、とか思えたり。

で、本種の名前…。

和名に付いている『ニセ』は、クロホシフエダイに対するニセクロホシフエダイ、つまり『似ている』ということを表現したものなのでしょうけど…。

『ニセ』は『偽・贋』ですから、印象的にどうでしょう。

『ニセ』という名前の付く魚は結構多いですが、付く方は偽物で付かない方は本物という訳ではないのにねぇ。

似ているという表現なら、例えば〈キンジ(近似)クロホシフエダイ〉とか、〈ソックリクロホシフエダイ〉とかでもいいのでは、とか思えたり。

〈ウッカリカサゴ〉なんて和名もあるくらいですから、〈ソックリクロホシフエダイ〉という名前はいいのじゃないかと思うのですけど…。

さらに印象といえば本種の学名……

本種の学名種小名は『黄色い光輝』の意。

学名的には本種は、黄色に光り輝く魚なのです。

まったく印象が変わりますね。

 

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ニュートンの7(ロクセンフエダイ)

2016-12-13 06:16:26 | フエダイ科

本日は午前中に一時雨、でも後半は心地よい日差し…なやんばる、になる予定です。

というのも、これ書いてる今は早朝ですから。

まだ外が暗いです…。

風は南のち北西。雨のち晴れ間。

〈フエダイ科フエダイ属ロクセンフエダイ Lutjanus quinquelineatus 16年11月7日 沖縄島湾奥〉

画像は幼魚。

虹は7色だと決めたのは、ニュートンなのだそうです。

『万有引力の法則』のあのアイザック・ニュートンのことですよ。

1706年に出版された『オプティクス』という彼の研究をまとめた書物に、「虹は7色である」という考え方や実験方法が記載されているのだとか。

ただ実際には、実験をしてもくっきりと7色には区切れなかったり…。

ニュートン自身もはっきりと7色と見たわけではないのだとか。

ニュートンが虹の色数を7としたのは、「各色の帯の幅が、音楽の音階間の高さに対応している」と結論するため。というのも、当時は音楽は学問の一つで、音楽と自然現象を結びつけることが大事なことと考えられていたからなのだそう。

多くの日本人にとって虹が7色という常識は、このニュートンの研究に由来する学校教育によるものだとか。

以前にも書きましたが、虹の色数は地域によってかなり違います。どうしてこのニュートンの研究が世界中に定着しなかったのでしょうか。

まあなんにしても、虹の色数は文化が作り出した数字であり、絶対的な事実ではないということなのでしょうね。

さて……

本種の学名種小名は『五つの線のある』の意。

体側のラインの数を表しているのでしょうね。

でも和名の方は〈ロクセン〉

和名の方は一本多い…。

山と渓谷社の『日本の海水魚』の形態解説文によると、「黄色地に6本の鮮やかな青色の縦帯がある」と書かれています。

一方東海大学出版会の『日本産魚類検索』の解説文によると、「体側の青白色縦帯は5本」とあります。

この数字も、絶対的なものではないということでしょうか。

 

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愛を伝える器官、美味な器官(カスリハゼ)

2016-12-09 19:17:23 | ハゼ科

陽光サンサンで、ポカポカな陽気になった本日のやんばるです。

冷たい風も心地よく感じられたりする一日でした。

この週末も、こんな感じが続きそうです。

風は北東。晴れ。

〈ハゼ科ハゼ亜科カスリハゼ属カスリハゼ Mahidolia mystacina 16年10月31日 沖縄島湾奥〉

画像は幼魚。

唇という器官には、いろいろな役割があるそうで…

飲食の際には口から食物がでないようにすることだったり、発声の際の調節をすることだったり、口笛の発音や、色を塗って装飾したり、穴を開けて強調したり、まあその他諸々の役割があるのだとか。

慣用句によると、人は悔しいときに唇を噛み、不満があるときには唇を尖らせるそうですから、感情の表現にも役立っているようですしね。

そしてさらには人間の繁殖行動に繋がる愛情表現にも、重要な役割をしていますよね。

チュー、あるいはキス、あるいは接吻とも呼ばれる愛(親愛も含めた)を伝えるための器官。

さらにさらに唇を使う繁殖行為にはその先もありますけど、まあ取りあえずここまでで……。

さて…

本種の学名種小名は『上唇』の意。

なぜなのでしょう。画像を刮目しても、上唇に特徴があるとは思えないのですが。

そもそも唇の定義は、『哺乳類の口の回りにある器官である』とされていたりもするのですが。

もっとも、魚類図鑑には〈上唇〉・〈下唇〉という部位が示されているものもありますから、魚に対しても唇という言葉を使うこと自体は間違いではないのでしょうけど。

〈同種同一個体 同日 同ポイント〉

ところで、魚の唇は美味しいのだそう。

実際に唇だけを切り取って食した方の感想を目にしましたけど、アジの唇はサザエの刺身のようなのだとか。

まさかこの子の上唇もすごく美味で、だから……、そんなわけないか。

因みに魚の唇、これを『魚唇』と書くと、たちまちまったく違う食材に変わってしまいます。

『魚唇(ゆぅちゅん)』とは、サメの胴体とヒレを繋いでいる部位で、フカヒレの〈えんがわ〉なのだそう。

コラーゲンタップリで、脂肪分ゼロの食材なのだそうです。

しかしなぜその部位が『唇』なのでしょう。

結局謎が謎を呼んでしまったり…。

 

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いとしとかいて…(フジムスメウミウシ)

2016-12-06 18:26:59 | ウミウシ

北風がビュービュー…、一気に寒くなった本日のやんばるです。

先週末の夏日からの落差が激しすぎる…。

まあ、まだ水中が寒くないのでいいんですが。

明日はさらに寒気が南下するけれど、風は弱まるのだとか。

今日より暖かいのか寒いのか…、よく解らない予報になってました。

風は強めの北。曇ときどき晴れ。

〈イロウミウシ科シラユキウミウシ属フジムスメウミウシ Noumea romeri 16年10月26日 沖縄島安和〉

『いとしとかいて藤の花』

昔からある言葉遊び。

『い』というひらがなを『とう』、つまり十個縦に並べて、真ん中をひらがなの『し』で貫くと藤の花になるというもの。

フジムスメ(藤娘)から最初に浮かんだのがこれだったり。

『いとし』は当然『愛し』で、フジムスメという響きによく似合うように思えたりして…。

藤娘は歌舞伎の演目ですね。

藤の枝を手にしたあどけない娘(実は藤の精)が踊る舞踊演目ですが、もともとは大津絵の藤娘に題をとったもの。

でもその絵は、藤の精を描いたのもではありません。

元禄時代に物見遊山(レジャー)に出かけるイケイケファッションの〈遊女〉の姿を描いた風刺画だったのだそう。

これが当時の旅行者にお土産として売られて、全国に広まったのだとか。

その後、歌舞伎舞踊になるくらいですから、かなりのヒット商品だったのかも。

『いとしとかいて藤の花』

藤娘のルーツを辿っているうちに、『愛し』のイメージが最初とは違ったものになっていったり…。

さて…

〈同種 同一個体 同日 同ポイント〉

この子自体の姿はどうでしょう?

あどけない藤の精チックに感じます?

それともイケイケ遊女チック感じます?

僕は……

実は〈藤娘〉という字面から、和菓子チックに感じていたりも…。

 

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虎か真理か(トラフシャコ)

2016-12-02 18:59:15 | エビ・カニ類

時間と共に北風が強まった印象の、本日のやんばるです。

でも時間と共に、陽光もタップリになった一日でした。

それでもエキジット直後は、ヒンヤリしましたが…。

まあでも、週末は夏日になりそうです。

風は北東。曇のち晴れ。

〈トラフシャコ科トラフシャコ属トラフシャコ Lysiosquillina maculata 16年10月26日 沖縄島安和〉

日本人に多い名前は、男性だとヒロシ、女性だとケイコなのだそう。たぶん古いデータだと思いますけど…。

こういうデータというのは、誰が、あるいはどこの機関が調べるのでしょうね。

そして何故こういう偏りって生まれるのでしょうねぇ…。

本種の学名種小名の maculata もかなりたくさんの種に用いられている名前です。

日本産魚類だけでも6種、接尾辞が変化したものまで加えると17種に用いられていますから。

その他本種のような甲殻類やウミウシ類や貝類、蜘蛛類やキノコ類にも…。

で、その種小名は『斑紋のある』の意。

斑紋とは、まだらの模様のこと。まだらとは、種々の色や濃淡が入り混じっていること。ぶち。

しかし和名からも解るように、この場合のまだらとは虎斑(トラフ)とも繋がる斑(まだら)なのでしょうね。

まあ画像ではすっかり地中に隠れてしまっていますが、その体には虎のような横縞模様がありますから。

ところで、一説によるとまだらの語源は曼荼羅なのだとか。

もちろん仏語の曼荼羅のことで、仏の悟りの境地である宇宙の真理を図示したもの。

それを思うと、少々神秘性を感じたりも。

その身に纏うのは、虎か真理か…。

水中で全身を観察できる機会があれば、じっくりと考察しないとね…。

 

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